マンション高層階の住み心地はどう?資産価値も上がる理由
10階以上の高層マンションの場合、人気があるのは低層階や中層階より高層階で、販売価格も高額になります。また、マンション価格は、一般的には階数以外の条件が同じ場合、階数が1階高くなるごとに資産価値が高くなり、売却の時も有利です。
実際、マンション高層階の住み心地はどうなのでしょうか。メリットとデメリットもあわせて解説します。
1.高層マンションの定義
建築基準法では、高さ60メートルを超える建築物に構造耐力上、異なる基準を設けていますが、高層マンションの定義は明確に定められていません。

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消防法や電波法においては、高さ31メートルを超える建築物を「高層建築物」と定義しています。
31メートルを超える建築物は火事になってもはしご車が届かなくなる可能性があり、建築基準法第34条2項で非常用エレベーターの設置が義務付けられています。
また、6階以上のマンションには、原則として地上に出られる直通階段を2つ以上設けることが義務付けられています。
以上のことから、一般的には6階以上の建物が高層マンションと呼ばれることが多いようですが、コストや敷地条件から、10階建て前後のものが多く建てられています。
2.高層マンションのメリットは?
高層マンションのメリットは以下の通りです。

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2-1 日当たりと眺望がよい
都心部はとくに高さのある建物が密集しているので、高層マンションの一番のメリットは日当たりが良いことと言えます。
日照時間が多く、周囲を建物に囲まれていないので風通しも良くなるため、洗濯物が乾きやすくさわやかです。
また、眺望の良さも高層階に住む魅力です。遠くにある緑を眺められる、夜景をじっくり味わうなど、日常に癒しがプラスされます。
2-2 防犯性に優れている
低層マンションの場合、最上階の部屋でも屋上からの侵入の恐れがあり、防犯面においてリスクがまったくないわけではありません。
高層マンションの最上階の場合はそのリスクが軽減されます。
さらに、音の面でも車や雑踏の雑音が部屋に届く可能性はほとんどなくなります。
そのような理由から高層階のほうが低層階と比べるとプライバシー性や防犯性、遮音性に優れているといえます。
また、虫が少ないのもメリットと言えるでしょう。
3.高層階に住むデメリットは?

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高層階の住戸に住むおもなデメリットは以下の通りです。
1-1 災害時等の避難に時間がかかる
高層階は低層階に比べ、日常生活だけでなく、災害時等の避難に時間を要します。
非難する場合、非常用エレベーターが設置されている場合を除いて、階段を降りなくてはなりません。
歩行が困難な高齢者などは、現実的に非難が難しくなります。
大阪市の中心部・中之島地区に誕生する三菱地所レジデンスなどが手がける「ザ・パークハウス 中之島タワー」は日本で初めて、分譲マンションで非常用エレベーターを利用する防災対策を策定したタワーマンション。
55階建て・総戸数894戸のマンションです。今後、非常用エレベーターを設置したマンションがもっと登場するでしょう。
1-2 高層階症候群
「高層階症候群」とは、高い場所に住み続けることでめまいや耳鳴り、不眠などの症状が起こり、健康面で問題が生じることです。
年齢、性別などに関係なく発症するため、すべての人が注意すべき症状です。高層階症候群には気圧や免震構造が関係しているとされています。
低層階との生活環境が大きく変わる場合、環境の変化に体がついていけない場合もあるので、高層階症候群の存在は知っておくべきでしょう。
ほかにも、風で洗濯物が飛ばされやすいなどのデメリットがあります。
4.まとめ

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マンション価格は、一般的には階数以外の条件が同じ場合、階数が1階高くなるごとに1~2%高くなると言われ、資産価値が高く、売却の時も有利です。
将来の住み替え、売却などを予定している人にも資産性の高い高層階はおすすめと言えます。
ただし、リスクも考慮して購入を検討することをおすすめします。