連載

住まいの設計編集部:樋口 淳

ペットと上手に暮らす家とは?獣医師・田向健一さん【すまいの話、しませんか】no.12

様々なジャンルで活躍する方をゲストに迎えて、“すまい”にまつわるお話を伺うこのシリーズ。

それぞれのライフスタイルの中で、「家に求めるもの」や「大切にしているもの」を深掘りしていきます。

第12回目は、爬虫類から猛獣まで、これまで100種類以上の“珍獣”(正しくはエキゾチック・ペット)を診察してきた獣医師で田園調布動物病院院長の田向健一さんが登場。

『珍獣の医学』(扶桑社文庫)も出している田向先生に、ペットと暮らすための住まいについて聞いてみました。

人が飼っている動物なら種類を問わず、だいたい診ます!

田向先生

「カンガルー、ペンギン、最近は人気のカワウソもよく来ますね。人が飼っている動物なら種類を問わず、だいたい診ます!」

日本の大学の獣医学部で学ぶペットは犬や猫くらいなので、ほとんどの動物病院では犬や猫しか診察できない。“珍獣”(正しくはエキゾチック・ペット)の患者にとって、田向先生は頼みの綱。

「“珍獣”を飼いきれなくて放り出す人も多い……。
でも、ウチに動物を連れてくる飼い主さんは、その時点で愛情を持って飼っているのが分かりますよ。
手間も時間もお金も掛かるわけですから。
飼い主さんにとって大切な家族なのだから、僕がサボるわけにいきませんよ」。

病院で日々、様々な動物を診療する田向先生だが、自宅では犬、猫、インコ、リクガメ、ヘビ、トカゲ、熱帯魚と多くのペットと暮らす飼い主さん。

「家を建てるときに、爬虫類や熱帯魚など“水もの”ペットのために、10畳ほどの部屋を地下につくりました。
水をこぼしても平気だし、大きいシンクも設けています。
リビングに水槽を置くと、水を替えるのが面倒だし、こぼしたりすれば掃除も大変。
そして水替えをしなくなり、水が汚れても平気になってしまう……。ペットと暮らすには、メンテナンスを楽にすることが大事なんですよ」

田向先生

20個ほどズラリと並んだ水槽には、アマゾン原産の熱帯魚やヘビなどが飼われている。エサや電気代は月数万にも!?

自宅でペットを飼うと、生きものゆえ仕方ないとはいえ、特に気になるのは臭い……。

「ペットを飼うときは掃除のしやすさが大事になってきます。
畳やカーペットは避けるべきだし、フローリングもペットがおしっこをしちゃうと、木目に染みて臭いのもとに……。
僕の家には、猫のトイレ専用の置き場所をつくり、換気扇を仕込んだので排泄しても臭いません。
結局、ペットとうまく暮らすには、飼い主がイヤにならないようにするのがポイントなんです。
だから、動物がどこまで人間のエリアに入っていいか、侵入OKの部屋を決めるのも、仲よく暮らす方法のひとつです」

 

猫、トカゲ、カエル…。自宅では多くのペットと暮らす田向先生

実際に、田向先生が自宅で飼っている可愛いペットの一部をご紹介してもらいました。

まず、こちらが捨て猫の兄弟ヤスケ(左・オス・1歳半)とエン(右・オス・1歳半)。

田向先生

ちなみに2匹とも田向先生が里親だそうです。

 

こちらは、マツカサトカゲ。

田向先生

「大人しくて果物が大好き。飼いやすいトカゲです」と田向先生。

 

メキシコフトアマガエルは、冬場の温度管理に注意が必要なんだそう。小さな虫などをエサに与えているとはびっくり!

田向先生

 

理想の家は、動物を放せる庭がある沖縄式の風通しのよい家!

田向先生

田向先生が動物を飼い始めたのは、小学生の頃にさかのぼるそう。

「ハムスターを飼ったのが初めかな。親は動物好きではなかったけど、飼うのを反対されたことはなかったですね。
捕まえたカブトムシやザリガニを飼ったりで、生き物が増えていったけど好きにやらせてくれたし(笑)、父は大工なので、カブトムシの虫かごやイグアナ用の部屋をつくってくれまました。
『ないものはつくれ』が口癖の父には、工夫することを教わりました。獣医となった今、実際にそうしています」

 

そんな田向先生の理想の家は?

「沖縄あたりの島で、動物を放せる庭がある、沖縄式の風通しのよい家に住みたいですね。
外との隔たりもないから、動物と暮らすにはよさそう。
夕方になったら庭に椅子を出して、海に沈む夕日を眺めながら泡盛を飲んで、傍らには動物がいる。最高です!(笑)」

 

田向健一さん 獣医師。田園調布動物病院院長。
麻布大学獣医学科卒業後、東京、神奈川の動物病院勤務を経て現在に至る。アジア初となる両生類の伝染病・ツボカビ症の発見、カメの手術の新方式考案など、海外からも注目を集める。精力的に論文を発表する傍ら、『珍獣ドクターのドタバタ診察日記』(ポプラ社)、『生き物と向き合う仕事』(ちくまプリマー新書)など、著書多数

 

撮影/門嶋淳矢

珍獣の医学

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