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親子リレーローンの仕組みと注意点、どんなケースで利用すべき?

住宅ローンの商品に「親子リレーローン」というものがあります。

これは、親子で協力して返済していくもので、単独では住宅ローンの返済が厳しい、高齢でローンが組みにくいといった悩みが解消できます。
ここでは、親子リレーローンについて、メリットとデメリットに分けて、その特徴を紹介します。

1.親子リレーローンってなに?

親子リレーローンは、親子などの親族と同居する住居の住宅ローンを組み、2世代に渡り返済していく制度です。

新築物件の購入だけでなく、借り換え、住み替え、リフォームなどの際にも利用可能です。この融資は、中高年の親と成人した子が利用するケースが多いです。

通帳

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

1-1 親子リレーローンの内容は

借入当初は親がローンの返済をし、親が定年退職する、高齢になるなどをきっかけに、子が返済を引き継ぎます。

返済は子が80歳になるまでに完了させます。親子リレーローンの条件や審査内容は、金融機関によって異なりますが、おもに以下のことが要件となります。

  • 直系の親族(親子、祖父と孫など)とその配偶者である
  • 子が同居している、または、その予定がある
  • 子の年齢は20歳以上で、完済時に80歳未満である
  • 親子ともに継続的な収入がある、また、それぞれがローン審査で問題が無い

1-2 親子ペアローンと親子リレーローンとは別の商品

親子で組むことができるローンで「親子ペアローン」という制度がありますが、親子リレーローンとは別の商品です。

こちらは親子が同時にローンを返済していくタイプです。2人の収入の合計を原資にでき、融資可能額を引き上げることができます。

2.親子リレーローンのメリットとデメリット

次に親子リレーローンのメリットとデメリットを紹介します。自分のケースに合っているかどうかチェックをしてください。

証書

Komaer / PIXTA(ピクスタ)

2-1 親子リレーローンのメリット

親子の年収を合算した金額を借入れ時の資力として計算されます。

すべてのケースにおいて、収入を全額合算されるとは限りませんが、親子どちらかの収入では、融資希望金額の全額融資が不可能であっても、親子リレーローンでは全額融資が受けられる可能性が出てきます。

つまり、単独では住宅ローンの審査に通らなかった案件が、ペアローンにすれば融資を受けられる可能性が高いということです。

また、借入期間を長くできるのもメリットです。住宅ローンは80歳で返済を終えることが条件になっていることが多いので、住宅ローンの借入者が高齢の場合は長期のローンを組むことが不可能となります。

親子リレーローンを利用することで、この問題が解決できます。

建設中

ABC / PIXTA(ピクスタ)

親子リレーローンを利用した場合でも、親と子の両方とも住宅ローン控除の適用を受けられます。

子の返済が始まっていない段階から親子ともに控除を受けられるのです。
このとき控除の対象となるローン残高は、負担割合に応じて子に割り当てられますので、その額を控除することになります。

親子リレーローンを利用する際は、返済負担割合と自己資金割合、共有の持分割合を同じにしておくことをお勧めします。
返済負担割合と共有の持分割合が異なると、どちらか一方へ贈与していると見なされることがあります。

また、親子の返済額負担割合の算出は複雑な計算が必要になりますが、これらを同じにすれば、複雑な計算をしなくて済みます。

2-2 親子リレーローンのデメリット

仏壇

HiroS_photo / PIXTA(ピクスタ)

一般的に住宅ローンを組む際、団体信用生命保険(団信)に加入します。
団信とは、債務者がローン返済途中に死亡した場合、残債を保険金で返済し、遺族に債務が残らないようにする制度です。

親子リレーローンで団信に加入するのは、最後まで返済に責任を持つ子であるケースが多いので、親が完済前に亡くなったときには団信による債務返済は行われないので、子は返済を続けなくてはなりません。

また親子リレーローンでは、親子の両方が住宅ローンの債務者となりますので、子どもはローンを完済するまで、新たな住宅ローンを組むことができないのも、親子リレーローンのデメリットでしょう。

また、親子リレーローンを組んでいると、相続の際トラブルになりやすくなります。
このローンを組んで購入した住居は、親と子の共有名義になることが大半です。

親が亡くなった場合は、親の持ち分だけ相続になりますが、共有名義になっている子に兄弟がいる場合は、法定相続により兄弟にもその住宅の持ち分が発生しますので、売却時に同意が必要になるなど手続きが面倒になります。

3.まとめ

親子リレーローンは、相続問題に発展しやすい、親が亡くなったときに、団信が使えないなどのデメリットがありますが、長期にローンを組みたいのに、高齢のため長期の融資が組めない時に有効な、長寿社会の現在のニーズに合ったものです。

高齢化社会

よっし / PIXTA(ピクスタ)

団信の代わりに掛け捨ての生命保険を親名義で加入する、セカンドハウスローンの利用で子が住宅ローンを新たに組めないデメリットをカバーするなど工夫を行い、親子リレーローンを自分たちのライフスタイルの味方につけましょう。

ファイナンシャルプランナー(AFP)/宅地建物取引士/一般社団法人 家族信託普及協会®会員 吉井希宥美

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