不動産会社が「掘り出し物」を買える理由 

不動産に掘り出し物(ここでは相場より価格が安い物件の意味とします)がない理由として、「安い物件は市場に出回る前に不動産会社が優先的に買って、値段を上げ転売してしまうから」という意見をたまに耳にします。

実は、この意見は半分正解で半分ハズレています。

今回は、先述の意見が「半分正解で半分ハズレている」理由をもとに、不動産会社が物件を仕入れる仕組みについてお話ししたいと思います。

不動産会社は掘り出し物を転売して儲けている?

土地

HHImages / PIXTA(ピクスタ)

不動産にはさまざまな指標からなる相場があり、相場よりも価格が安い物件を「掘り出し物」と呼ぶことがあります。

一般的に、不動産会社はこの「掘り出し物」が市場に出回る前に優先的に買うことができ、それを右から左へ転売して儲けている、と思われているようです。

たしかに、不動産業者が購入する物件は相場よりも安いものになります。

逆にそうでなければ、不動産会社が売主となって分譲する物件は、その販売価格が相場より高くなってしまいます。

これが冒頭の意見が「半分当たっている」理由です。では、なぜ不動産業者は相場より安く買えるのでしょうか?

 

相場より安く買える最大の理由とは?

マンション

maruco / PIXTA(ピクスタ)

まず、あなたが不動産(土地や建物)を持っていて、それを売る場合を考えてみましょう。

あなたはその不動産を「少しでも高く売りたい」と思うはずです。

ただし、不動産には相場があるので、なかなかそれ以上で売ることはできません。

逆にいえば、「相場以下で売る必要もない」ともいえます。

そこで疑問なのは、「少しでも高く売りたいはずの売主がなぜ相場以下で不動産業者に売るのか」ということです。

不動産の売買には個別の事情が存在するのが当然であり、「売り急ぎ」やその逆の「買い進み」などの事情も多く存在します。

言うまでもなく、売り手に売り急ぎの事情がある場合は、その取引価格が若干低めになる傾向があります。

また、不動産会社のなかには情報の非対称性(買い手と売り手が持っている情報の格差)を利用して、安く買い取ろうとする質の悪い業者も一部には居るようです。

 

「不動産を商品化するスキルを持っている」ことが最大の理由

条件の悪い土地

テラス / PIXTA(ピクスタ)

しかし、不動産会社が相場より安く買える最大の理由は、不動産会社が「不動産を商品化するスキルを持っている」ことにあります。

例えば、高低差があり造成しなければ住宅が建たない土地や、一般住宅用地としては広すぎる土地、生活インフラ(上下水道・ガス・電気・道路等)が未整備の土地、権利関係が複雑だったり何らかのトラブルを抱えている土地などは、その物件情報を一般のマーケットに公開してもなかなか個人の買い手は見つかりません。

買い手が見つからなければ、そのような物件は個人向けに販売するのではなく、不動産会社向けに販売することになります。

そして不動産会社が購入する価格は、事業性(再販売等)を前提としたものになるので、個人向け相場よりも安くなってしまい、結果的に売主は相場より安く不動産業者へ土地や建物を売ることになります。

不動産会社は、その不動産の最適用途を見つけ出して加工(造成工事、権利関係整理、利害関係整理など含む)することで新たな商品としての価値を見いだします。

 

加工して商品化するという前提があるから安く買える!

造成中

HAKU / PIXTA(ピクスタ)

不動産会社が土地や建物を相場より安く買える背景には、そのままでは一般の人たちが購入しづらい不動産を「加工して商品化する」という前提があります。

つまり、不動産会社は「優先的に安い物件を買えている」わけではないのです。

これが冒頭の意見が「半分ハズレている」理由です。

このように、不動産会社はさまざま情報を集め、その不動産を加工する能力と技術を駆使し、相場より安く(しかし競合他社よりは高く)不動産を購入する努力を重ねているため、掘り出し物を購入することが出来るのです。