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高幡和也高幡和也

住宅ローン「いくらまで借りられるか」で借りちゃダメ!延滞率って?

長期間にわたって返済が続く住宅ローンは、「いくら借りられるか」ではなく、「いくらなら支払っていけるか」を考えて計画を立てることが最も重要です。

無理な返済計画は住宅ローンの「延滞」を招きます。

せっかくこだわって作った自慢のマイホームも、住宅ローンを延滞してしまうと、いずれは手放さなくてはならない事態に陥ってしまうかもしれません。

では、実際に住宅ローンが延滞してしまう割合である「延滞率」は、一体どれくらいなのでしょうか?

延滞予防のために住宅ローン返済計画の「変化」に注意!

家の購入に欠かせない住宅ローンですが、一般的にほとんどの人が長期の返済期間を設定します。

長期で借りることで返済額を抑え、繰り上げ返済をすることで返済期間を短縮するというのが住宅ローンを利用する場合のセオリーですが、購入する家に高いクオリティを求めるあまり、いつの間にか予算が膨らんでしまい、その結果、当初の予定よりも住宅ローンの額が増えてしまう人も少なくありません。

費用

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

家づくり、家探しの過程で住宅ローン返済計画が「いくらなら無理のない返済が可能か」から、「いくらまでなら借りられるか」に変化してしまうと、将来的にその住宅ローンは「延滞」に陥る可能性があるのです。

 

住宅ローンを延滞する割合

では、実際に住宅ローンを延滞する割合はどれくらいなのでしょうか?

MaCC / PIXTA(ピクスタ)

住宅ローンの延滞率を示した公的な統計資料はありませんので、今回は住宅金融支援機構の「平成29年度(2017年度) リスク管理債権」の数字から延滞率を算出してみたいと思います。

この「リスク管理債権」は、1.破綻先債権額 2.延滞債権額 3.3か月以上延滞債権額 4.貸出条件緩和債権額、の4つに区分されています。

このなかで、実際に住宅ローンが破綻した1と、延滞が破綻につながっていく可能性が高い2、3を合計した債権額は637億円です。

2017年度時点での貸出元金総額は147,979億円となっていますので、これに対する上記債権額の比率は「0.43%」となります。

延滞の定義や金融機関によって当然差異が生じますが、住宅ローンを「継続的に支払えなくなる」ことが延滞の定義だとすると、この「0.43%」を延滞率と呼んでいいかもしれません。

 

実際にはもう少し高いかもしれない「延滞率」

注文住宅

ABC / PIXTA(ピクスタ)

さらにここへ、先述した4の「貸出条件緩和債権額」を加えてみましょう。

「貸出条件緩和債権額」とは、様々な事情によりローンの返済が困難となった場合や大規模な自然災害が発生し被災したことにより、一時的にローンの返済が困難となった場合等に、返済条件の変更などを行ったり、貸出条件の緩和措置等を行ったりしている債権の額です。

住宅金融支援機構によれば、この種類の債権は将来的に延滞が解消する場合も多い(貸倒率が低い)とされていますが、当然この債権にも「延滞」が含まれています。

この債権も加えたリスク管理債権の合計額は1,113億円となり、貸出元金総額に占める比率は「0.75%」となります。

どのような事情があるにせよ、「延滞すること」は精神的な不安や負担が大きいものです。

実際に住宅ローンを返済していく人の目線からみればこの「0.75%」が現実的な延滞率だと感じるかもしれません。

家計管理

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

「0.43%」と「0.75%」という延滞率、みなさんはこの数字を高いと感じるでしょうか?

それとも低いと感じるでしょうか?

どちらにしても、延滞率はこれからも「ゼロ」になることはないでしょう。

自分や家族の体調不良、高額な医療費の負担、急な失業、そのほか思いがけない理由や事情によって、家計の状況が急変することは誰の身にも起こり得るのです。

そのような時のためにも、住宅ローンの利用計画を立てる場合は「何とか支払っていける」ではなく、「余裕をもって支払っていける」を心がけましょう!

 

【参考】
※ 住宅金融支援機構「平成29年度(2017年度) リスク管理債権」

※今回の試算は、住宅金融支援機構が旧公庫から引き継いだ求償債権や2004年以前(住宅金融支援機構への移行前)に受付した貸付金に係るもの(既往債権等)については除外しています。

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