鍋やフライパンが長持ちする素材別お手入れ法~メーカーに聞きました!

鍋やフライパンを長持ちさせるにはどうしたらいいのでしょうか?
特に素材によって正しくお手入れしないと鍋やフライパンを傷めてしまい、せっかくの機能も発揮できずに知らず知らずのうちに寿命を縮めてしまっていることも。

商品を作っている調理用品メーカーに、鍋やフライパンを長持ちさせる正しいお手入れ方法について聞きました。
鉄、アルミニウム、内面加工(ふっ素樹脂加工、ダイアモンドコート等)、ステンレス、ホーロー、銅の素材別に紹介していきます。
年末の大掃除でも是非実践したいテクニックばかりですよ。

1.鉄…使用前の処置も大事!

鉄のフライパン

unio / PIXTA(ピクスタ)

まずは、強い火力での焼き料理や炒め物、揚げ物に適している鉄。

重かったり錆びやすかったりとなんだか扱いにくい印象のある鉄ですが、実は耐熱性に優れ、熱伝導も良いため、使いこなせば短時間でうま味を凝縮した調理ができます。

鉄素材のフライパンや鍋は、初めて使う前の“油慣らし”が重要。煙が出るまでよく熱したら、油を入れて、鍋全体に馴染ませます。

この際、野菜くずなどと一緒に炒めてもOK。油慣らしによって焦げ付きを防止でき、調理後に洗うのがラクになります。

鉄

日常のお手入れでは、できるだけ洗剤は使わず、金属たわし等でごしごし焦げを削り、まずは完全に焦げを除去します。

空焼きで水分を飛ばすなどして完全に乾燥させたら、食用油を塗り込み湿気の少ない場所で保管をしましょう。

上手に使えば非常に長持ちするので、特に買い替えの目安なく使うことができるのが嬉しい鉄。

もし錆びた場合は、錆びの部分を軽くふき取り、その部分が浸る程度のお湯に10%程度の食酢かクエン酸を入れてしばらく放置します。

その後、中性洗剤で洗い落とせば効果的に錆を落とすことができます。

 

2.アルミニウム…アルマイト加工かどうかでお手入れ法が変わる

アルミニウム

とても軽く扱いやすいアルミニウム素材は熱伝導が良く、食材に素早く熱が回り、料理が手早くできるので、日々の料理に重宝しますよね。

日常的なお手入れとしては、使用後に中性洗剤で洗い良くすすぎます。

鉄やステンレスより柔らかい素材なので、金属たわしの使用や力任せに洗うのは避けましょう。ゴシゴシ洗うと、すぐに傷ついてしまいますよ。

買い替え時は傷や変形が目立ってきた時。材質が薄くなると、穴が開いたり破損したりしやすくなります。

また、アルマイト加工が施されているかどうかで錆びた時のお手入れ方法が異なるのがアルミニウム製品。

アルマイト加工がされているかどうかは、品質表示の表面加工の項目に書いてあります。

スチールたわし

Nutria / PIXTA(ピクスタ)

アルマイト加工の場合は、アルマイトを傷つけないよう、スチールたわしやクレンザーなど傷の付きやすいものは避け、柔らかいスポンジ等で洗います。

そして、お湯や水に充分浸して柔らかくしてから スポンジ等で丁寧に汚れを取り除きましょう。

非アルマイト加工の場合は、アルミが黒ずんだり焦げついたりしたら、クレンザーや非金属のたわしでゴシゴシ落としてOK。

この黒ずみや焦げ付きをそのままにしておくと、その部分から腐食し穴があいてくることがあるので注意が必要です。

 

3.内面加工素材…過度の空焚き、長時間の高温調理に注意

内面加工素材

すべりが良く、こびりつきにくいので使い勝手が良い内面加工素材。筆者宅にある鍋やフライパンは、ほとんどがこのタイプです。

内面加工素材の鍋やフライパンは、使用後に中性洗剤を使って柔らかい材質のスポンジ等で表面を軽くこすれば汚れは簡単に落ちます。

木製のキッチンツール

rachel / PIXTA(ピクスタ)

“金属ヘラ使用可能”と表示のあるものでも、木製や耐熱樹脂製のものを使うと傷がつきにくく、より一層長持ちするんだとか!

