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鶴間 正二郎鶴間 正二郎

消臭スプレーのガス抜きより問題なこととは?元不動産会社社員が警告!

先日札幌で発生した爆発事故には驚かされるものがありました。

不動産会社の店内で消臭スプレーのガス抜き作業をしていたことが原因で、ニュースでも大々的に取り上げられていますが、そこでは本来最も問題とすべきポイントが見落とされています。

この不動産会社では明らかに「ぼったくり」 といってもよい商売が日常的に行われており、 それがスプレー缶の大量在庫につながりました。

そのことが最大の問題であって、1,000円の原価で1万~2万円徴収していることや、 やるべき作業をさぼってスプレー缶がたまってしまったことは、どちらかというと小さな問題です。

札幌の爆発事故の概要

札幌

YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)

12月16日20時半ごろ札幌市豊平区の整骨院、居酒屋、不動産仲介会社が入居した木造2階建ての建物で爆発事故が発生し、これによって居酒屋と不動産仲介会社がほぼ倒壊し、整骨院も外壁などが崩れました。

爆発の衝撃で付近のマンションなど少なくとも20棟が破損、数百メートル離れた車の窓ガラスが割れるなど広範囲で被害があり、この爆発によるケガ人は重傷1人を含む42人にのぼります。

不動産仲介会社の店長が室内で消臭スプレー120本のガス抜き作業を行い、その後、手を洗うために湯沸かし器をつけた際に爆発が起きたといいます。

 

問題なのはスプレー缶じゃない!

スプレー缶

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

当時店内には160本ものスプレーが在庫として置かれており、店の改装を控えて処分する必要があることから、その内の120本を店内のテーブルに並べ、中身を一度に噴射させたのだそうです。

当然のことながらテレビの情報番組でも大々的に取り上げられていますが、筆者が見る限り室内でスプレーを大量に噴射したそのアホさや原価と料金のギャップ、作業を実際にはやっていなかった「未施工」の疑いばかりが問題とされています。

しかし筆者は非難されるべきポイントは他にあると考えており、隔靴掻痒の感がどうにも否めません。

 

消臭スプレーを在庫として置いている店など見たことがない

賃貸借契約

CORA / PIXTA(ピクスタ)

不動産の賃貸借契約を締結する際には契約金というものが発生し、そこには通常では敷金・礼金・火災保険料・鍵交換代・保証料(保証会社利用の場合)といった費用が含まれます。

今回問題となった店舗の契約ではこれらに加えて「除菌・消臭代」という項目があり、入居予定者に諮ったうえで1万~2万円を徴収していたようです。

スプレー

Melpomene / PIXTA(ピクスタ)

「施工」という言葉を使用していますがそれほど大したものではなく、単価1,000円の消臭スプレーを室内で噴射させればそれで終了です。

客から「除菌・消臭代」を暴利で徴収していながら実際には作業を実施しておらず、そのため店内にたまったスプレーの在庫を隠すために非常識なガス抜きが実施されたのではないかという内容が論点になっていましたが、そもそも「除菌・消臭代」をとるということ自体が不当なことなのです。

筆者はブラックからホワイトまでこれまで様々な仲介店舗を経験してきましたが、消臭スプレーを在庫として置いているような店は一度も見たことがありません。

 

悪い噂で聞いていたアコギな商売が頭に浮かんだ

ワンルームマンション

hap / PIXTA(ピクスタ)

賃貸仲介に従事していた頃、契約時に「消毒料」という名目で客から費用を徴収している業者があるという話を聞いたことがあります。

「消毒」といっても客に鍵を渡す前に室内で、バルサンのようないわゆるくん煙(煙・霧)剤を焚くだけですが、それだけで万単位の金を徴収する相当にアコギな商売です。

しかし筆者はそれを実際に見たことはなく、単なる悪い噂だとばかり思っていました。

今回の事故に際して「仲介会社になぜスプレー缶?」ということでまず頭に浮かんだのがこの「消毒料」です。

くん煙(煙・霧)剤を焚くようなことを消臭スプレーでやっていたのかもしれないと漠然と思いましたが、どうやらそれが当たっていたようです。

 

本当に問題にしなければいけないポイントはココ!

ハウスクリーニング

ABC / PIXTA(ピクスタ)

退去後の空き室で再募集をかけるには商品として仕上げなければならず、そのためにはプロの手で室内クリーニングを実施することが必要だという記事を以前書きました。

そのようにして前入居者と家主の負担で原状回復を完了させておきながら、それに加えて「除菌・消臭代」「消毒料」といった名目で新入居者からも費用を徴収するのはどう考えても筋の通らない話で、金額の大小にかかわらず不当なものでしかありません。

いくら「入居予定者に諮ったうえ」で実施するにせよ、それは客の無知に付け込んだ詐欺同然の行為です。

今回爆発事故を発生させたのは日本でも屈指の知名度を誇る不動産ネットワークの直営店だったようですが(HPからは既に消されている)、そのような店でこういったアコギな商売をしていたことが最大の問題なのです。

 

物件情報の「備考」欄を必ず確認しよう

チェックリスト

jannoon028 / PIXTA(ピクスタ)

この記事を書くために改めてネット上の賃貸情報を見ましたが、「水廻消毒料」「ストーブ分解清掃料」等々様々な項目が記載されていることに驚かされました。

物件を紹介された際は一番最後に書かれているはずの「備考」欄を必ず確認し、少しでも疑問を感じた項目は外してもらうよう交渉するようにしてください。

それを知らないまま契約してしまうと、取り返しがつかなくなります。