住まいのお役立ち情報

住まいの設計編集部:樋口 淳

猫が喜ぶ家にするためのポイント7つ~愛玩動物飼養管理士が提言!

猫を飼っている家はどこでも、猫も人間も快適に過ごせる住まいを目指している。

しかし、なかなか理想の空間にするのは難しいものです。

愛玩動物飼養管理士やキャットケアスペシャリストの資格を生かし、猫の魅力や適切な飼育法などを伝えている日刊Sumaiでも活躍中のライター・yuka furukawaさん。

彼女の家には猫が喜ぶポイントが盛りだくさん!

そこでyuka furukawaさんに、猫との暮らしのプロがこだわった家づくりポイント7つについて語ってもらいました。

1. 猫が家から脱走しないようにするには?

yuka furukawaさん

「猫と人が幸せに暮らせる家に住みたい」。

今から3年前、そんな想いを込めながら建てたyuka furukawaさんの家には、猫がのびのびと過ごせる工夫がたくさん詰まっています。

家づくりの際、いちばん力を注いだのが、いかに猫にストレスなく過ごさせてあげるかということ。

近年は完全室内飼いが広まってきているため、体の安全は守られるようになったが、そのぶん、遊び不足から心が不安定な状態になってしまう猫も多いです。

そのため、横方向よりも縦方向のスペースを重視するという猫の習性を考慮し、キャットウォークやプラスの工夫などを取り入れながら心身を守れるような共生住宅を建てようと考えたそう。

yuka furukawaさん

吹き抜け内には、キャットステップを設置。天井全面の吹き抜けではないので、冬でも部屋の中が暖かく保てている

yuka furukawaさん

ぐるぐると上れるように取り付けたキャットステップなら、猫たちも飽きにくい

 

 

2. 猫にストレスをためさせない家づくりの工夫点

キャットウォークはインテリア性より材質や強度にこだわりを! 肉球が見えるアクリル製のものが人気だが、滑ってケガをする可能性が高くなります。

吊り橋のようなキャットウォークも一見おしゃれだが揺れるのでバランスが取りづらく、使わなくなってしまうことも多いです。。

また、猫は安全な高い場所から部屋の中を見渡せると安心するので、yuka furukawaさんの家ではリビングを取り囲むようにキャットウォークを取り付けた。

yuka furukawaさん

長さのあるキャットウォークは、天井とつなげて補強。人の手が届く高さにすれば、万が一のときでも事故が防ぎやすくなり、掃除も行いやすい。下にソファを設置するのもオススメ

キャットウォークの近くに小窓を併設すれば、外からの刺激を得ることもできます。

そして、多頭飼いであるからこそ高さのある家具などを設置し、複数の箇所からキャットウォークへ上り下りできるように配慮。

同居猫同士の仲があまりよくない場合はキャットウォークの幅を広くしたり、鉢合わせしないように迂回路をつくったりして、ケンカや落下事故を防ぐのもいいと思います。

 

 

3. 危険な事故を防ぐひと工夫

子猫は好奇心が旺盛であるため、配線で遊んでしまい、感電死してしまうことも少なくない。

特に、ごちゃつきがちなパソコン周りは猫にとって危険な場所となる。

そのため、yuka furukawaの家ではデッドスペースとなるパソコンデスクの下に、ルーターなどを収納できるスペースを設けています。

yuka furukawaさん

格子状の扉はスライド式で1枚ずつ簡単に外せるので、人間もストレスを感じない

収納スペースには取り外しが可能な格子状の扉を取り付け、猫のイタズラを防止。

格子状であれば、収納スペースに熱がこもりにくくなるので、電気コード類を長持ちさせられる。

こうしたコード収納をする際は、パソコンデスクにコードが通せるような穴をあらかじめ開けておくとよい。

yuka furukawaさん

パソコンデスクの穴はコードがスムーズに通せるよう、少し大きめに開けよう

また、爪がカーテンに引っかかり、愛猫が落下しそうになったことがあったため、新居には消臭効果も期待できるサンゲツの「Sanwinc縦型ブラインド」を導入。日差しの調節が細かくできるのもうれしいポイントだそうです。

yuka furukawaさん

縦型ブラインドは爪が引っ掛かりにくく、横型ブラインドと違って挟まれてしまったり、よじ登ってケガをすることもない。バトン式以外ならブラインドの角度が変えられ、季節や猫の体調に合わせて日光を取り入れられる

 

 

4. 猫のトイレ周りはどうする?

「猫用トイレ」の設置場所は各家庭によって様々だが、筆者は来客に猫の排泄物の臭いや猫砂の飛び散りを気にしてほしくないと思い、人の出入りが少ない脱衣所に猫用トイレを設置することにしたとか。

猫にトイレを我慢させてしまうと膀胱炎や尿路結石といった病気になる危険性があるので、脱衣所のドアには猫用の出入り口を取り付け、愛猫たちがいつでもトイレへ行けるようになっています。

yuka furukawaさん

粗相が心配な方は、猫用トイレを置く前に、その下にペットシーツや防水マットを敷いておくと安心

脱衣所には換気扇を設置しているため、消臭対策も万全です。猫砂もコスパがよくて消臭力の高い木製ペレットを使用しています。

猫の飼い主にとって悩みの種となる猫砂の飛び散りは、段差を設けることで解決!

