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鶴間 正二郎鶴間 正二郎

ダメ穴、地下ピット…マンションの工事現場で使われる用語を解説

ビルやマンションの工事現場を目撃することは多いと思いますが、高いフェンスで遮られているため、中でどんなことが行われているか見たことのある人はほとんどいないのではないかと思います。

工事現場では独特の用語が使われていたり、独特の呼び方をするいくつもの職人集団があります。

今回はマンションをはじめとした鉄筋コンクリート造の建物がどのようにつくられるのか、用語を解説しながらできるだけわかりやすく説明してみます。

「地下ピット」は何のためにある?

建築物の工事は当然ながら基礎部分から始まります。

杭と地下ピット
マンションのような巨大な建物を建てる際には建物と地面とをしっかりと結び付けなければなりません。

浅いところに硬い地盤がある場合には建物を岩盤に直接据え付けることが可能ですが(これを「直接基礎」もしくは「べた基礎」と呼びます)、そうでない場合は硬い地盤まで杭を打たなければなりません。(これを「杭基礎」と呼びます)

杭と地下ピット
基礎工事が完了すると次は地下部分の工事となります。

マンションの地下には配管を通すための地下ピットという空間があり、同時に修理・交換・点検といった際の作業スペースとなっています。

あくまで配管のための設備ですが、地下にこのような空間があることで、地面の湿気が1階住戸に侵入することを防ぐという効果もあり、かつてのように「1階住戸は湿っぽい」ということは最近ではなくなっています。

「鉄筋屋さん」「大工さん」「解体屋さん」の役割とは

ごくごく大雑把に言うと、マンション工事においては同じ作業をフロアの数だけ繰り返すことで建物が出来上がっていきます。

鉄筋
まず現場で「鉄筋屋さん」と呼ばれるグループが鉄筋を組みます。

鉄筋
次いで「大工さん」と呼ばれるグループが型枠を建て込みます。

鉄筋
鉄筋を錆から守るためには一定以上のコンクリートの厚み(「かぶり厚」と呼びます)が確保されていることが大切で、そのため型枠の設置に際しては鉄筋にスペーサーを取り付けるのが通常です。

鉄筋
コンクリートを流し込む際には重みで型枠が壊れないように支柱(「サポート」と呼びます)で厳重に補強します。

一定期間が経過してコンクリートが固まれば「解体屋さん」がサポートと型枠を取り外してワンフロア分の躯体が完成し、今度はその上部で鉄筋を組みます。

「圧接」ってどんな仕事?

鉄筋
工事が上層階に進むごとに縦方向の鉄筋を伸ばしていかなければなりませんが、ここで活躍するのがスペシャリスト集団の「圧接屋さん」です。

鉄筋
専門の器具を使用して鉄筋の先端部分に別の鉄筋を取り付け、2本の鉄筋が真っ赤になるまでガスバーナーで熱したうえで圧力をかけて両者を密着させます。

鉄筋
圧接した鉄筋は一定数をサンプリングして法的試験機関で試験機にかけ、切断するまで引っ張ります。

この際、鉄筋が膨らんだ圧接部分で切れれば不合格で、通常の太さの部分が切れれば合格となります。

「ダメ穴」には重要な意味がある

建設中のマンションでは天井(床下)部分にわざと穴をあけていることがよくありますが、これは「ダメ穴」と呼ばれるものです。

「何で床に穴が開いているのか?危ないじゃないか!」と駆け出しのころの筆者は思っていましたが、実はこの穴には重要な意味があったのです。

マンションでは縦方向の住戸は全く同じ間取りという場合が多く、その場合に下の階で使用した型枠やパイプ、サポートといった資材はそのまま上の階で再利用可能です。そこでこのダメ穴を通して下の階から上の階へ資材を搬入するのです。

資材を通すためにはあらかじめダメ穴の鉄筋を切って曲げておく必要があり、上層階への搬入が終われば今度は曲げた鉄筋を伸ばして溶接します。

最終的には板で蓋をしてコンクリートを流し込み、穴を完全に塞いでしまいます。

なぜ「ダメ穴」という名前になったかについては諸説あるそうです。

工事現場は安全第一かつ周辺への配慮がマスト

工事現場

y.u-stable / PIXTA(ピクスタ)

工事現場のルールは会社によっても違いますが、ヘルメットと安全靴を着用していなければ入場禁止というのはどこも同じだと思います。

出退勤時や休憩時間中は大目に見てくれるものですが、会社によっては最後にゲートを通過するまでヘルメットをかぶっていなければ監督から注意されるという場合もあります。

工事現場では突起物が多く、裂傷事故を防ぐため真夏であっても半袖禁止です。

当然のことながら工事現場では作業員の安全が第一ですが、それと同じくらい周辺住民に迷惑をかけないように注意しています。

近隣にビルやマンションの建設現場があるという方も多いと思いますが、なるべく寛大な目で見守って欲しいものです。

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