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憲法学者・木村草太さんが昭和60年築の団地をリノベした理由

平成21年ごろ、当時住んでいた約60平米の賃貸マンションが手狭になったことから、物件探しを始めたという憲法学者・木村草太さん。
テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍する姿は、クールで舌鋒鋭いイメージがありますよね。その木村さんが選んだのは、意外にも、東京郊外にある「団地」でした。団地を選んだ理由や実際の暮らしぶりなどをお聞きしました。

ゆったりとした敷地と環境が団地の魅力!

木村さんが購入したのは専有面積81.79平米、昭和60年築のちょっぴりレトロな団地物件です。1500万円で購入し、工事費1450万円(税・設計料別)でリノベーションを行いました。
設計を担当したのは、スタジオCY(サイ)の堀内雪さん。

木村さんが家族4人と住むのは、団地の最上階。

「もともと団地っ子なんです。団地は敷地がゆったりしていて環境がいい。まるでトトロの森でしょ」と木村さん。

その言葉通り、自宅バルコニーからの眺めはこんな感じです。団地の中でもいちばん南に位置し、窓の外には緑しか見えません。静かでプライバシーが守られているのも魅力的ですね。

エレベーター無しなのは団地ならではですが、子どもの頃、団地の5階に住んでいた友達の家によく遊びに行っていため、階段は苦にならないといいます。

思う存分リノベできるレトロさがいい!

数ある団地のなかでもこの物件を選んだのは、天井が高かったこと。それに、「ボロボロだったこと」とか……。
一体どういうことでしょうか。

リノベ前のキッチン

「スケルトンリノベーションする予定だったので、ちょうどよかった。中途半端に空間がきれいだったり、下手にリフォームされていたりするより、心おきなくスケルトンにできました」と木村さん。

例えば既存では、中央にあるDKとベランダ側のリビングは別空間でした。

リノベでは黒板塗装の腰壁で手元を隠すキッチンとしながらも、DKとリビングとの間にあった建具やDKと廊下の間にあった壁を撤去。
LDKを一体感のある空間としました。

そのおかげで、リビングからだけでなく、キッチンやダイニングからも外の緑が楽しめるようになりました。開放的になったダイニングやリビングでは、仕事をすることも少なくないそうです。
講義や講演などで全国を飛び回る木村さんですが、「実は、けっこう家でも仕事をしています」とのこと。

木村さんのお気に入りを聞いてみると、その一つにキッチンという答えが……。実は料理が得意という木村さん。

ステンレスの天板と木で造作したオリジナルキッチンは作業スペースも広く、使い勝手を含めて気に入っているそうです。スケルトンからのリノベでしたが、あえて既存を残したものもあります。

リビングのガラス入り建具と、玄関ホールに設置されていたこのガラスの照明器具は、既存をそのまま利用しました。レトロなデザインと独特の存在感がいいですね。

ちなみに妻は、結婚するまで郊外に住んだことがなかったそう。
「住んでみたらとても便利だし、子育てもしやすい。郊外の団地、最高です(笑)」と妻。団地暮らしを気に入っている様子です。

設計/スタジオCY(サイ)/堀内 雪
撮影/水谷綾子
※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は「リライフプラスvol.29」取材時のものです。

木村草太

木村草太さん/1980年、神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業。首都大学東京教授(憲法学専攻)。
『自衛隊と憲法』『子どもの人権をまもるために』(ともに晶文社)など著書多数。

※情報は「リライフプラスVol.29」取材時のものです

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