今年は暖冬と言われていましたが、それなりに寒い日が続いてますね。デロンギ(De’Longhi)が昨年の秋に発売したコンパクトなセラミックファンヒーターHFX30C11「カプスーラ」(CAPSULA)を実際に使ってみた感想をお届けします。
「カプスーラ」を選ぶまで~僕がファンヒーターに求める条件

舞流sky / PIXTA(ピクスタ)
僕が暮らす部屋の間取りの欠点は、キッチンや洗面の寒さをしのぐ手立てがないことです。
毎年、だましだましやり過ごしてきましたが、真冬にはキッチンに立つのが億劫になり、つい自炊から遠ざかってしまうことも。
うちの奥さんも洗面を使っているあいだに体が冷えるのが悩みでした。
そこで、せめて足もとだけでも暖かくしたいとファンヒーターを検討することになったのです。
重視した条件は…
- 洗面とキッチンの両方で使用するので、持ち運びがラクであること
- ただでさえ狭い洗面でなるべく邪魔にならないこと
- がっかりしないくらいのデザイン性はほしい
といったところでしょうか。

Graphs / PIXTA(ピクスタ)
まず1の条件を考えると、必然的に灯油やガスのヒーターは選択肢から外れます。
ガスはコードの長さの問題もありますし、灯油は燃料の調達も面倒だし重いです。
やはり電気ヒーターが使いやすそうかなと思いました。
電気ヒーターは暖かさに難がある印象ですが、長時間使用するわけでもないので、そこはあまり重視しませんでした。
むしろ2が大事なポイントで、従来のファンヒーターだと我が家の狭い洗面所にはオーバーサイズな感がありまして、なるべく小さめであることは重視したいです。
季節ものですから、小さければ収納もラクですし。
そして3もあきらめたくないポイントです。
さしてこだわったインテリアの部屋には住んでいませんが、がっかりデザインの家具家電が増えると、部屋を片付けたり掃除したりするモチベーションが下がってしまいます。
デロンギならではのスタイリッシュなデザイン
ということで選んだのがデロンギのセラミックファンヒーター「カプスーラ」です。
第一印象でデザインを気に入ったのは大きいです。
「CAPSULA」(イタリア語でカプセル)という名称どおりの丸みのあるフォルム。
いい意味でファンヒーターっぽくないと思いませんか?
デロンギが得意とする「おしゃれなキッチン家電」の特長がここでもよく表現されていると思います。
僕が選んだのは「アスファルトブラック」ですが、「アイボリーホワイト」もラインナップされているのでインテリアに合わせて選べます。
気になるのは、「アスファルトブラック」という名前と本体カラーのギャップ。
「ブラック」という単語に引っ張られると「黒」を想像しがちですが、実際は写真のとおりほぼグレー。
最近、なにかとよく見る「気の利いたカラーネーミング」ですが、個人的にはもう少し直感的にイメージできる名称がいいと思う今日この頃です。
それはさておき、セラミックファンヒーターの中ではかなり優れたデザインであるのはまちがいありません。
コンパクトで軽いので、持ち運びはすごくラク
いちばんの決め手はサイズでした。
タテ30センチにも満たない小型サイズ、と言ってもわかりにくいですよね。
おなじみのマキタの掃除機とならべてみました。ね、小さいでしょう?
僕の印象では、従来のセラミックファンヒーターよりひと回りは小さいという感じ。
洗面所に置いてみましたが、これならほとんど邪魔になりません。
実際に使ってみて驚いたのが、洗面に置いている幅の狭いスツール(着替えやタオル用)の上にもギリギリのせられること。
平らなスツールの上なら問題なく置けるので、体に温風をあてることもできます。
(ちなみに、温風の向きを調節する機能などはありません)
持ち手のデザインもいいですよね。成人男性なら、つまんで持ち上げることもできるくらい(つまむ必要はないけど)。
量ってみると、わずか1.3キロ。洗面とキッチンを行き来して使用したい我が家としては大満足でした。
機能はオーソドックスだけど、運転音が気になる
では、温風の暖かさはどうかというと「ふつう」でした。
通常のセラミックファンヒーターとくらべて小型であることを考慮すれば、パワーがあるといえるのかもしれません。
「せめて足もとだけでも暖かくしたい」という希望は叶えられたと思います。
セラミックファンヒーター全般に言えますが、部屋全体を温めるような効果は期待できませんのでご注意を。
持ち手のサイドに設置されている「運転つまみ」で、「送風/1(弱)/2(強)」の3段階で運転できます。
送風を抜かせば2段階ですから、オーソドックスな設定ですね。
うちでは、ほとんど「2(強)」のみで運転しています。春になったら、送風や弱も使いそうです。
「運転つまみ」の逆サイドについているのが「サーモスタット」。
見慣れない機能ですが、自動で運転を休止する温度を設定できるようです。
安全のための過熱防止装置なのでしょうが、寒いところで短時間しか使用しない我が家には不要な機能でした。
それと、実際使用して感じたのは、運転中の音がけっこううるさいということ。
テレビや音楽を視聴しながら使うという方は気になるかもしれません。
セラミックファンヒーターは安全に使いましょう
想定外だったのが、使用上の注意。製品のコードにはこんなタグがつけられています。
「延長コードが使えない」のはセラミックファンヒーター的には常識らしいのですが、僕は知りませんでした。
事故などが起きる前に学習できてよかった……。
リビングで足もとに置いて使おうと思ったのですが、どのコンセントも収納などで隠れてしまっているため、あきらめます。
恥ずかしい話ですが「コンセントは単独で使用」ということも初耳で……。
当初、使うつもりだったコンセントです。
電気ケトルと炊飯器がすでに接続されているので、1口空いているとしても使ってはいけません。
どうしようかあせりましたが、幸か不幸か、うちはとても狭いので、洗面近くのコンセントから引っ張ってきてもなんとか届いたのでよかったです(メーカーによると電源コードの長さは1.9メートル)。
購入をご検討の際には、コンセントの空き状況を事前にしっかり確認されることをオススメします。
まとめ:「カプスーラ」がオススメな人、不向きな人
まとめると、「カプスーラ」はこんな方にオススメだと思います。
- 短時間、足もとを(ほんのり)暖めたい
- 気軽に持ち運びたい
- 狭いところに置きたい
- ダサいファンヒーターはイヤだ
逆にいえば、こんな方には不向きです。
- 部屋全体をしっかり暖めたい
- 首振りやタイマーなど多機能が欲しい
- 静かな環境で使いたい
最後に価格にも触れておきます。
僕が調べた印象では、販売価格はだいたい8,000円前後。
セラミックファンヒーターとしては少しお高めですね。
ホームセンターなどで買える安価な製品とくらべると倍くらいの値段ですが、デザインやサイズなどの付加価値はきちんと備わっていると思います。
個人的にも自分が求める条件は満たされたので、満足しています。