不動産

鶴間 正二郎鶴間 正二郎

「令和」が新元号に!元号同様にマンション名の変更がもたらす影響とは?

5月1日の新天皇即位に伴う新しい元号が「令和」と決定しました。

昭和が終わった時に筆者はまだ学生で、小渕恵三官房長官(当時)が「平成」と書かれた額縁を風呂敷から取り出すシーンを柔道部の部室のテレビで観ていたことを思い出します。

元号の変更は様々な点で国民生活に影響しますが、我々の生活に影響する「名前の変更」は元号だけではありません。

マンション名が変わることはよくある

分譲マンション一筋だった筆者が賃貸物件の営業に転身した際に驚かされたことは数多くありますが、そのうちの一つが「賃貸ではマンション名が変わることがよくある」ということでした。

マンション

YNS / PIXTA(ピクスタ)

オーナーが賃貸物件を所有するのはそこから発生する家賃収入を目的とする場合が大半ですが、一棟ものの賃貸物件を安く購入して高く売ることにより利益を上げようとしている人も意外なほど多く存在します。

このように物件の所有者が変わることを「オーナーチェンジ」と呼びますが、この際にマンション名まで変えてしまうという場合が意外なほど数多くあります。

入居者にとっては自分が住むマンションが売りに出ているなどという話は知る由もなく、ある日突然「〇月〇日からマンション名が変更になります」という通知が送られてきてビックリという場合が多いようですが、各種の登録情報の変更は大変ではないかと思います。

マンション 掲示板

Non+i / PIXTA(ピクスタ)

数多くの区分所有者の権利関係がこんがらがっている分譲マンションの場合は、こういった事例はほとんどありません。

名前を変更したマンションの管理員から話を聞いたことがありますが、それはそれは面倒な手続きが必要だったそうです。

 

駅名は地域ブランドと直結する!

学芸大学は中央線の武蔵小金井駅と国分寺駅の中間にあり、都立大学といえば現在では首都大学東京と名前を変えて多摩ニュータウンの南大沢に存在します。

しかし、不動産の名前に「学芸大学」「都立大学」が付いていればそれは東急東横線沿線の物件であることを意味します。

学芸大学駅

sunny / PIXTA(ピクスタ)

このように駅名というものはそれが地域のブランドに直結する場合が多く、鉄道会社の都合だけでは簡単には変更できないもののようです。

東京学芸大学が移転したのが昭和39(1964)年、都立大学が移転したのが平成3(1991)年でその後受験生から紛らわしいという苦情も数多く発生しているようですが、アンケートをとったところ改名には周辺住民の過半数が反対していました。

田園都市線と東横線のちょうど中間の世田谷区野沢3丁目でマンションを分譲する際、東横線沿線という方が売りやすいということでマンション名に「学芸大学」と付けた事例を知っています。

駅名が地域に及ぼす影響はそれだけ大きいものなのです。

筆者が最寄り駅として利用する田園都市線南町田駅はもともと地域とは縁もゆかりもない味もそっけもない名前でしたが、開業して40年以上が経過する中で地域に完全に定着し、遂に町田市の住居整理によって「町田市南町田」という地域が誕生するまでになりました。

南町田駅

Ryuji / PIXTA(ピクスタ)

周辺地域の再開発に合わせて「南町田グランベリーパーク駅に変更することが決定したようですが、利用者としては気分のいいものではありません。

 

由緒ある地名は残さなければならない?

有名な東京・港区にある愛宕神社の「出世の石段」の脇に「愛宕の町名存続達成記念」と書かれた碑が建てられているのをご存じでしょうか。

愛宕神社
江戸を代表する景勝地であった愛宕山がある場所ですが、昭和になって周辺地域の住居表示変更に伴い「愛宕」という地名が消えかかり、周辺住民の猛烈な反対運動でかろうじて存続が決まったということがあったようです。

愛宕の町名存続達成記念碑
最近では住居表示変更によって由緒ある地名が次々と消滅していますが、地名というのは先祖が残してくれた貴重な言い伝えであり、その地域の古代の姿を物語る要素が隠されているものです。

その地域の過去を知れば、未来の姿を予測できるような場合もあります。

行政の都合だけで由緒ある地名を変えてしまうのは、そろそろやめにしてもらいたいものです。

 

いかがでしたか?

「名前を変える」というのは各方面に影響するものなので、実施にあたっては十分な検討が必要です。

ちなみに、筆者が使用している名前は実はペンネームですが、これも相当長時間かけて考えました。

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