秋は睡眠負債に要注意!プロが教える、寝室の掃除と眠りのコツ
秋は睡眠負債が起こりやすいのをご存知ですか。
前編では睡眠負債と健康被害の関連性と効果的な寝具のお手入れについて紹介しました。
後編は「寝室の効果的な掃除方法と、より良い眠りにつくための秘訣」についてお伝えします。
お掃除のプロ「ダスキン」と快眠セラピスト・睡眠環境プランナーでもある睡眠のプロ・三橋美穂さんが提案する睡眠負債の予防方法とは?
寝室の掃除はポイントを押さえて効果的に!

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秋はダニのフンや死骸が増えるので、寝室や寝具への影響も懸念されます。
ダニの死骸やフンはアレルギー症状を引き起こす「ダニアレルゲン」として空気中に舞うため、きちんと寝室を掃除して取り除きたいですね。
寝室の汚れの発生場所でもあるエアコン、網戸、床の具体的なお掃除テクニックを伝授します。
エアコン内部が汚れていると室内も汚れる!
快眠のために夏のエアコンの使用は必要不可欠。
今夏の長い酷暑では、就寝時のエアコン運転が快眠につながることを体感した方が多いのではないでしょうか。
しかし、エアコン内部は酸素、温度、湿度、栄養分が十分に整ったカビの生育条件の温床です。
掃除をせずに放っておくとホコリなどの汚れや水分によってカビが繁殖してしまい、胞子が排出されるため、使用中のお手入れを欠かさないよう心がけてください。
エアコンのお手入れ3ステップ
- 運転後は内部の湿度が高くなっているので 30分ほど送風運転を行い乾燥させる。
- フィルターとコンセントを抜き、掃除機を使って溜まっているホコリを除去する。
- 本体周辺や吹出し口はモップなどでホコリを取る。
涼しくなりエアコンの出番が減った筆者宅のフィルターを久々に見てみるとホコリがびっしり!

画像左 掃除前/右 掃除後
これからは暫く使わなくなる前のエアコン全体の汚れチェックもしようと決意しました。
換気しても網戸が汚れていると台無し!

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寝室の空気をきれいにするためには、こまめな換気が有効なので、晴れた日は1日1回、5~10分程度換気することが理想的です。
しかし、網戸が汚れていると、網戸に付着したホコリが室内に入り込むため、せっかくの換気が台無しになるので、網戸のお手入れもお忘れなく。
掃除の手順は以下の通りです。
1.モップで軽くホコリを取る。または、掃除機でホコリを吸い取る
(モップを網戸と平行にし、少し回転させるように動かすと、網に力がかからずにホコリをよく取ることができます)
2.水に浸しゆるく絞った2枚の雑巾、または2つのスポンジに洗剤をつけ、網戸の両面をタテ・ヨコ・ナナメにこする。
その後、水に浸し固く絞った雑巾で、 汚れや洗剤分を拭き取る。
3.乾いた雑巾で水気を拭き取る。よく乾燥させる。
大型台風の翌日、筆者は網戸を拭き掃除したばかりですが、上記の方法にならって約10日後に再び網戸掃除をしました。

スポンジを使った網戸掃除は初めてでした
ご覧ください、この汚れ!

台所用中性洗剤をうすめた液がたちまち汚水に…
晴れた日の在宅時は窓を開け放ち、窓辺にベッドを置いているため、網戸掃除は窓掃除以上に大切だと猛省しました。
掃除のタイミングは起床時と帰宅時がおすすめ

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きれいな空気を保つためには、床のホコリをとることも大切です。
床掃除はホコリが落ちきっている起床時や帰宅時におこなうのがベストです。
コツはモップでホコリを取る場合はホコリをたてないように軽く使うこと、ホコリがたまりやすい四隅から掃除すること。
軽い汚れがある場合は、水に浸し固く絞ったぞうきんで汚れを拭き取り、すぐに乾拭きをしましょう。
コツをつかんで習慣にしてくださいね。
睡眠の専門家がおすすめ!睡眠の質を上げるコツ
最後に、これまで1万人以上の睡眠の悩みを解決してきた三橋さんがおすすめする、睡眠の質を上げるコツをご紹介します。
最近眠りが浅いなと感じている方は大いに試す価値があります!
エアコンの温度を二段階で設定

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質の高い眠りには、寝室の温度を安定させることが重要です。夏場の暑さが残った寝苦しい夜は、就寝前にエアコンの温度設定を25℃前後で冷やします。
その後、布団に入る直前に26~28℃に変更すると徐々に室温が上がるため、寝入って体温が下がった後も、快適に眠ることができます。
布団の中の温度は通年で33℃が理想的です。
またエアコンの風が身体に直接当たらないよう、室内の空気を循環させることを心がけましょう。
空気清浄機を使用する際は、エアコンの対面の位置に置くと室内に冷気が循環します。
部屋は暗いほど熟睡できる

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睡眠中は部屋が暗いほど熟睡できます。常夜灯が点いているだけでも睡眠が浅くなり、肥満やうつのリスクが高くなるとも言われています。
就寝時は天井の照明は切り、どうしても光がほしい時はフットライトなどを使用しましょう。
リラクゼーション音楽でスムーズに入眠
就寝時は40デシベル以下(図書館の静けさ)の環境が望ましいです。
気になる音がある場合は、リラクゼーション音楽をタイマーで流すなどして、元の音をかき消すことが有効です。
パジャマは長ズボンを着用

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夏場は薄着で就寝してしまいがちですが、身体を冷やす原因になります。
長ズボンを着用し、ハーフパンツや膝丈のものは避けましょう。
足が冷えると就寝中に足をつる原因にもなります。薄手のかけ布団をしっかりと身体にはおって眠るようにしましょう。
寝室に余計な物を置かない
寝返りは、筋肉をほぐしたり、血行を良くするなど睡眠の質を上げるうえで重要な要素の一つ。
そのため、枕元や寝具の周りには余計なものを置かず、ペットとの添い寝なども避けましょう。
また、寝室に物を多く置くとホコリがたまる原因にもなるため、睡眠に関係のないものをなるべく置かないようにしましょう。
いかがでしたか。
寝室環境を整えて、質の良い深い眠りをめざしてみませんか。
すべては快眠のため!と思うと、寝室掃除がはかどりますよ。
取材協力
※ ダスキン
※ 三橋美穂さん(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッ ズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートも手がける。著書『驚くほど眠りの質がよくなる睡眠メソッド100』(かんき出版)ほか多数。