連載
住まいのあれこれ見聞録

京橋LIXILギャラリーで暮らしをテーマにした展示が無料で見られる【住まいのあれこれ見聞録vol.4】

住宅・設備関連会社では、製品を生産・販売するだけでなく、ギャラリーや美術館を運営している会社があるのをご存じですか?

今回は東京・京橋にあるLIXILギャラリーに伺って、その活動内容や意図について聞いてみました。

誰もが触れやすいLIXILギャラリー

見聞録03

丸編集長(以下、丸) 今日は銀座にあるLIXILギャラリーにやってきました。
様々な企業が文化芸術活動やそのサポートを行っていますが、LIXILさんではずいぶん古くからやってらっしゃいますよね。
ご案内いただくのは館長の大橋さんと展覧会担当の筧さんです。

大橋恵美さん(以下、大橋) 銀座にINAXギャラリーとしてオープンしたのが1981年ですので、もう37年になりますね。こちらでは3つのギャラリースペースに分けられており、常時3つの展覧会を開催しています。
ギャラリー訪問時の企画展は実業家の平瀬與一郎をはじめとする明治期以降の研究者やコレクター10人による、貝人(かいじん)コレクションの展示が。

見聞録03

どちらかというとニッチなテーマが多いLIXILギャラリーの巡回企画展。

建築・デザインとその周辺から今までにない新たな切り口を見つけ、企画に発展させているそう。

例えば「貝」は、古代から私たちの生活に密着し、装飾品、お金、建築資材などに使われおり、実は身近な存在。

そんな貝の世界の魅力を学術的でもなく、一般の人にも触れやすいよう展示の仕方も工夫されています。

見聞録03

見聞録03

本来研究室にある貴重な貝たちを貸し出してもらえるのは、INAXの時代から積み重ねてきた信頼とネットワークがあるからこそ。

現在は、「吉田謙吉と12坪の家-劇的空間の秘密-」を開催中(2019年5月25日まで)。

舞台美術を中心に考現学採集、装幀、文筆業など多彩なジャンルで活躍した吉田謙吉が、52歳の時に東京・港区に建てた12坪の家の魅力について、さまざまな展示物や模型をもとに紹介していくものです。

吉田兼好展

 

企画展ごと作られているブックレットは160数冊にものぼり、バックナンバーは一般の書店やアマゾンでも購入可能なんだとか。

椅子に座ってゆっくり読めるので、飲み物片手にギャラリーで何時間でも過ごせそうです。

見聞録03

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4人のクリエイターによる「クリエイション未来展」

見聞録03

大橋 次はギャラリー2です。
2014年にスタートした新しい企画「クリエイションの未来展」は、建築家の伊東豊雄さん、隈研吾さん、アートディレクターの清水敏男さん、金工作家の宮田亮平さんの4人のクリエイターを監修者に迎え、それぞれ3か月の単位で毎年1回ずつ展覧会を開催しています。

 

訪問時は伊東豊雄さんの「聖地・大三島を護る=創る」が開催されていました。伊東豊雄さんは瀬戸内海の大三島で日本の伝統文化をもう一度よみがえらせようという活動をされています。

企画展では建築予定のオーベルジュの敷地周辺模型や、 大三島に暮らす7人のドキュメンタリーが展示されていました。

見聞録03

 建造物とはまた違った、人や暮らしといったソフトの部分での取り組みをしているんですね。
伊東豊雄さんは市井の人々寄りの方なのかもしれません。特に大三島の取り組みはお金もかかっていなさそうで身近な感じがします。

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贅沢な展示にうっとり!

見聞録03

大橋 それではギャラリー3へどうぞ。こちらではやきもの展を開催しています。

 美しいやきものですね。こうしたやきものや作家さんの選定はどなたがされているんですか?

大橋 日本陶磁協会理事の森孝一さんがやってくださっています。
作品は、普通はガラスケースで覆っていることが多いかと思いますが、こちらではじかに観ていただけるのが魅力のひとつかと思います。

見聞録03

開催されていたのは、伊藤秀人展「青瓷 釉の力」(2018年6月で終了)。

直径約60㎝の大鉢3点と茶道具の茶碗1点がゆったりと展示され、近くでディテールまでじっくり観られるのはとっても贅沢!

 

私たちの意識にも訴えかける企業の文化・芸術活動

 昨今では企業の生産部門に対する文化事業の存在意義と費用対効果なんかをシビアに測っていたりするんではないかと思うんですが……。

大橋 LIXILはトイレなどをつくる会社ですので、「ものをつくる」ということが基本にあります。こうした活動もその一環として、幅広く捉えています。

 

やきものの街「常滑」には「INAXライブミュージアム」も。

”光るどろだんご作り体験”や”世界のタイル博物館”の常設展示など、体験・体感型ミュージアムであるこちらの切り口も大変興味深く

6つの館を散策することでじっくりと土とやきものの世界に触れることができます。

見聞録03

見聞録03

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いかがでしたか?

誰もが知っている有名な企業でも、その”理念”まで知っている人は少ないはず。

企業の文化・芸術活動が活発なこの現代、それらに意識的に目を向けることで企業理念を感じ取り、私たち消費者の”身の回りのモノを選ぶ意識”にもいい影響を与えてくれそうですね。

もっと詳しく見たい方は、ぜひ「住まいの設計2018年9月号」を参考にしてみてくださいね。

【取材協力】

見聞録03
LIXIL ギャラリー
東京都中央区京橋3-6-18
東京建物京橋ビル LIXIL:GINZA2F
開館時間/ 10:00~18:00
観覧料/無料
休館日/水、年末年始、夏季(8/11~15、26)
03・5250・6530
http://www.livingculture.lixil/gallery/

撮影/林 紘輝(扶桑社)
画像提供/LIXIL

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