一級建築士に聞く

一級建築士に聞く!快適な吹き抜けのつくり方

吹き抜けの基本的な役割は、上の階と下の階を結びつけるというものです。

それによって、平面では感じられなかった上下の断面的な空間関係が生まれてきます。

空間そのものの大きさによる立体的なひろがりは、視覚的な開放感だけでなく、家族の雰囲気や声をつなげ、住まいをより豊かに感じさせることができます。

とはいいましても、天井を高くすると、それによって部屋の空気が温まりにくくなるというデメリットも生じます。

空調などを検討しながら吹き抜けに対する明確な目的を考えるということも大切です。

そこで今回は、吹き抜け空間に対する温熱環境をどうフォローしていくかについて、お伝えしていきます。

吹き抜け空気の流れ

吹き抜け

まず吹き抜けによる空気の流れを確認していきましょう。ご存知の方も多いと思いますが、温かい空気は上にいき、冷たい空気は下にいきます。

吹き抜けの空気の流れ

それが冬のここちよさを妨げる要因となっています。

つまり、上下空間の温度差にムラがないようにすることがポイントとなってきます。

 

熱が逃げにくい箱を用意すること、つまり断熱が大事!

吹き抜け

OrangeMoon / PIXTA(ピクスタ)

温度差にムラが出ないようにするためには、熱が逃げにくい住まいの箱を用意すること、つまり断熱基準を満たすことが重要です(住まわれている地域ごとに断熱基準が定められています)

どんなにいい設備を導入しても、その温まった空気が外に逃げていっては元も子もありません。

できればお住まいの地域で設定されている断熱基準より1ランク上くらいにするとより良いでしょう。

 

暖房をどうするか?

エアコン

maroke / PIXTA(ピクスタ)

エアコンの温風なかなか下まで届かず温まった気がしないみなさんも経験されたことがあるのではないでしょうか

これを解消するには、まず全館暖房にしていただくのがベストな考え方です。

全館暖房が予算的にはどうしても厳しいというかたは、吹き抜けのあるリビング空間をきちんと部屋として仕切れる構成とし、エアコンとガス温水式床暖房の併用して使用するのがよいでしょう。

床部分の暖かさを維持できるようにすることが重要です。しっかり断熱がされているだけで大分良い温熱環境となるはずです。

温度差についてのイラスト

断熱工法と暖房形式については様々なアプローチがあります。これらについてはまた別の機会をもうけて詳しく書かせていただこうと思っております。

いかがでしたか。この記事が吹き抜け空間を住まいで実現する後押しになれましたでしょうか?

「この設備があれば大丈夫!」というふうにとらえるのではなく、部屋の空気の流れをについて理解し、そのためには空間をどう暖めて循環させてゆけば温度差が生じないか。

これらの点をよく考えて取り組んでいけば、快適な吹き抜け空間を手に入れることができるはずです。