マンションの宅配ボックスが将来の社会問題を解決する救世主になる!?
宅配ボックスは、現代のマンションには欠かすことのできない設備です。
防犯カメラと並んで技術の進歩が早い分野で、今後どうなっていくか楽しみなアイテムでもあります。
また、様々な社会問題を解決する救世主的なアイテムになる可能性もあるのです。
今回は宅配ボックスの進化や、今後ますます充実していくと思われるマンションのサービスについて書いてみたいと思います。
宅配ボックスはマンションに絶対に必要な設備ナンバーワン
筆者は以前「マンションに絶対必要なもの&不要なもの」という記事を投稿しましたが、その中で「絶対に必要なもの」の筆頭に挙げた設備が宅配ボックスです。

chromatic / PIXTA(ピクスタ)
インターネット通販の市場拡大により宅配便を利用する機会はますます増加していますが、配達時に不在でも荷物を受け取れる宅配ボックスは何かと便利で、約2年経過した現在でも筆者の評価は変わっていません。
不在による再配達の増加が原因でドライバーの長時間労働が常態化してしまい、今や日本の宅配便のビジネスモデルは崩壊寸前ともいわれています。
このような社会状況の中で、最も必要とされているのが宅配ボックスでしょう。
宅配ボックスは郵政省の規制との闘いの末に生まれた!?

Naoaki / PIXTA(ピクスタ)
世界で初めてマンション用宅配ボックスが開発されたのが1983年ですが、当時は不在時に配達された荷物は管理室で預かるというのが普通だった時代で、その際に発生したトラブルがヒントになったといいます。
しかし当時、郵政省の規約では宅配物は手渡しが原則で、受け取りの判子かサインが必須。
そのため宅配ボックスでは郵便小包を扱うことができず、せっかく開発したにもかかわらずほとんど売れませんでした。
そこで開発者は郵政省に乗り込んで3年がかりで交渉し、1994年についに郵便規則の改正にこぎつけます。
そこから大手のマンションディベロッパーへの納入が拡大し、宅配ボックスは一気に普及しました。
宅配ボックスはコールセンターが必須

U-taka / PIXTA(ピクスタ)
宅配ボックスは機械ですから様々な要因によるトラブルの発生は十分に考えられますが、利用者にとっては荷物がそこにありながら取り出せないというのは大変な苦痛です。
通常の配達時間に不在だった人が宅配ボックスから荷物を取り出そうとするのは夜間や週末という場合が大半ですが、このような問題に対応するためには専用回線で24時間監視するシステムが必要です。
そのため大手メーカーは年中無休24時間対応のコールセンターを設けている場合が多いようです。

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筆者も宅配カードの磁気が抜けてしまって機械が作動せず、コールセンターを利用したことがあります。
深夜であったにもかかわらず、遠隔操作でロッカーの扉を開けてくれただけでなく、新しい宅配カードの手配まで機械に設置されたインタホン越しのやり取りですべて完結できて、大変に重宝しました。
マンションのサービスは今後どう進化する?

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現在では不在時の荷物の受け取り以外にもクリーニング受け渡し、郵便書留の受け取り、EV充電システム、カーシェアリング、食品宅配受取サービスなど様々な新しいサービスが可能となっています。
宅配ボックスは防犯カメラと並んで技術の進歩が速い分野で、フロント時代の筆者は新しい情報についていくだけで精いっぱいでした。
開発されて30数年経過する中で存在感を増し、ついに社会問題を解決する切り札のような設備となりました。
今後どのように進化していくか非常に興味深いものがあります。