大雪が降るとエアコントラブルが増える!? 知っておきたい3つのポイント
近年は都心でも、ひと冬に数回ほど雪が降ることが珍しくありませんね。
急な大雪の時は、エアコントラブルに気をつけなければいけません。
空調専業メーカーのダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)には、大雪が降ると「エアコンが停止してしまった」等、大雪に伴うエアコントラブルで問い合わせが殺到するそう。
大雪の際のエアコントラブルの多くは故障によるものではなく、あらかじめ準備しておくことで回避できたり、自分で対処できたりするケースも多くあります。
今回は、そんな大雪の際に気をつけるべきことやエアコントラブル回避策をご紹介します。
1. 降雪予報が出たら、室外機のまわりをチェック!

Graphs / PIXTA(ピクスタ)
ダイキンに寄せられる大雪に伴うエアコントラブルで多いのは、以下のような問い合わせ。
- 暖房運転に設定しているのに、エアコンから暖かい風が出てこない
- 運転開始から5分くらいで止まってしまい、しばらくすると、また運転を開始する
- 室外機から湯気が出ている
- 室外機から異音がする
これらのトラブルは、室外機のまわりに雪が積もり、吸い込み口や吹き出し口をふさいでしまうために発生してしまうのです。
また、室外機に付着した雪を溶かす「霜取り運転」によって発生しているケースも。
天気予報で降雪・積雪予報が出た際には、室外機の周りはできるだけ空けておき、物でふさがないことが大切です。
空気の吸い込み口である室外機側面と背面、吹き出し口である室外機の前面をふさがないよう、ゴミ袋や掃除道具などは片付けておくことで、大雪でも快適にエアコンを使うことができます。
2. 雪が降ってきたら室外機まわりのスペースを確保

SEKIGUCCI / PIXTA(ピクスタ)
実際に雪が降ってきた時にもやるべきことがあります。
まずは、室外機のまわり30センチは空けること。室外機の上に積もった雪も、落下して吹き出し口や吸い込み口をふさぐ可能性があるため、取り除きましょう。
雪を取り除いたら、電源プラグを抜くか、ブレーカーを切ってからもう1度入れ直し、リモコンで再び運転を開始してOKです。
室外機は、熱を含んだ屋外の空気を吸い込み、冷たい空気を吹き出しています。
吸い込み口がふさがっていると、空気を効率的に吸い込むことができません。
また、吹き出し口がふさがっていると、室外機から吹き出された冷たい空気を、室外機が再び吸い込んでしまう「ショートサーキット」という現象が起こります。
すると、屋外の熱を効率よく取り込むことができず、電気代が高くなってしまうばかりか、暖房運転が停止してしまう可能性も。
室外機のまわりを空けておくことで、これらのトラブルを事前に回避することができます。
3.「霜取り運転」のときは慌てない

東北の山親父 / PIXTA(ピクスタ)
冬場の室外機で留意しておきたいもう一つのポイントに「霜降り運転」というものがあります。
霜取り運転は、一時的に通常の暖房運転とは反対に、室外機の熱交換器を暖めることで霜を溶かす機能です。
暖房運転時、冷たい空気を屋外に吹き出す室外機。
その際、室外機内部の熱交換器は非常に冷たくなっているため、空気中の水蒸気が熱交換器に結露して凍り、霜となってしまいます。
また、溶けた雪が凍って付着することもあります。
熱交換器に霜が付着すると、室外機の空気の吸い込みが妨げられ、屋外の熱を効率的に取り込むことができなくなってしまいます。
その際、エアコンが行うのは、熱交換器に付いた霜を溶かすのが「霜取り運転」です。
一般的に霜取り運転時は、エアコンから暖かい風が出てきません。
そのため「故障した!」と勘違いしがちですが、霜取り運転を開始してからしばらくすると霜が溶けてなくなり、通常の暖房運転が再開するのでご安心を。
また、霜取り運転で霜を溶かす際、周囲との温度差による湯気の発生や、エアコン内部で冷媒の流れが切り替わる音が室内機から「プシュー」「シャー」「ポコポコ」と出ることもありますが、これらは故障ではありません。
正しい知識を持ち、適切なケアをすることで、大雪の日もいらぬ心配やエアコントラブルをなくすことができます。
降雪の時だけでなく、気温が低い日には今回ご紹介したことを忘れないようにしたいですね。
【参考】