セルフビルドの温もりや光・風に包まれた心地よい家

設計・施工/ますいいリビングカンパニー(所在地:埼玉)

撮影/大内克志

ますいいリビングカンパニーに設計・施工を依頼したSさん夫妻。
その理由を聞くと、「設計と施工を担う工務店なら、実際の納まりまで考えた設計をしてくれるから」だと夫が話してくれました。

「子どもに実家をつくってあげたい」とずっと思っていたSさん夫妻の家をご紹介しましょう。

環境の変化に対応しつつ、思い出を紡ぐ工夫をプラス

Sさん夫妻が購入した土地は、袋小路状の道に接し、南の隣地に駐車場が広がる立地。

Sさんに「周辺の変化に対応でき、明るく開放的に」と求められたという設計担当の田村和也さんはその意向に関して、「南側にアプローチ、吹き抜けの玄関、坪庭を一列に配し、玄関ホールの窓から奥の坪庭を眺められる動線にすることで、袋小路の詰まり感をやわらげました。おのずと部屋が北側に寄るので、隣に家が建っても採光が得やすい」と語ってくれました。

さらに2階のLDKは、遊び場に使える畳スペースを備えた大空間に。

「広さも採光も申し分なく、一日中、家族と楽しくくつろげる」と夫。

上の写真は、屋根形状に合わせて夫が設計したフィックス窓。すっきりした窓回りで眺めもよく開放的です。

窓の先にも同じ形状の鉄骨フレームを配し、屋内外に一体感を持たせたのでより広く感じられます。

「隣に家が建っても、フレームに目隠しを付けたり蔦をはわせば視線をさえぎれる」と田村さん。

このほかにも、セルフビルドした和紙の壁などが、穏やかな日々に家族の目を楽しませています。

「この窓から子どもと空を眺めては、『今夜は満月だね』などと話すんですよ」と、目を細める妻の言葉に、家族の紡がれゆく絆を感じました。

外観デザインはシンプルに!

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1. 鉄骨フレームを用い、屋根形状を生かしたデザインが印象的なS邸。外壁のガルバリウム鋼板やバルコニーのエキスパンドメタルなど、シンプルでメンテナンスしやすい建材を選びました。
2. アプローチの延長線となるように、玄関の土間は炭入りモルタルで仕上げています。階段は鉄骨とベイ松の梁材を組み合わせた片持ち階段で軽やかに。

和紙の配色や壁の下地塗りにも挑戦!

パインフローリングや壁の和紙、夫妻が下地塗りした壁の漆喰など、自然素材を多用。
大空間を引き締める吹き抜け側の欄間は、目隠し用のロールスクリーンがすっぽり収まるように、溝を深く彫って取り付けました。

暮らしやすさに配慮して、北側には通風を促すための高窓を配し、畳スペースの下には収納を造作しました。
「上の子たちは、畳からジャンプして遊んだり」(妻)と、子どもたちは元気いっぱい!

幅広く見渡せて子どもも見守れるキッチン&ダイニング

キッチンから畳スペースまで見渡せるので、子どもを見守りながら家事ができます。
「物干し竿を使いたくなくて」(妻)と、キッチン脇のバルコニーには、竿の代わりにオリジナルの鉄骨フレームをつくってもらったそう。

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3. テレビボードの高さや素材は、畳スペース脇の廊下と合わせて造り付けにしました。夏場のエアコンの冷気が階下に下りないよう、階段側には引き戸も製作。
4. 閉じれば引き戸が腰壁と一体化するように同じ素材を使っています。

斜め貼りの床タイルもお気に入り!

背面の造作収納で使い勝手を高めたキッチン。
コンロやカウンター回りのタイルも夫妻で貼ったそう。
「斜めに貼ったこの床がいちばん大変でした」という言葉に、達成感がにじんでいました。

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5. 洗面台のアクセントタイルは妻が選んで貼ったものです。「広く見えるように」と、タイル上の壁に大きな鏡を張り、サイドの壁に取り付けたオープン棚の映り込みで、視覚的な広がりを得ました。洗面台の天板は柿渋仕上げ。
6. トイレはボーダータイルですっきりした印象になっています。

主寝室の漆喰壁もセルフビルドで!

天井などの難しい部分はプロの手を借りつつ、壁は自分たちで完成させました。
床は合板を縦横に張った格子デザインでおしゃれ。

帰宅してからすぐに手が洗えるよう、手洗いを造作。
この壁タイルも夫妻で貼ったが、部屋ごとに色・柄を替えたのもS邸の特徴です。

将来、2つに仕切れる子ども室は、パインフローリングや漆喰壁でナチュラルな雰囲気。
和紙のアクセントウォールは、グラデーションが出るように色を選んで貼った力作です。

Checkpoint

家への愛着が深まるセルフビルド!

「家づくりの記念に」「メンテナンスもできるように」と、夫妻はタイル貼りのほか下地塗りや漆喰塗りに挑戦。
なかでも印象深いのは、作家が天然素材で制作した作品を用いた和紙貼りです。
畳スペース(上)では、色の妙がデザインに生きるように配色を吟味し、手漉き体験をさせてもらった手製の和紙(右)は、キッチンカウンターに手貼りしました。

東京・江戸川区 Sさんの家 家族構成/夫37歳 妻35歳 長男5歳 長女3歳 次男0歳

DATA

敷地面積/132.09㎡(40.03坪)
延床面積

96.80㎡(29.33坪)
1階/49.64㎡(15.04坪)
2階/47.16㎡(14.29坪)


用途地域/第1種中高層住居専用地域
建ぺい率/60%
容積率/150%
構造/木造軸組工法
本体工事費/1,950万円
竣工/2016年9月

INSTRUMENTS

厨房機器/クリナップ
衛生機器/パナソニック、サンワカンパニー、ADVAN
窓・サッシ/YKK AP

施工実例別
キーワード
ナチュラル
自然の光・風

工務店プロフィール

社名:ますいいリビングカンパニー

所在地:埼玉

建築エリア:関東一円

既成概念にとらわれない家づくりを!

ますいいリビングカンパニーは、工務店機能を持つ設計事務所。代表の増井真也氏を中心に建築家集団として活動し、高い提案力と設計力で、住宅・店舗の新築やリノベーションを数多く手掛ける。リーズナブルな見積もりでも無垢材などの自然素材を多用するほか、建主に応じたセルフビルドの推奨や工芸家とのコラボレーションなど、魅力ある家づくりの実現に向け、多彩な手法で追求する。

ますいいリビングカンパニー

個性的なデザインの社屋と増井代表。自ら積み上げた枕木の階段が特徴的。

  • ●社名/ますいいリビングカンパニー
  • ●代表/増井真也
  • ●住所/本社/〒332-0032 埼玉県川口市中青木3-2-5 町田分室/〒195-0062 東京都町田市大蔵町494-5
  • ●電話/本社/048・254・8021 町田分室042・737・3157
  • ●年間建築棟数/新築15棟 リフォーム10棟
  • ●設立/1995年

増井真也

1974年埼玉県生まれ。'97年早稲田大学理工学部建築学科卒業。ゼネコンに勤務し、現場管理の経験を積んだあと、ますいいリビングカンパニーを設立。設計のみの依頼にも対応している。

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スタイル別
キーワード
ナチュラル
自然素材の家