
浪速のウエンツ / PIXTA
今、中古住宅を購入し、自分の好みにカスタマイズできる“リノベーション”が注目されています。
人口が減少し、空き家率が高まる日本において、新築で住宅取得するよりも、すでにある不動産を活用し、住宅取得コストを抑えたい、というニーズが高まってきているのだと思います。
そこで、「リノベーション」で住宅取得する方が注意すべき点や、お得なローンの組み方についてお伝えしていきます。
■資金計画を事前にしっかり立てましょう!
まずは、下記を考えた上で、居住エリアの確定をしていきましょう。
- そもそも、住宅取得の総予算はいくらか?
- 自己資金はいくら出せるか?
- いつまで住む家か?
- 月々の返済、返済期間をどうするか?
気に入った物件があれば、「中古住宅の購入費用」と「リフォーム費用」を見積もりしてもらいましょう。
■いざ「中古住宅購入」の時にローンが通らない!?
住宅ローンは、基本的に「融資物件(土地・建物)を担保」にローンの貸し出しが行われます。
つまり、「お金を貸し出す価値が、その“融資対象物件”にあるかどうか」を審査で見ていきます。
中古住宅の場合は、築年数が経っていれば、その不動産の価値は“ほぼ土地の値段”と言ってもよいでしょう。
ただし、売る側としては少しでも高値で売りたい訳ですから、中古住宅の価格は、その価値よりも高くなる傾向にあります。
そのため、例えば売出し価格1,500万円の中古住宅を購入しようと、借入希望額を1,500万円で審査してもらっても住宅ローンが通らないことがあるのです。
その上、リフォーム資金を含めて住宅ローンを利用しようと思うと、さらに審査を通過するハードルは高くなるのです。
購入を決めたら、専門家にホームインスペクション(住宅診断)を依頼して、住宅の状態を知るだけでなく、“適正価格”のアドバイスをもらい、売主と価格交渉することも大切です。
もし、住宅購入費用は住宅ローンが組めたけど、リフォーム費用までは住宅ローンが組めなかった……という方は、その他のローンを組む必要があります。
■リフォーム費用で使えるローン
ローンを組む上で重視したいのは“金利”です。
リフォーム費用の使用目的で組めるローンは、「リフォームローン」「フリーローン」「カードローン」があり、担保の有無、借入金額によって金利が変わる商品もあります。
銀行系、信販系の2種類があり、信販系の方が金利は高くなる傾向にあります(リフォーム会社や工務店は信販系のローンを扱っていることが多いです)。
返済期間に関しては、住宅ローンが最長35年間まで組めるのに対して、これらのローンは返済期間が10年以内など、短期間での返済が必要になってきますので、より資金計画を綿密に立てなければいけません。
銀行では、住宅ローンとリフォームローンがセットになっている商品もありますので、借入額や金利を見ながら検討してみてください。
また、ローンを組む際は手数料や保証料が必要になることもあります。有担保ローンの場合は、抵当権設定費用などもかかってきます。
そして、「住宅ローン」と「リフォーム費用ローン」と、ダブルで手数料や保証料がかかることもあることも、お忘れなく。
■実は「カードローン」の方が金利が低いケースも!?
「カードローン」は馴染みが少ないと思いますが、借入金額が多ければ多いほど、借入金利は低くなります。
借入時の手数料、保証料はかかりません(返済時に手数料がかかる会社もあります)。
ほとんどの場合、担保も必要ありません。
1,000万円程度の大型リフォーム資金を借入する場合で、住宅ローンが組めなかった場合はカードローンを利用する、という方法もあるんです。
■「住宅ローン」控除の活用
新築・中古住宅の建築や取得、リフォーム資金のためのローンを組んだ場合、所得税や住民税が控除される「住宅ローン控除」という制度があります。
ただし、これには要件があり、建物の床面積や住宅取得者の所得金額などの他に、10年以上のローンを組んでいること、築年数が20年以内(耐火建築物は25年以内)又は地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準(耐震基準)に適合することなどがあります。
リフォームの場合は、省エネやバリアフリー改修でなければ、控除を受けることができません。
中古住宅取得、リフォーム費用のためのローンが、この要件に該当するかどうかは、事前に確認してくださいね。
減税のメリットも活用していきましょう。
いかがでしたか?
リノベーションは、新築住宅の取得に比べて、手続きが煩雑なことも多いですが、情報をしっかり得ながら進めていくと、新築に比べてコストは低く、今ある資源を有効活用した“味のある家”を手に入れることができますよ。
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(著者プロフィール)
冨士野喜子・・・大学卒業後、教育出版会社、外資系生命保険会社を経て独立。2009年に結婚し、現在は一児(2歳)の母。20~30代へ向けたライフプランニング・相談業務・セミナー講師として活動中。
結婚、出産、子育てなどのライフイベントを踏まえて、夢を叶える為の計画(ライフプラン)を立て、それに伴うお金の貯め方、家計費節約、生命保険の活用、住宅ローンを含めた住宅取得のアドバイス、女性の働き方などの提案を行っています。