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家族信託が親なき後の問題や認知症対策に有効な理由とは?

「家族信託」をご存知でしょうか。これは、財産管理のための方法の1つで、おもに、相続対策を考える人が利用しています。

近頃テレビなどのマスコミでもとりあげられています。

資産を持つ人が、目的に従って、その保有する不動産・預貯金等の資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せることです。

1.信託ってなんだろう

「家族信託」以外にも「信託」という言葉は、金融商品などをはじめ、ほかの場面でも使われています。では、信託とは何なのでしょうか。

信託

CORA / PIXTA(ピクスタ)

1-1 信託の定義

信託とは、簡単に言うと「自分の財産を信頼できる人に任せること。かつ、管理や運用は、自分が決めた方針や目的に沿って行ってもらうこと」です。

信託には、3つの立場の人(または機関や法人)が関わってきます。

  • 何かを他人に依頼する人=委託者
  • 何かを依頼される人=受託者
  • 委託者と受託者の間で結ばれた契約により利益を受ける人=受益者です。

1-2 信託の種類

信託には以下のような種類があります。

【個人のための信託】

  • 教育資金贈与信託
  • 結婚・子育て支援信託
  • 遺言代用信託
  • 後継ぎ遺贈型の受益者連続信託
  • 生命保険信託
  • 遺言信託
  • 金銭信託
  • 投資信託
  • 年金信託
  • 財産形成信託
  • 不動産の信託
  • 不動産業務 など

【法人のための信託】

  • 顧客分別金信託
  • 証券代行業務
  • 担保権の信託(セキュリティトラスト)
  • 信託型ライツプラン
  • 株式交付信託
  • 資産流動化の信託
  • 特定金銭信託/ファンドトラスト など

【公益福祉のための信託】

  • 公益信託
  • 特定贈与信託
  • 後見制度支援信託
  • 特定寄附信託 など

2.家族信託とは

家族信託とは「個人のための信託」です。

冒頭にも述べたように、資産を所有する委託者が受託者に財産の所有権を移転(=信託)し、受託者は信託による利益を受ける受益者のために、財産の管理や処分を行います。

信託

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2-1 委託者=受託者でもOK

たとえば、賃貸アパートを親が所有していた委託者が長男を受託者にして、家賃を孫がもらえるようにする、といった具合です。

同一人物が委託者と受益者を兼ねることもできるため、家賃を委託者である親が受け取ることも可能です。

家族信託は、信託銀行や信託会社が営業として行う「商事信託」と区別する意味での「民事信託」に属し、さらにその中でも家族を受託者にする信託のことを指します。

信託契約は、契約は口約束でも成立しますが、一般的には書面で契約を交わすことが多いです。

3.どんな時に使うのか

家族信託は、以下のような不安を抱えている人に、とくにおすすめします。

アパート経営

Hiroko / PIXTA(ピクスタ)

3-1 認知症対策

  • 自分が認知症になると、不動産の管理や補修・売却などができなくなるが、生前贈与を行うには費用がかかり困っている人
  • 高齢である親が収益物件を管理しているが、大変になってきたので、自分が代わりに管理を行いたいと考えている人

3-2 事業承継対策

  • 前妻や前夫の連れ子がいる、内縁の配偶者がいる、行方不明者がいるなどで、遺産分割協議が難航すると予想される人
  • 特定の人に自分の財産を相続させたい、あるいはさせたくないと思っている人

3-3 親なき後問題対策

  • 自分が亡くなった後、何かしらの障害を持つ子どもの生活が心配な人
  • 自分がしっかりしているうちに、子どもの将来の生活を保障したい人

4.まとめ

信託

artswai / PIXTA(ピクスタ)

「家族信託」は家族・親族に管理を託すので、高額な報酬は発生しません。そのため、気軽に利用できる仕組みです。

ここでは、信託の基本的な考え方とどんな人が利用したらメリットが多くなるかを紹介しました。

メリット・デメリットについては別の機会にまた紹介します。

ファイナンシャルプランナー(AFP)/宅地建物取引士/一般社団法人 家族信託普及協会®会員 吉井希宥美

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