マンションの消防訓練実施を経験して分かった意外なシステム5つ

今回はマンションの消防訓練についてのお話です。

緊急時の対応は頭でわかっているだけでは不十分で、実際にやってみて初めて分かることもあります。

しかし訓練を実施しているのは理事会の意識が高い管理組合だけのようで、その分だけフロントにとっては大変なイベントになります。

その実際の消防訓練の状況をご紹介いたしましょう。

消防訓練は日程を決めるだけでも意外と大変

消防訓練の開催が決定したらまず管轄の消防署へ行って実施日を決定します。

秋は消防訓練が立て込む時期

消防署

topic-asd / PIXTA(ピクスタ)

消防訓練を実施する場合、「気候が良くなったらやりましょう」ということで秋に設定しがちですが、これはどこのマンションも同じようで、この時期は消防署の予定が次々と埋まっていきます。

そのため訓練の実施が決定すると急いで消防署へ連絡する必要がありました。

 

起震車やはしご車はいつでも呼べるわけではない

起震車

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訓練に際しては大地震の揺れを体験できる起震車や子どもに人気のはしご車が来てくれると客寄せの目玉となるのですが、そういったものは引っ張りだこになっているようで希望が通ったことは一度もありません。

 

訓練は防火管理者主導で実施するという建前!?

消防訓練

風見鶏 / PIXTA(ピクスタ)

マンションでは法令で定められた講習を受講した防火管理者が消防計画を作成して消防へ届け出をしなければなりません。

消防訓練も消防計画の一環として実施されるため、マンションの防火管理者が主導するのが建前です。

消防署が主体のイベントと思われがちですが、毎年実施しているような組合の場合は「おたくのマンションはもう防火管理者中心でやってください」と言われます(それでも人員は派遣してくれる)

 

訓練をやって初めて分かった意外なシステム5つ

消防訓練は館内で火災が発生したという想定で始まり、避難が完了して点呼が終了するところまで行われるのが通常です。

緊急時の対応についてはひと通り頭に入っているつもりですが、実際に機器を作動させてみて初めてわかることもあります。

1.事前に消防署と警備会社に連絡する

消防署

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消防訓練を開催する場合、当日はまず消防署と警備会社に連絡を入れます。

訓練では火災報知器を作動させて119番通報しますが、事前に連絡を入れておけばガードマンが飛んでくるということはありません。

 

2.実際に119番通報する

消防訓練では管理室の電話を使用して実際に119番通報を実施します。

「はい、消防119番です。火事ですか、救急車ですか」という問いかけに対し、冒頭に「訓練 訓練」と2回繰り返してから火災の発生を伝え、そこから実戦さながらのやり取りがなされます。

 

3.火災報知器のスイッチを押しても警報音が鳴らない!?

火災報知器

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共用廊下等に設置されている火災報知器のボタンを押せばすぐに警報音が鳴るというイメージがありますが、実際にやってみるとシーンとしたままで、とても慌てさせられました。

全館で一斉に警報が鳴動すると非常階段に人が殺到して危険であるため、例えば7階でボタンが押されるとまず7階住居の室内で警報が鳴動し、そこから時間差をおいて順々に上下階に伝わっていくという仕組になっているのだそうです。

当然ながら管理室では「火事です!火事です!」という警報がけたたましく鳴り響いています。

実際の訓練では警報が最上階まで伝わるのを待っていられないため、館内放送で避難を呼びかけました。

 

4.火災報知器が作動するとエレベーターが止まる

エレベーター停止

YNS / PIXTA(ピクスタ)

火災報知器が作動するとエレベーターは自動的に止まります。

構造上の都合で火災の発生を3階として訓練を実施したマンションの場合、3階の火災報知器と1階の管理室との間を階段で行き来しなければならず、それだけで疲れました。

 

5.警報盤の操作が思った以上に大変!

消火装置

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マンションによっては火災報知器と消火装置が連動している場合があり、こういったところではあらかじめシステムを解除しておかなければなりません。

またタイミングを見計らって警報盤を復旧しなければいつまでも警報が鳴りっぱなしになりますが、この際のスイッチ操作が意外に難しく、当日は機器の操作に精通した点検業者の担当者にいつでも連絡が取れるようにしていました。

 

警報が全館一斉鳴動にならないシステムへの消防署の驚きの回答

警報が全館で一斉に鳴動しないということは、仮に下層階で火災が発生すると最上階まで伝わるのに相当な時間がかかることになり、安全という点で問題がないのか疑問が出るのは当然です。

火災報知器

じりりん / PIXTA(ピクスタ)

消防署に問い合わせたところ「マンションの場合はむやみに避難したりせず、室内にとどまっているのが一番安全なのだ」と回答がありましたが、「それじゃあ、避難訓練やる意味ないじゃん!」と思ったものです。

 

口やかましい人が大集合するので緊張の連続!

消防訓練

キャプテンフック / PIXTA(ピクスタ)

マンションの消防訓練は参加者はそれほど多くなく、逆に言うと管理組合運営に関心の強い口やかましい人々が集まるイベントです。

みんなの前で「そういえばあの件はどうなった?」などと聞かれることも多く、フロントにとっては総会や理事会並みに緊張を要するイベントでした。