連載

住まいの設計編集部:樋口 淳

何も置かないキッチンが最も美しい!高木ゑみさん【すまいの話、しませんか】no.10

様々なジャンルで活躍する方をゲストに迎えて、“すまい”にまつわるお話を伺うこのシリーズ。

それぞれのライフスタイルの中で、「家に求めるもの」や「大切にしているもの」を深掘りしていきます。

第10回目は、予約の取れない料理教室として有名な「ガルシェフおもてなし料理塾」を主宰する料理家・高木ゑみさんが登場。

高木さんが考える、理想の住まいとは?

楽しい気持ちでキッチンに立つ!それが料理を作る時の基本

高木さん

「当初は、優雅な料理教室への憧れもあり、ネコをかぶってました(笑)」

これまでの生徒数は1000人超という「ガルシェフおもてなし料理塾」を主宰する料理家・高木ゑみさんは、以前の自分をこのように振り返っていました。

東京・中目黒の閑静な住宅街に構える料理教室というと、有閑マダムが集う上品なサロンを想像しがちですが、実際は先生が全力で料理し、生徒は必死にメモを取り、先生に食らいつく熱血教室だったのです。

「でも当初の優雅なキャラ設定は、やりたいことや教えたいことが多すぎて、3分で崩壊しちゃいました……(苦笑)。
自分は飾らないほうがいいな、って気づいてそうしたら、生徒さんも『このほうがいい』って(笑)。
やる気満々で教えたほうが、生徒さんもその気持ちを家に持ち帰って、ポジティブに料理ができるようです」

料理塾の生徒には、高木さんと同じ働くママさんも多い。だからこそ、そんなところも共感を呼ぶのだろう。

「私自身、いくら料理好きとはいえ、毎日の忙しさに面倒になることもある……。
でも、そんな気持ちでキッチンに立ったら、絶対においしい料理は生まれない。
だから、楽しくするためにどうすればいいか、を考えるのが大事なんです」

高木さんの著書『やる気の続く台所習慣40』には、「台所のネガティブワードをポジティブに言い換える」方法をはじめ、料理家として培ったノウハウが満載だ。

「朝は忙しいから、朝食とお弁当の下準備を前の晩に済ませたり、料理そのものを時短するのではなく、おいしい料理をつくるために、生活のほかの部分を圧縮して料理の時間に充てる。
すべてを生真面目にこなさず、楽しく料理するために、料理以外をあえてズボラにするんです(笑)。
それに、料理するとき自分がどこにイライラしていたのかを、一日の終わりに振り返るといい。
私の場合、テリーヌ型にクッキングシートを敷くのが面倒で時間もかかり、ストレスになっていた。
だから、テレビを観ながら、あらかじめ切っておく(写真下)。“ながら”でいいんです」

 

極力、何も置かないキッチンが最も美しい!

高木さんそんな料理家のキッチンは、意外にもシンプル。

「極力、何も置かない。
キッチンをすっきり見せるには、プロの厨房のように、必要なもの以外は何も置かないのがシンプルで、いちばん美しいと思う。
料理を始める段になって、初めて器具や調味料が出てくる。
どこに何を収納すべきかを決めるには、“エア料理”がオススメ。
実際に料理はせず、“当て振り”を食材を取り出すところから、料理後のゴミ捨てまでやってみれば、おのずと収納場所が決まってくる。
結局、主役はキッチンではなく、そこに立つ自分。だから、自分が笑顔で立っていられる場所かどうかが大事なんですよ」

高木さんのお気に入りは、プロ仕様の厨房用ワゴンだとか。

厨房用ワゴン

「ホテルで、厨房から宴会場に大量の料理を運ぶときなどに使うものです。
プロ用だけあって、1段に大皿を40枚載せてもビクともしない。
キャスターがよくできていて、フローリングでも傷がつかないんです。
ホームパーティのときなど、料理を出すのも、お皿を下げるのも一気にできます。
下げたお皿をシンクに置くと、洗い物の邪魔になるけど、そうした問題も解決してくれるんです」

 

キッチンにこだわりがある高木さんにとって、理想の家とは?

「子どもの頃、3人の兄はみんな運動部で、とにかくよく食べるので、母は四六時中料理をしていて、常に誰かが何か食べてた(笑)。
そのように育ったので、今も家族の団欒の場はリビングのソファではなく、食卓。だから、食卓を中心に、そこに家族が集まるような家がいいですね。
それに、見せるキッチンと、下ごしらえなど裏方の作業をするキッチンが、仕切りで分けられているのがいい。要するに、プロの厨房ですね(苦笑)」

 

高木ゑみさん 料理家、おもてなしプランナー。
予約が取れないほど人気の「ガルシェフおもてなし料理塾」主宰。
慶應義塾大学在学中から多くのレストランで修業を積み、2009年、エコール辻東京イタリア・フランスマスターカレッジ卒業。
企業向けにレシピ開発や出張料理、離乳食講座なども手掛ける。新著『やる気の続く台所習慣40』(小社刊)ほか、著書多数

撮影/門嶋淳矢

 

高木ゑみさん書影

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