要介護者の夜中のトイレは要注意!介護が楽になるトイレの改善策
介護をするうえでトイレの問題は最も優先すべきことでしょう。
高齢になるとトイレの回数も増えてきますので、介護が楽になるか嫌になるかを左右するほど影響力の大きい問題です。
そこで今回は、介護が楽になるトイレづくりのポイントをご紹介します。
認知症高齢者が夜中にひとりでトイレに行く危険性
夜中に起きてトイレに行くと、眠気や動作の問題でふらつきや転倒の可能性が高くなります。

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認知症高齢者の場合、足腰が弱くなり、視力も落ちているうえ、どこにトイレがあるのかわからないという、トリプルパンチの状態です。
トイレの位置がわからないといのは、家の中における各空間の位置関係がわからなくなるという認知症の症状の表れです。
いわゆる見当識障害というもので、季節、曜日、住んでいる場所、年齢など、自分を取り巻いている現状が理解できないのです。
トイレまでの通路は明るく歩きやすい環境に!
トイレ問題は寝室からトイレまでの通路と、トイレそのものに配慮する必要があります。
深夜に目覚めた高齢者は、トイレに行こうと廊下に出ますが、廊下の照明スイッチが遠いと暗い中を歩くことになります。

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センサー付きの照明にするか、せめてフットライトは設置したいところです。

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人は明るい所から暗い所へ移動したとき、一瞬、視力が奪われ見えなくなります。
若い人は10~30秒ほどで見えるようになりますが、高齢者は1~2分もかかります。
また、高齢者は光源の輝度が高すぎるとまぶしく感じますので、明るくしすぎないように注意しましょう。
寝室では顔の真上に照明を設置しないようにしてください。
トイレとわかるように張り紙や看板などを設置
認知症高齢者はトイレがどこかわからなくなり、あちこち捜し歩くことがあります。
できればトイレと書いた用紙をドアに張ったり、看板を取り付けたりして、トイレだとわかるようにしましょう。

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トイレのドアは外開きだと、出るときに人とぶつかる可能性があり危険です。
できれば横にスライドする3枚引戸タイプがオススメです。

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ドアは使用中であることがわかるように、部分的にガラスがはめ込まれ、中の明かりが外から見えるタイプにすると良いでしょう。
トイレのドアを開けたとき、自動で照明が点くようすると、スイッチを探す必要がなくなります。
トイレ内は車椅子と介護者が入れる広さに
トイレの中は車椅子と介護者(介護をする人)が入れて、さらに中で車椅子が回転できる広さがベスト。

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トイレの中には手洗いのできる小さな洗面と、オムツなどが置ける収納棚があると便利です。
下着や衣服などの汚れはスロップシンクという専用の洗面台を利用するととても助かります。

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掃除用具や靴、マットなどの汚れ物も手洗いすることができます。
将来の介護のために新築時できること
将来、親の居室を介護しやすくすることを考え、あらかじめトイレ・洗面準備配管を施しておくこともできます。

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必要なときに最小限の工事でトイレ・洗面付きの居室に改修でき、特に車椅子などを使うような頃に重宝すると思われます。
ポータブルトイレという方法もありますが、抵抗があるという人もいるでしょう。
ちゃんとしたトイレが居室にあれば遠慮なく用が足せ、気持ちよく過ごせます。
介護生活が長引くと介護者のストレスが溜まり、心身ともに疲れてしまいます。
トイレの問題は早めに対策をすることで、要介護者と介護者がともに辛さから解放され、在宅介護が楽になる大きな一歩となるでしょう。