トラブル

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大家都合で入居者に転居をお願いするときのポイントって?

築古の宿命か、古い浴室から階下への水漏れトラブルが発生したわがマンション。
なんとか応急処置的な防水工事をして危機を乗り切ったものの、あくまで「応急処置」なのが気になっていました。

そこで、本格的な防水補修工事を行うために入居者さんに転居をお願いしようと決めました。
今回は、大家さんの都合で転居をお願いする場合のポイントをまとめてみたいと思います。

別室が空室になり、マンション内での転居を思いつく

以前の「築古マンション、まさかの「もう一度水を流す」!?で漏水箇所を特定」でも書きましたが、お風呂全体の防水補修工事には3~4日を要します。

水道トラブル

happyphoto / PIXTA(ピクスタ)

洗面などと異なり、お風呂が使えなくなるのは入居者さんの生活には致命的。

1日お風呂を我慢してもらうだけでも交渉に苦労するくらいですから、入居者さんが住んでいる状態での工事は至難の業だと思われます。

どうしようか考えあぐねていたある日、別の部屋の入居者さんから3月に退去したいという連絡がありました。
ようやく漏水トラブルが解決したと思ったら、今度は空室か…。

弱り目に祟り目と思ったのですが、ふとひらめきました。

漏水元の部屋の入居者さんに空室に移ってもらえば、お風呂の工事もできるのでは?
もちろんマンション内でも引っ越しは引っ越しですから、それなりの手間はかかります。

そのへんも含めて入居者さんに納得してもらえることが課題ですね。

大家都合の転居は入居者さんの希望を飲むのが前提

うちのマンションは自主管理ですが、賃貸契約に関しては祖父の代からお世話になっている不動産会社さんにお任せしています。

退居

もとくん / PIXTA(ピクスタ)

早速相談してみたところ、担当のAさんから言われたのは、同じマンション内での引っ越しとはいえ、形としてはいったん「マンションからの退去をお願いすることになる」ということ。

「入居者さんの出す条件を飲まなければ実現しないですよ」とアドバイスされました。

一般的な賃貸マンションの契約においては、入居者さんは大家にくらべて圧倒的に強い権利を有します。

大家の都合で引っ越しをお願いするとなると、入居者さんの希望(要求)を受け入れるのは必須と言えましょう。

よく聞くのが、老朽化や相続による建て替えに伴う転居のケースです。

倒壊寸前の状態ならともかく、まだまだ住める状態で建て替える場合、大家の一存で入居者さんを追い出すことはできません。

足下を見られて無茶な要求を飲まされた大家さんの例も

とある知り合いの大家さんのケースをお話ししましょう。

家

togapooh / PIXTA(ピクスタ)

アパートを所有する祖父が入院し、生きているあいだに相続対策として建て替えをおこなおうと決めたのですが、これはあくまでオーナー都合の話。

入居者さんたちと交渉して退去をお願いしたのですが、一室だけ転居を拒んで厳しい条件を突きつけてくる入居者がいました。

どうしても引っ越してほしければ、「引っ越し代金と新しいマンションの敷金と礼金、家賃半年分を負担してくれ」と要求してきたというのです。

一日でも早く退去してもらいたいという大家の足下を見た過酷な要求ですが、大家さんは泣く泣く要求された全額を払ったと言っていました。
人の良い入居者さんは安い金額で退去し、弱みにつけ込む入居者はゴネ得する――悲しいですが、これが賃貸マンションの現実です…。

家賃そのままでグレードの高い部屋への引っ越しを提案

こんな話を知っていましたから、うちの場合も覚悟してのぞまねばなりません。

空室

りつ。 / PIXTA(ピクスタ)

不動産屋さんから伝えられたポイントは以下のとおり。

(1)「退去に伴うクリーニング料などは一切請求できない」
(2)「引っ越しにかかる経費も大家が払う」
(3)「転居先の部屋の賃貸条件については入居者さんとの交渉次第」

まず(1)についてはどのみちフルリフォームするので問題ないですし、(2)も同じマンション内の転居ですので引っ越し代金も安いですからOKです。

問題は(3)で、こちらの都合で引っ越しをお願いするのですから、入居者さんサイドにもメリットがないと乗り気にはならないのは当然。

実は、転居先としてすすめる部屋は、漏水が発生した部屋にくらべると設備がかなり新しい状態なのです。

お風呂もユニットバスに交換済みですし、洗濯機も室内置きです。

本来なら家賃も1~1.5万くらいはアップするところですが、その差額は要求しません。

「今までと同じ家賃で現在よりもかなり良い環境に移れる」という条件で入居者さんに納得していただこうというわけ。

ただ、足下を見られてはきりがありません。

これ以上の要求があった場合は基本的に受け入れないことにしました。

入居者さんの反応は好感触!無事に転居が決まったけど…

ここまで決めれば、あとは不動産会社さんに任せるだけ。
入居者さんには不動産会社のAさんと一緒に転居先の部屋を見に行ってもらいました。

いつもなら僕も一緒に案内するところなのですが、漏水トラブルでいろいろ迷惑をかけた経緯もあり、不動産屋さんが単独で案内するほうがよいということになりました。

「断られたり、無茶な要求をされたりしたらどうしよう……」

気をもんで待っていたのですが、Aさんからは朗報が届きました。
入居者さんの反応は非常に良く「家賃がそのままならぜひ引っ越したい」とのこと。

ユニットバス

PHOTO NAOKI / PIXTA(ピクスタ)

決め手はやはり「お風呂がユニットバス」で「洗濯機置場が室内」という2点だったそうです。

こちらの読みどおりに納得していただけて本当によかったです。

しかし、これで一件落着とはいきませんでした。
Aさんが入居者さんとの会話から思わぬ情報を聞き出したのです。
そのおかげで、うちのマンションはさらなる工事を迫られることになるのですが、それはまた次回に。

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