また、過度の空焚きや高温調理を長く続けるのは被膜を痛める原因となるので、避けた方が賢明です。

実は、見た目で判別できる寿命や買い替えの目安がない内面加工素材。

しかし、焼きそばがこびりつきやすくなってきたり、焦げつく場所、焦げつかない場所がまだらに出てきたりしたら、ふっ素が劣化している可能性が高くなっています。

ガス・IH問わず、熱源に近い部分から焦げつきが早くなる傾向にあるため、使用の熱源と照らし合わせてみるとわかりやすいですよ。

内面加工素材

また、鍋やフライパンによっては、ふっ素樹脂、ペイントで表面加工をしていない鍋裏や鍋の円周部、持ち手など銀色の部分で白い錆が出てくる時も。

そんな時は、サンドペーパー等でかるくこすって取り除けば、その後も問題なく使うことができます。

 

4.ホーロー…ヒビ割れ、着色汚れに注意

ホーロー

シチューやカレーなど、煮込み料理に最適なホーロー。優れた耐久性、耐熱性、耐酸性があるだけでなく、表面がガラス質なので、においが付きにくいのも嬉しいですよね。

そんなホーローは、使用後、お湯にしばらくつけて汚れを柔らかくし、中性洗剤をつけたスポンジ等で洗ってすすぐといった工程でお手入れします。

また、表面に薄くヒビの様に見える筋が見えてきたら、買い替え時。その部分から割れが発生することがあります。

その他にホーロー加工にヒビ割れが起こる原因は空焚き、急冷、落下など。

ホーローは頑丈そうに見えますが、意外とヒビ割れが起きやすいので、注意して扱いたいですね。

焦げついた場合も正しいお手入れ方法があります。

メラミンスポンジ

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

まず、ホーローは表面にガラス質を焼き付けたものなので、硬いものや尖ったものでこするのは避けましょう。通常のお手入れは中性洗剤で洗い良くすすぎまず。

着色汚れは、重曹を使用したり強めの酢水を煮たたせて一昼夜程度放置(臭いに注意)すると、表面のガラスが若干溶けることで表面がきれいになる場合があります。

また、軽い着色汚れはお掃除グッズの定番である「メラミンスポンジ」でこするのも効果的。鉄鋳物製にほうろう加工を施した製品も同様のお手入れでOKです。

 

5.ステンレス…もし錆びが起きたら?

ステンレス

耐久性が高く、長時間使用しても材質自体はほとんど劣化しないステンレス。ステン(錆)レス(無い)の名前の通り、錆びにくく、手入れが簡単で衛生的です。

日常のお手入れも、中性洗剤で洗い良くすすぐだけで大丈夫。上手に使えば長持ちするので、特に買い替えの目安もありません。

ただ、注意したいのは錆びが発生した時。

ステンレス鋼は錆びにくい金属のため、錆びが発生した時は鍋本体からの錆びではなく、水道水に含まれるカルシュウムや塩分、鉄分が付着してできる「もらい錆び」という現象です。

比較的初期の場合は、軽く拭き取るだけでOK。

酢

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

しかし、しばらく使用した後であれば錆びの部分を軽くふき取った後、その部分が浸る程度のお湯に10%程度の食酢か、クエン酸を入れてしばらく放置します。

その後、中性洗剤で洗い落せばさらに効果的に錆びを落とすことができます。

また、焦げついた場合は、まずは焦げを落とします。金属製の道具等でガリガリこするとキズが付いてしまうので避けましょう。

その後、ぬるま湯を鍋に張り、食酢大さじ2程度を加えて様子を見ます。それでも柔らかくならない時は、そのままとろ火で加熱。汚れが軟らかくなり、落しやすくなりますよ。

 

6.銅…錆が発生したら毒性?

パンケーキ

kuro3 / PIXTA(ピクスタ)

最後は、鉄やアルミよりも熱伝導が良い銅。まんべんなく火が通りやすいので、焦げつきやすいジャムや、焼き目を綺麗につけたいパンケーキ、玉子焼きなどにも最適。

しかし、塩や塩素に弱いため、黒く変色していきます。

また、長時間料理を入れておくと味や色が変化する場合があるので、調理後はすぐに別容器に移し替えるなど取り扱いに注意したい素材です。

使用後は、中性洗剤で洗い良くすすぎます。鉄やステンレスより柔らかい素材のため、金属たわしの使用や力任せに洗うのはNG。

また、水分を完全に取りのぞいて乾燥させることも忘れずに。

銅

銅は空気中の水分や酸素でも変色してしまいますが、使い込んでいくほど自然に色が変化するのも銅の魅力の一つですよね。

また銅は頑丈なので、取っ手が破損したり、鍋に穴が開いたりしない限りは変わらずに使い続けることができます。

昔は銅の錆は毒性があると言われていましたが、現在は毒性がない事が認められています。

銅の錆「緑青(錆)」が発生した場合は、目の細かいサンドペーパー等でこすり取り除けば問題ありません。

 

年末のお手入れで、鍋とフライパンを長持ちさせよう

以上、6つの素材別お手入れ方法をご紹介しました。

鍋やフライパンは、正しくお手入れすれば長く使い続けることができます。

使い慣れた鍋やフライパンを使い続ければ、料理もしやすく、とっても経済的!

年末の大掃除で調理用品の汚れを落として、1年間頑張ってくれた鍋やフライパンを労ってみてはいかがですか?

取材協力 和平フレイズ株式会社