建築時にあらかじめ猫用トイレのサイズを測り、それに合わせて脱衣所の一角を1段下げ、猫専用トイレを設置。老猫と共に暮らしている方は、余裕のあるトイレスペースを作り、ステップが置けるように配慮するといいそうです。

yuka furukawaさん

出入り口には当初、マグネット製の扉を付けていた。しかし、猫たちがマグネットの音を怖がって通れないことが何度かあったので、現在は扉を外している

 

5. 猫部屋のススメ

猫の飼育時に必要なケージやキャットタワーは、意外に場所を取るアイテムです。

しかしリビングに置くと、インテリア性が気になってしまうという方もいるのでは。

そこで、猫部屋をつくることをオススメします。

yuka furukawaさんの家では、リビングに設けた吹き抜けの先に3畳ほどの猫部屋を設置。

yuka furukawaさん

外からの刺激が得られるよう、窓を設置。人がテレビを見るのと猫が外を眺めるのは、同じような感覚であるといわれている

猫部屋は猫用アイテムを収納するスペースとしてだけでなく、病気の猫を隔離するためにも役立ちます。

万が一、猫同士の相性が悪くても、猫部屋があれば避難場所となるため、お互いにストレスなく暮らしていけるのです。

快適な猫部屋にするには換気扇を設置し、消臭対策を万全にすることも忘れずに。

飼い猫が壁で爪とぎをするのが好きな場合は、腰壁を設けて対策を練るのもいいかもしれません。

ペットハウスやキャットタワーなども用意すれば、猫がリラックスできる空間が完成しますよ。

 

6. あればよかったなと思った設備や空間

yuka furukawaさん

iddie / PIXTA(ピクスタ)  床暖房も断念したが、導入すれば健康管理がしやすい。無毛の猫や子猫、老猫を飼育している家庭は特に積極的に取り入れていこう

実際に猫たちと暮らしてみると、「設置すればよかった……」と思う設備や空間に気づかされることも多いですよね。

そのひとつが、来客専用の部屋です。

ペット共生住宅を建てるときは、自分とペットが快適に暮らせることに重点を置きがちですが、動物が苦手な人などもくつろげるような客間を設ける必要もあります。

yuka furukawaさんの家では、猫がリビングやキッチンを自由に行き来できるようになっていますが、リビングを仕切れるようにし、猫が入れない客間を設ければよかったと後悔しているそう。

また、ベランダに猫の遊び場をつくれなかったのも後悔ポイント。

ウッドデッキや脱走防止柵をベランダに施し、安全性を考慮したうえで鳥の声や風の音、草木の匂いなどを存分に楽しませてあげられたら、ストレスもより軽減されるはず。これから家を建てる方は参考にしてみてほしい。

 

 

7. 人も猫もストレスなく共生するには?

人と猫、どちらか一方だけが幸せで快適な生活を送るのはよくありません。

ストレスをためない生活を送るには、お互いが我慢しない家をつくっていく必要があります。

その考えに基づいてつくったのが、yuka furukawaさんの仕事部屋だ。

yuka furukawaさん

猫たちがくつろぎながら仕事部屋を眺められるよう、近くにはキャットタワーを置。病気のときは、ケージを傍に

yuka furukawaさんの家には、飼い主の姿が見えないと極度に不安を感じて体を過剰になめてしまう「分離不安症」の猫がいるが、仕事中にかまってあげることが難しかった。

そこで、猫部屋と仕事部屋を隣接させて、いつでもお互いの姿が見られるよう、ガラスをはめ込むことにした。

するとストレス性の脱毛が軽減。異変にすぐに気づけ、仕事中に愛猫の姿にほっこりさせられることが増えたのもメリットだった。

人と猫は生活リズムが違う生き物だが、歩み寄ることはできる。体の健康だけでなく、飼い猫の心の健康をどう守っていくかが、これからのペット共生住宅では絶対に必要なことだ。

yuka furukawaさん

玄関ホールに続くドアは、キッチン側とリビング側の2か所に設置。それぞれ帰宅待ちをしている愛猫が廊下への脱走防止になっている。帰ったときに自分が笑顔になれるよう、ドアの取っ手を猫型にしているのもポイントだ

 

いかがでしたか?

愛猫がストレスなく暮らすための住まいをつくるのは難しいこと。

といって、猫のことばかりを最優先にして人間がストレスを感じてしまっては本末転倒です。

そんな悩みを持っている方は、このyuka furukawaさんの提言を参考にしてみてください。

写真/yuka furukawa

 

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