「無垢材に向く人、向かない人って?」無垢フローリング塾・第5回
木の温かみを感じられる無垢フローリングをいつか住まいに取り入れたい。
でも正直なところ、無垢フローリングって選び方やお手入れが難しそうだし、コストも心配……。
そんな無垢フローリングにまつわるいろんな「?」を、無垢フローリング初心者ライター・カドカミとともにお勉強しませんか。
レクチャーして下さるのは、全国に4店舗を展開する専門店「無垢フローリングドットコム」の代表取締役を務める中村有司社長。
最終回となる第5回は、お金をかけてでも無垢フローリングにすべき人とは? その逆は?についてずばり聞いてみました。
「どんな人が無垢材に向いている?」

ショールームではたくさんの種類のサンプルを、詳しい解説つきで見ることができる
カドカミ(以下K) 前回までのお話を聞くと、経年とともにつくキズを“無垢材ならではの魅力”と受け止められる、ある程度の大らかさが無垢を楽しむ上で必要なのかな〜と思いました。
中村社長は無垢材を取り入れるのに向いている人ってどんな人だと思いますか?
中村社長(以下N) 経年変化を楽しめる人だと私も思います。
やはり小さな欠けとかキズは時が経てばつくものですし、木材の隙間が盛り上がることもよくあります。
あとは自然素材ならではの性質を大事にできる、自然素材そのものが好きな人ですね。
自然木だから同じものは二つとなく、当然色ムラや木目の個体差などがありますが、それがあまり気になるようなら向かないかもしれません。
K ナルホド……、いろんな樹種がありますが、特にその個体差が顕著なものって?
N 本カリンなんかは赤系の中に黄色系のものが入っていて、その意味では比較的目立つ方です。
でもこれこそ無垢材の特徴ですから、インテリア上、色や木目をどうしても統一したいなら、無垢材ではなくプリント合板のフローリングが向いていると思います。
「経年とともに日焼けする樹種があるってホント?」

入居当初は白っぽい無垢材もいつかは…?
K そういえば、人間と同じで木材も日焼けするって聞いたことがあるんですが……。
N 本当です!
顕著なのはパインで、経年とともに白みがかっていた木材の色みがどんどん濃くなり、キャラメルのような飴色になるんです。
K こんなこと聞くと経年変化を拒んでるようですが……、色みをできるだけキープしたい場合はどうすれば?
N パインの色を変化させたくないなら、「WATCO(ワトコ)」オイルのホワイト色を塗ると比較的白っぽい状態を保てますよ。
もちろん塗るときには事前に試し塗りすることをお忘れなく。

どんなオイルで塗装するかで仕上がりは大きく異なる
「日に日に目立つ黒ずみは仕方ないの?」
K あとフローリングがどんどん黒ずんでいくのは、やっぱり気になる人もいると思います。
そもそも黒ずみはどんな原因が考えられるんですか?

経年変化といっても、気になる人には気になるはず
N 代表的なのは、以下の3つです。
- ウレタン塗装のワックス成分の劣化
- 石鹸水などのアルカリ性の液体の付着
- カビの発生
K 1と2だとまだ自分でなんとかメンテできるんでしょうか。
N 1はワックスメーカーの指示に従って、ワックスを剥離・再塗装するという処置になりますね。
2は植物オイルなどで表面を塗装している無垢材に起こりがち。
当店のブログもご参考までに。
そして3は……プロのカビ取り専門業者も100%除去はなかなかキビシいんです。
こちらも当店のブログに詳しく記述があります。
K やはり第3回でおっしゃっていたとおり、水をこぼさないなど、カビが発生ないよう気をつけることが大事なのですね!
撮影/山田耕司
取材協力 無垢フローリングドットコム 東京・渋谷ショールーム
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※本社が芦屋(兵庫県)にあるほか、横浜(神奈川県)、梅田(大阪府)にも支店あり。