不動産

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あなたに相性のいいマンションは「小規模 or 大規模」?

マンションを購入するとしたら、どんなタイプを選びますか?
「マンション」とひと口にいっても、低層の世帯数が少ないマンションと世帯数の多い高層マンションでは、生活環境をはじめ、大きな違いがあるもの。

宅地建物取引士であり不動産取引に長年携わってきた吉井希宥美さんから、どんなマンションを選ぶとよいかを、アドバイスしてもらいましょう。今回はとくに「マンション規模」という視点から教えてもらいます。

1.マンションには大きく分けて4つのタイプがある

マンション群

※写真はイメージです

大まかにマンションを分類すると、以下の4つのタイプに分けられます。

  1. 再開発地に多い高層型タワーマンション
  2. 好条件立地に多い小中規模型マンション
  3. 住宅街などに多い低層型マンション
  4. 郊外に多い多棟型複合マンション

高層型タワーマンションと多棟型複合マンションは「大規模マンション」といわれ、小中規模型マンションと低層型マンションは「小規模マンション」といわれることが多いようです。

1-1 高層型タワーマンションの特徴

高層型タワーマンションは、東京・大阪・名古屋・福岡などの再開発エリアに多く建てられています。
20階建て以上のマンションが多く、世帯数は1棟で100世帯を超える物件も珍しくありません。

多額の管理費が集まる分、共用部分が充実しています。なかには、スポーツジムやレストランなどが入っているところも。

間取りは1LDK~4LDKといったようにバリエーションが豊富で、入居者層もさまざま。
ファミリー世帯、シングル世帯、シニア世帯などが混在していることが多く、幅広い年齢層の居住者がいます。

駅前

haku / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

1-2 小中規模型マンションの特徴

都心部にも地方都市にも存在し、建物制限が緩和されている駅周辺に多くみられるのが、この規模のマンションです。
20世帯から50世帯くらいの規模がこの部類に属します。

利便性がよいため人気がありますが、広い敷地を確保するのは難しいのでワンフロアの世帯数はそれほど多くない傾向に。
そのため、全体の部屋数に対する角部屋の割合が高くなります。

土地が少なく、駐車場を十分に確保できないという問題をはらんでいることも。

1-3 低層型マンションの特徴

このタイプのマンションは、建物の高さ制限があるエリアに多くあります。
3階建てや4階建てで、世帯数は20~30世帯と少なめです。

住宅街などに建設可能なので、公園や学校などが近くにあるケースが多く、子育て世帯に人気があります。
世帯数が少ないので、管理組合の運営がしやすく、突発的な管理費や積立金の増額などが少ないといわれています。

1-4 多棟型複合マンションの特徴

多棟型複合マンションとは、50世帯から100世帯ほどが入居できる、違ったタイプのマンションが複数棟建てられているマンション群を指します。
すべての棟の世帯数を合計すると1,000世帯以上になる場合も少なくありません。

敷地内に公園、病院や託児所などが併設される場合も多く、ひとつの街のようになっています。

2.どんなマンションを選ぶべき?

マンションに、なにを求めるか? その優先順位によって、どのマンション規模を選ぶとよいかが決まります。

スポーツジム

IYO / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

2-1 ハイグレードな共用施設を望むなら、大規模マンションが有利

大規模マンションの場合、「マンション内にスポーツジムやプールがある」「24時間常駐のフロントや警備員がいる」など、共用部分が充実しているケースが多く見られます。

ハイグレードな共用設備がたくさんあるということは、設備の維持費がかかるということ。
これをまかなうにあたって、住人の数が多い大規模マンションは有利といえます。

一方、50世帯以下になると、建設費の回収だけで共用部をつくるほどの資金がないので、大規模マンションほど共用施設が充実しない場合がほとんどです。
もしも、小規模マンションなのに共用設備が充実している物件があったなら、1世帯当たりの販売単価が高い、つまり、管理費が割高ということになります。

低層マンション

Renoir / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

2-2 管理やセキュリティを気にするなら、大規模 or 小規模?

建物に劣化が起こり、補修の必要性が発生した場合、大規模マンションよりも小規模マンションのほうが補修の対応がしやすくなります。

では、セキュリティに関してはどうでしょう。
大規模マンションは、「24時間対応のフロントがある」「管理人や警備員が常駐している」という場合が多いものの、じつは一概に、セキュリティ対策が万全とは言い切れません。
居住者の人数が多いので、見たことのない人がマンション内にいても、不審に思われにくいのです。

一方、比較的居住者の少ない小規模マンションなら、知らない人がいれば違和感が生じます。住人も管理人も警戒しやすい環境といえるでしょう。

3.まとめ

マンションの案内

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

大規模マンションは1LDK~4LDKなど間取りの選択肢が多く、共用の施設が充実し、敷地内に公園、病院、託児所などある物件が多いのがメリットです。
月の管理費が、中小規模マンションに比べて割安な傾向にあります。

しかし、建物が大きいため、安易に改修やメンテナンスをすることができないうえ、敷地が広く死角ができやすいというデメリットが。

中小規模マンションは、駅が近い、角部屋が作りやすい、世帯数が少ないので管理組合の運営が大規模マンションに比べて円滑にできる、居住者同士のコミュニティがつくりやすいなどの有利な点があります。

一方で、敷地内の駐車場確保が難しい、世帯数が少ないので月々の管理費負担が大きく、一部の人が管理費や修繕積立金を滞納すると、その負担が全体に及びやすいなどのリスクがあります。

これらの特徴を把握したうえで、自分にぴったりのマンション選びを行いましょう。

宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー(AFP)/家族信託コーディネーター®吉井希宥美

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