子育て・教育

笹倉 奈緒美笹倉 奈緒美

教育虐待が原因で離婚も。経験者に聞く、子どもを追い詰める負の連鎖

最近、新聞やテレビなどの報道で「教育虐待」が取り上げられ、特に中学受験をする子供の話として、注目を集めています。

しかし、どの年齢の子供にも起きる可能性があるとも言われています。

筆者も子供を中学受験させた経験者ですが、「教育虐待をしていたかも」という方の話を元に「教育虐待」について考えてみました。

教育虐待って一体どういうこと?

勉強

makaron* / PIXTA(ピクスタ)

最近は中学受験が盛んで「塾以外で過度に両親のいずれかが勉強を押し付ける」現象が起きています。

これが「教育虐待」になりやすいとも言われています。

リビング学習

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

また、中学受験に関する本も多く出版されていて、中でも「親の力が9割」という内容の本が多く出ていますが、「親がリードしなければ、子供の将来はダメになる」と誤解してしまう親もいるのでしょう。

今回、ご近所に住んでいた方で「中学受験」がらみで離婚にまで発展した母親と連絡を取ることができ、実際にあった「教育虐待」について話を聞きました。

教育虐待は母親がしてしまうケースもある

在宅ワーク

NOV / PIXTA(ピクスタ)

夫婦共働きで母親はウェブデザイナーとして在宅で仕事をしていて、父親は会社員というご家庭でした。

近くに引越したのを機に仲良くさせていただいたのですが、子供3人全員を将来中学受験させるという方針のご家庭で、お付き合いに少し困りました。

スイミング

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

子供3人が全員とも幼稚園年長時から地元の小さな塾に通い、スイミングや習字、体操、空手と塾以外にもたくさんの習い事をしていました。

筆者の子供とスイミングスクールが一緒で同じ時間帯に授業があり、しきりに「中学受験」について話をしてくるので、少し距離をおいた時期もあります。

その家庭で起きた教育虐待の連鎖

ドリル

あんみつ姫 / PIXTA(ピクスタ)

その後、年齢順に有名中学受験専門塾に通わせるようになり、会うたびに「有名校に3人とも通わせる」と話していました。

ひとり目の子は中学受験をしましたが、全て不合格で地元の公立中学に通わせました。

ふたり目の子は、上の子の様子を反面教師にしたのか、母親の目を気にしながらも、塾で上位クラスにいるように勉強をしていました。

しかし、少しでも順位が下がれば、母親が「どうしてできないの!」と怒鳴り、必要以上にドリルをするようにしました。

合格発表

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

ふたり目の子供は、母親も満足する超難関校に合格し、その他の学校にも合格したのですが、母親が一番気に入った学校へ入学しました。

一番下の子で、ついに問題が起きました。ふたり目の子と同じ学校への受験を考えて、中学受験の準備に入りました。

成績は一時よかったものの、成績が落ち始めました。

過度に独自のドリルをさせたり「なぜできないの!」としつこく説教したり勉強を強いるようになりました。

父親が止めても、父親に「私にまかせて!」と怒鳴るようになったといいます。さらに成績が落ちることにもつながったのです。

ついに子供の体に異変が…

病院

OrangeMoon / PIXTA(ピクスタ)

ある日、母親が子供たちを起こしにいくと、一番下の子が激しい腹痛を起こしていて、慌てて病院に連れていきました。

検査の結果、特に異常はなく、医師から「何か学校や習い事でつらそうにしているとかありますか?」と聞かれたそうです。

母親は黙っていましたが、父親から「実は妻が子供に中学受験の勉強をきつくさせていた」と話し、医師から注意を受けることになりました。

親から教育虐待を受けると、場合によっては「助けて!」という心の叫びとして、体の症状として出てくることもあるようです。

医師からは強く「教育で子供を追いつめてどうするの?」とお叱りも受けたとか。

その子供は「塾は嫌い。ママもパパも嫌い。勉強はいや」と泣きながら訴えて、母親は「教育で虐待をしていた」と気づき、父親も止めなかった自分を責め、中学受験をやめる決心をしました。

このことで夫婦間の溝が生まれて離婚されたのですが、「自分の学歴コンプレックスから子供を苦しめた」と話していました。

受験

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

その母親が「こういう傾向の人が教育虐待をしやすいのでは」話してくれました。

1.両親のどちらかに学歴コンプレックスがある
2.父親もしくは母親の卒業校に通わせたいという強い希望がある
3.共働きで金銭的余裕があるので、教育に力を入れたい
4.両親ともに高学歴

すべての家庭に当てはまるとはいいきれませんが、父親が教育虐待をしているケースも多いと教えてくれました。

まとめ

早期教育

maroke / PIXTA(ピクスタ)

最近は早期教育が盛んですが、教育虐待の始まりになっている可能性も少なくありません。

高校や大学への進学後も、教育虐待によって心の傷を負っている子もいるようです。

「子供には苦労させたくない」という考えの家庭は多く、教育方針が厳しい家庭は見かけます。

しかし、ひとつ間違えると、家庭崩壊へ繋がります。

親が歩んだ人生と、子供の歩む人生は違います。

「子供が自分で将来を決めて進む」ということを大切にしながら、子供と接していきたいものです。

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