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築古マンション、まさかの「もう一度水を流す」!?で漏水箇所を特定

今まで大家業をしてきたなかで一番辛かった仕事は、「漏水トラブル」。

水漏れ自体は「築古マンションあるある」な話ですが、いざ自分が大家として経験してみるとすごく大変な実務だったのです。
ここからは数回にわたり、「水漏れトラブル」について紹介します。

前回は、うちのマンションで発生した水漏れトラブルについて、「大家が無許可で入居者の部屋に入ってもいいのか?」という話。
今回は、引き続き、水漏れ被害にあったお宅を、業者さんと一緒に現場で原因を究明するまでを紹介します。

天井裏をのぞくも水の出元は特定できず…

漏水被害に遭ったお部屋とその上の階の部屋の両方に立ち入る許可が取れたので、早速業者さんと一緒に現場を見みることになりました。

まずは、被害に遭った部屋を確認。

水漏れ壁

壁にはところどころ天井から流れた水の跡が残っています。
天井に設置されたダウンライトが漏水のせいで点灯しなくなったり、入居者さんがお持ちの家具が濡れてしまったり、けっこうな被害でした。

パッと見では、天井のどのあたりから水が出たかはわかりません。

「漏水の場所を突き止めるのって難しいんですよ」

とは業者さんの言葉。

でも、真上の部屋なのはまちがいないですよね?

「いや、柱を伝って流れることもあったりするので、必ずしも真上とも限らないんです」

そうなんだ…で、どうします?

「まずは、天井裏を見てみるしかないですね」

しかし、この部屋には天井をのぞくための点検口はありません。

入居者さんにも断わったうえで、キッチンの天井に点検口を設置します。

点検口

これだけでも一苦労です。

点検口

そこから覗いたところ、天井裏があちこち濡れていることは確認できたものの、残念ながら漏水の出元がどこか特定することはできませんでした。

漏水箇所は真上の部屋のお風呂場だと判明?

次に、漏水元と思われる真上の部屋に向かいました。

こちらの入居者さんは、僕がマンションを引き継ぐよりも前からお住まいになられていますから、部屋の中を見るのもこれが初めてです。
設備もかなり古い部屋で、全体的に汚れも目立つ印象でした。

業者さんも「これくらい古いと(漏水があっても)おかしくないですね」と言っていました。

怪しいとにらんだのはお風呂です。

ドアの状態からして、かなり劣化しています。

点検口劣化

ドアの下の部分が水でベコベコに歪んでしまっています。
この部屋に設置されているのはタイル貼りのいわゆる在来のお風呂。

さすがにバランス釜は撤去されて新しい浴槽に取り換えられていたものの、内装はこのマンションが建てられたときのままです。

古いタイルの目地は汚れが目につきます。

「あー、たぶん、ここですね」

業者さんが目をつけたのは、ドア枠のすぐ下側に設置された水よけの部分。

触れるとグラグラします。

お風呂場劣化

見づらくて申し訳ありませんが、劣化がひどいことはおわかりかと思います。
この水よけの付け根から水が下に漏れ出たということのようです。

じゃあ、ここを直せば、いいんですかね?

「たぶん、そうだと思いますが、絶対とは…」

漏水元の特定手段は「もう一度水を流す」?

ここに原因があると信じて補修工事に進むか、漏水元を特定するためにさらなる原因究明をおこなうか、という選択です。
難しい判断を迫られることになりました。

水漏れ

Tomoka / PIXTA(ピクスタ)

「ここからピンポイントで水を流してみて、もう一度下に漏れ出れば、間違いないです」

業者さんからの提案には、さすがに動揺しました。
さらに被害に上塗りをすることになるわけですから。
でも、最悪なのは原因を特定できないまま、漏水が再発してしまうこと。

動揺しましたが、やるしかないと判断しました。

下の階の入居者さんに相談したところ、OKがもらえました。

ほんと、協力的な入居者さんでよかったです…。

万全の準備をして、上の階のお風呂から漏水元らしき箇所に僕が水をかけます。
下の部屋では業者さんが天井裏をのぞいてスタンバイ。

ほどなくして、携帯で「水が出ました」との連絡が。
やはり、原因は風呂のドアの水よけ部分だったようです。

業者さんの話では「ここにシャワーがかかった程度では漏水することはないでしょう」とのこと。

おそらく、浴槽の水をあふれさせたかして、行き場を失った水がここから下に漏れ出たのでしょう。
ひとまず原因がわかってホッとしました。

築古マンションは排水管の老朽化に注意

あとで知ったのですが、うちのマンションでは過去にも二度ほど漏水が起こっていました。

その原因はいずれもお風呂。

漏水が起きた際の現場写真が資料のなかに残っていました。

水漏れ

ちょっとした水漏れに見えますが、漏水は漏水。水を吸った木材が膨張し、ひび割れているのがわかります。
このときは、ユニットバスの天井の上を確認してすぐ原因が特定できたそうです。

水漏れ

矢印の部分の水道管は、真上の階のお風呂の排水管。この損傷が漏水の原因でした。
古い配管の故障は、築古マンションではしばしば起こります。

リフォームの際に給水管を新しくすることは多いですが、排水管はそのまま使用することも多いとか。
特に要注意なのが古い鉄管で、現在普及している塩ビの水道管にくらべ、経年劣化によるサビや腐食で水漏れが起こりやすくなります。

ちなみに、このときの補修代金は「87,000円」だったという記録が残っています。

請求書

手書きの見積もり書が時代を感じさせます。この額が高いか安いかは、あまり問題ではないと思います。

こういうトラブルは値段よりも、いかに素早く対応できるかが大事ですから。

しかし、迅速に補修工事をおこなうには入居者さんのご協力が不可欠。
次回は、漏水の原因となったお風呂の補修工事をすべく日程調整に悪戦苦闘します。

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