メキシコのマイペースすぎる家づくり!完成まで5年もかかる!?
自分の希望通りの家をいつか建てたい!と思うのは、日本もメキシコも一緒。
筆者の住むメキシコでもそんな素敵な夢を叶えている人は、たくさんいます。
しかし、日本の家づくりと比べるとまったく進み方のペースが違うようです。
今回は、メキシコ人のマイペースすぎる家づくりについてお話します。
建築許可を取得するのに4か月以上かかる
実際に家を建てるには、建築許可を取得する必要があります。
日本だと通常1か月ほどあれば取得できますが、メキシコでは市によっては4か月以上待つこともあります。
著者の義両親は現在家を建てていますが、土地を買ってから工事に着手するまで1年半ほどかかっています(その理由の1つに、土地がジャングルのような状態だったために、土地を平らにする時間もありましたが)。
メキシコは、役所関係の手続きに非常に時間がかかります。
時々、ある程度の忍耐と諦めがないと、この地には住めないのかもしれないと思うほどです。
富裕層のメキシコ人が家を建てる時
メキシコ人が家を建てる時は、日本と同じように予算や条件に合う土地を購入することから始まります。
富裕層のメキシコ人は、土地を購入したら建築家を探して家の設計の希望や条件を伝えます。

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建築家と何度も話し合いの場を設け、予算や希望の折り合いをつけて、ようやく家のデザインが決定します。

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建築家がオススメの工務店があれば紹介された工務店に工事を頼み、つてがなければ工務店や大工を探します。
メキシコ人は予算に合わせてゆっくり家を完成させる
土地を購入したあとで、家を建てる予算が少ないメキシコ人の場合は、建築家やハウスメーカーに家の設計は頼みません。
普通は、いわゆる大工さんのような家を建てる経験のある人に大まかな設計を相談して、家を建ててもらいます。
建築家が設計した家ではないため、このような家の場合建築基準を満たしていなかったり、空間を上手に使えていなかったりすることはよくあります。
メキシコの家に欠陥が多いのはそのためです。
未完成の家に引っ越してゆっくりと工事を進めていく
メキシコ人の家づくりの興味深いところは、とてもマイペースなところです。
富裕層のメキシコ人は、ローンを組んで家づくりをする場合が多く、工事もささっと進み家が完成します。
しかし、多くのメキシコ人はローンを組まずに(組めない場合もあり)、そのつど工事を進めます。
つまり、お金に余裕がある時は工事を進め、余裕がない時は一時ストップするのです。

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それでも、何とか頑張って1階までは建ててしまおうという人は多いようです。
それまでの住まいが賃貸だった場合、1階が完成した時点ですぐに引っ越しをして、家賃を払う代わりに家づくりに投資することもよくあります。
そのため、メキシコでは、未完成の家に住んでいる人がたくさんいます。
完成したらきっと素敵になるのだろうと通りすがりにずっと見ていた家が、数年かかってやっと外壁がきれいになった、ということもあります。
日本人の私たちなら「一刻も早く家を完成させたい」と焦りがちですが、予算と相談して「次は2階の床を完成させよう」「2階の窓を買おう」などとゆっくりではありますが、完成までの楽しみが長続きするのも悪くないのかなと思いました。
メキシコ人の家づくりはいかにもメキシコ人らしいですね!