「角部屋」と「中部屋」を徹底比較!どちらが住み心地いいの?
マンションを借りるときの家賃は中部屋よりも角部屋の方が高く、また、分譲マンションの購入においても同じ傾向があります。
実際、部屋の位置でそんなに住み心地が変わるのでしょうか。
今回は、両者の特徴を確認し、住み心地を検証してみます。
角部屋と中部屋では窓の数がまったく違う!
角部屋と中部屋の大きな違いは窓の数だと思います。

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南面に面している物件の場合、南面のバルコニーの窓面積が同じだとしても、東西のどちらかに窓が付いています。
窓が付いているという観点から角部屋と中部屋を考えると、次のような違いがあると言えます。
1. 角部屋は光が多く入ってくる

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一番の違いは採光面です。
マンションの場合、どうしても縦長リビングが多くなり、バルコニー面に対して、奥行のある間取りとなります。
そのために、冬場でも奥まで光が届かず、日中でも電気を点けることが多くなります。
角部屋で窓が設けられていれば、光が2方向から入ってくるので、明るくなります。
ですが、光が入ってくることがデメリットとなることもあります。
特に、西側の角部屋の場合、夏場の西日は室温を上昇させ、不快に感じることも多いです。

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昼と夜の気温差が高くなることもデメリットになることもあります。
冬の場合、気温差により結露が発生しやすくなり、カビ発生の原因ともなります。
2. 角部屋は通気性がよい
2方向に開口部があると、空気の流れが良くなる、つまり通気性が良くなります。
通気性が良いと、洗濯物が乾きやすい、エアコンを使わなくてもいい場合が多くなるなどのメリットが生まれます。

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住宅を設計するときに、「開口部」のバランスを考えなくてはいけません。
その理由は気密性に関係があるからです。
昔の日本家屋は通気性が良いものが多かったのですが、現在は高気密の住宅が多くなっています。
つまり、冷暖房効果を意識し、気密性が高くなるよう工夫されています。
窓が多いということは、気密性を低下させることを意味しています。
冬場室内にいて、ガラス窓の近くに立つと部屋の中心部よりも冷たく感じることがあります。
これは、窓の気密性が壁面よりも低く、外の冷気をわずかに通しているからです。
部屋がある場所の違いによって及ぼす影響はある?
角部屋は、共用廊下の一番奥にあることが多く、角部屋住戸に用事がある人でないと玄関前までは行きません。
中部屋は自分の家に用事がない人も玄関前を行き交います。
人通りという観点から角部屋と中部屋を考えたとき、問題になるのは次の点です。
1. 騒音被害と人の視線
音の面から考えると、中部屋の場合は両隣に部屋があるために、両方からの生活音や騒音が聞こえます。

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一方、角部屋の場合はどちらか一方にしか人が住んでいないので、生活音は聞こえにくくなります。
音が聞こえる可能性は少なくなり、玄関の前をほかの人が通ることもないので、視線を気にすることもありません。
角部屋での家具のレイアウトの自由度は?
家具は通常、壁面に接して置くものです。
窓が多いということは、家具を配置する場所が限定されるということ意味しています。
リビングにテレビを置く人が多いと思いますが、テレビジャックは通常1部屋に1か所しかありませんので、そこにテレビを置くことになります。

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テレビが見やすい位置にソファやテーブル、棚などを配置することになりますが、窓が多いと配置がしにくくなります。
つまり角部屋で窓が多いと、家具の配置が限定されてしまうのです。
まとめ

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角部屋は、他の住戸に面していない壁側に窓があり、日当たりや風通しがよいのがメリットです。
一方で、外気の影響を受けやすく、物件の価格や家賃が割高になってしまいます。
中部屋は、日当りや風通しのよさでは角部屋に劣りますが、全住戸の大多数を占めるため、物件価格や家賃は角部屋に比べ安く、外からの騒音が聞こえにくい、外気温の影響が少ないなどのメリットがあります。
一般的に角部屋に人気が集まる傾向にありますが、メリット、デメリットを把握し、自分に合った部屋を選ぶことが大切です。