収納上手になる間取りとは?今からできる部屋づくりのポイントを解説
我が家を片付けるために、思い切ってモノを処分・整理したにもかかわらず、まだ片付かない……。
自分は収納が上手できず、片付けが苦手、できない性格……と思っていませんか?
でも、ちょっと待って! 家が片付かないのは収納スペースから見ると、「間取り」が原因という場合もあるのです。
今回は、部屋が片付かない・収納ができなくなる、避けたい間取りについて詳しく解説していきます。
窓が多く、壁が少ない間取りは収納スペースが少ない
「窓が多く、壁が少ない間取り」は、家具の配置が難しく収納が困難になりやすいため、片付かない間取りとなります。

miya227 / PIXTA(ピクスタ)
窓が多いと開放的になりますが、一方で壁が少ないということになります。
当然ですが、壁が少ないということは、収納家具などが置けません。収納家具が置けないと、物を片付けることは物理的に不可能ですよね。
そこで、「窓が多く、壁が少ない間取り」の場合は、使える壁を最大限利用するように、家具を配置し直します。
こちらの図面は、都内の高級タワーマンションの図面です。角部屋のため、窓が多く開放的な空間に設計されています。
まず、赤○で囲った部分は、窓や襖のため家具を置くことができません。
そして、オレンジ○で囲った部分は、腰窓のため、腰窓下までの収納しか確保できません。
緑○で囲った部分には壁があります。
しかしこの壁の部分は、「廊下からリビングに入る」または「ダイニングからリビングに移動する」という「動線」とぶつかるため、家具を置かないほうが良いゾーンです。
つまり、このプランの場合は青○で囲った壁の部分にしか、家具は置けないということになります。
とはいえ、テレビアンテナの位置からテレビはバルコニー側に固定されてしまい、それに伴いソファーは壁に沿って置かれていました。
壁のスペースがソファーによって奪われてしまっていたため、収納家具が十分に置けず、片付けにくい空間になっていました。
そこで、テレビとソファーの位置を入れ変え、収納家具を、青○で囲った壁に沿って置きました。
これでリビングに、収納家具をプラスすることができますね。
また、ダイニングにある青○の壁の部分には、いまある収納だけでなく、天井方向への高さのある収納をプラスして、収納面積を増やします。
このことにより、収納量は以前より大幅に増やすことができます
適正サイズの収納がないと片付けに困る!
「各部屋や廊下ごとに、適正サイズの収納がない間取り」も、片付けに困る間取りです。
各部屋に収納があっても、それが適正なサイズでなくてはいけません。
適正なサイズとは「その部屋で収納予定しているものが、きちんと納まるサイズ」のことです。
例えば、子ども部屋には、教科書・参考書などの勉強道具をはじめ、部活道具や制服・洋服などを収納します。
その他、かさばる布団類や、漫画・雑誌、趣味のコレクションなども収納しますよね。

EKAKI / PIXTA(ピクスタ)
これらのものをすべて納めるのは難しいかもしれませんが、少なくとも布団類や洋服はこの部屋の中で収納できないといけません。

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子ども部屋には、部屋の広さには関係なく、1畳程度(幅169cm・奥行き78cm)のクロゼット・押入れなどの収納スペースをオススメしています。
こちらの図面は、新築計画中の戸建て住宅です。
各部屋に収納もあり、また2階に「納戸」も配置され、きちんと収納を確保しているように見えます。
赤○で囲ったクロゼット部分は、奥行寸法が78cmあるため、ハンガーパイプが前後2本かけられます。
しかし幅の寸法が120cmのため、洋服や布団は納まったとしても、雑誌や漫画・本などは収納できない可能性があります。
一方で、オレンジ○で囲ったクロゼット部分は、幅の寸法が169cm確保されていますが、奥行きが55cmです。
ハンガーパイプにかけた洋服の幅は45~55cmですので、このクロゼットは洋服がなんとか納まる寸法です。
洋服がシワにならないためには、奥行き60cmは確保したいところです。
また、このプランでは緑○で表示した廊下の部分に収納がありません。
廊下には小さくても収納を設置すると、廊下掃除用のフローリングモップなどの掃除グッズや物干しグッズなどが収納できて、大変便利です。

kai / PIXTA(ピクスタ)
いかがでしたか?
今住んでいる間取りを見直せば、収納量は確実に増やせます。
またこれから家を建てる人は、収納予定にあわせた適正サイズの収納をプランに盛り込むと、収納で後悔することがなくなりますよ。
(しかまのりこ)