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こころFP 小林美智子こころFP 小林美智子

成人した子どもの国民年金保険料どうしてる?親が支払うと所得控除で節税にも!

国民年金保険料
20歳になると生じる義務のひとつが国民年金への加入です。わが子が学生で収入がなくても保険料は納めなければいけません。決して安いとはいえないその保険料、みなさんはどうしてるんでしょうか?

調査では在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」を利用するケースが多いですが、その後の負担を考えると、一概によいとは言えません。

こころFP事務所代表の小林美智子さんに聞くと、親が支払って所得控除を受ける方法もあるとのこと。親子ともにメリットありそうです。さっそく解説してもらいました。

収入がなくても20歳になったら国民年金の保険料納付義務が!

成人式

日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入することが法律で義務付けられています。会社員や公務員など「第2号被保険者」は、給料から引かれる厚生年金保険料に国民年金保険料が含まれています。第2号被保険者に扶養(社会保険上の)されている専業主婦など「第3号被保険者」は保険料の負担がありません。

収入のない大学生や専門学校生は、20歳になったら国民年金の第1号被保険者として保険料を納めなければいけません。第1号被保険者の保険料は月額1万6410円(平成31年度)年間で約20万弱、家計への負担を考えると親が払うべきなのか悩みますよね。

学生の66%が納付を猶予される「学生納付特例制度」を利用

大学

学生納付特例制度は、学生本人の所得が一定以下の場合に、申請により在学中の保険料の納付が猶予される制度です。厚生労働省の「国民年金被保険者実態調査」によると、学生のうち66%が学生納付特例制度を利用しています。

国民年金からは老後の年金だけでなく、病気やケガで障害が残ったときに障害基礎年金が受け取れます。

未納のままでは受け取れない場合がありますが、この制度を利用して納付を猶予されている間は、保険料を納めていなくても未納扱いとはなりません。

「学生納付特例制度」は追納しないと将来の年金額に影響する!

大学

学生納付特例制度で猶予された期間は、10年以内であれば遡って保険料を納めることが可能です(追納)。

筆者は普段、ファイナンシャル・プランナーとしてご相談者の年金加入状況も確認していますが、実際に追納している方は少ない印象です。

老齢基礎年金は、保険料の納付期間によってもらえる年金額が変わります。20歳から60歳まで40年間フルに納めてもらえる年金は年間約78万円(平成30年度)。

卒業証書

例えば、大学2年生の4月で20歳を迎え、卒業まで猶予を受ければ3年間。さらに大学院へ進学して2年間、計5年間猶予を受ければ、老齢基礎年金の年金額は満額で受けとるより12.5%(5年÷40年)少なくなります。

学生納付特例を利用する場合は、年金額への影響や追納についても知っておきましょう。

親が子どもの国民年金保険料を支払うと控除が受けられ節税にも!

税金

親が子どもの国民年金保険料を支払ったら、税金を計算するときに社会保険料控除として親の所得から控除できます。仮に所得税率が10%だとすると、住民税と合わせて、支払った保険料の20%が節税になります。

また、国民年金保険料は、毎月納付する以外に6か月・1年・2年の前納制度があります。2年前納の場合、毎月納めるよりも保険料は2年間で約1万5000円ほど割引になります。

平成30年度の2年前納の保険料(口座振替の場合)は37万7350円でした。所得税+住民税が20%だとすると、75,470円の節税になります。(注)

節税効果や前納による割引があれば、親の負担感も少しは軽くなります。2年前納の申込期限は毎年2月末です。子どもの国民年金保険料を払ってあげようと思っているなら検討してみてはいかがですか?

※注 節税効果はその他の所得控除や税額控除の状況によって変わります。

【参考】

※ 国民年金被保険者実態調査(平成26年度)- 厚生労働省
※ 学生納付特例制度・前納について – 日本年金機構

画像/PIXTA