不仲な夫婦の妻は平均額898万円!シニア夫婦の「へそくり」事情
「へそくり」と聞くと、本に挟んでおく、タンス預金など、ちょっとお金を隠しておくというイメージがありますよね。
しかし、シニア層のへそくり事情は、どうもイメージと違うようなんです。
自分の欲しいものを買ったり、美味しいもの食べたりと、自分の楽しみに使うというよりは、もっとリアルな考えで貯めているみたいです。
今回は、そんなシニア夫婦のへそくりについてのお話です。
平均額は436万円!シニア層の半数以上が「へそくり」アリ
「株式会社ハルメク」は、60~79歳の婚姻関係のあるシニア男女437名を対象に「夫婦関係とへそくり」に関するアンケート調査を実施しました。
まずは、シニア層のへそくり事情を見ていきましょう。
なんと、シニアの半数以上である53.5%が「へそくりを貯めている」と回答しています。

佐竹 美幸 / PIXTA(ピクスタ)
そして驚きなのはその額。平均へそくり額は436万円。
茶封筒にそれほど多くはない額のお金をこっそり隠しておく、という筆者のイメージとは別物でした。

shu / PIXTA(ピクスタ)
実は30代男性の大卒・中小企業勤務者の平均年収に相当するかなりの金額を貯めているようなんです。
”へそくり”とは、パートナーに明かさない内緒にしているお金の存在として解釈すると、これだけの額を貯めているシニア層はかなりのやりくり上手といった印象を受けます。
男性は平均330万円、女性は514万円!「へそくり」の額は女性の方が圧倒的に多い
次に、男女のへそくり額を比較してみましょう。
男性は平均330万円、女性は514万円であり、女性は男性の1.6倍もへそくりを貯めているようなんです。

Deja-vu / PIXTA(ピクスタ)
ドラマなどでも、へそくりでブランドバッグを購入……など妻がよくやっているイメージもあり、やはり女性はへそくりを貯めるのが上手!と筆者は感じてしまいました。

th1215 / PIXTA(ピクスタ)
しかしシニア女性がへそくりを貯めるのは、”配偶者の財産管理に対する不信・不安”、そして”男性より長生きするリスクへの備え”などシビアでもっとリアリティのある理由があるようなんです。
確かに、女性の方が平均寿命が長く、”残されるのは私”という思いが強い妻たち。

xiangtao / PIXTA(ピクスタ)
”へそくり=いざというときの安心材料”としての要素が強いことが分かりました。
不仲夫婦ほど「へそくり」の額は多い
半数以上がへそくりがあり、その額は女性ほど多く、そして自分が生きていく上で困らないようにするためのお金としての性格を持つシニア夫婦のへそくり事情。
なんと、このシニア夫婦のへそくり、不仲であるほどその額が多いようなんです。
夫婦仲とへそくり額の傾向をグラフで見てみると、
不仲夫婦の「妻」は平均で898万円もの「へそくり」を貯めている驚きの結果が明らかとなりました。
仲良し夫婦の妻と比べると、その差は400万円。

プラナ / PIXTA(ピクスタ)
不仲夫婦の夫が「妻は一人では生活できない、離婚をいってこないだろう」と危機感が薄い一方、「妻」は「親としての責任は終わった……夫はなにもできない」など着実に「へそくり」を貯め、離婚などもしもの時に備えているようです。
シニア夫婦の不仲、その延長にあるのは”熟年離婚”……。
ちょっと心配してしまいましたが、回答者の意見を見てみると一度は離婚を考えても、実際は「離婚しない」人が大多数。
何十年も生活を共にし、家族のいい時も悪い時も一緒に乗り切ってきた夫婦。
もしもの時のへそくりはあっても、離婚という決断をされる人は少数派のよう。

Rina / PIXTA(ピクスタ)
へそくりと聞くと「隠し事!?」と思ってしまいますが、”備え”の要素が強いシニア夫婦のへそくり。
自分が将来なるのであれば、”へそくりを貯める仲良し夫婦”でありたい、と思われた方も多いのでは?
普段から良好なコミュニケーションを心がけること、相手のお金の遣い方に不安があれば改善策を一緒に考えることなど普段から風通しのいい夫婦関係を築くことが重要であると感じます。
【参考】
※ 【調査リリース】60代・70代のシニア男女に聞いた「夫婦関係とへそくり」に関する調査/不仲夫婦の方が「へそくり」額が多い結果に