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実家の敷地に子供が家を建てている場合、相続で揉めないために親がやっておくべきこと

財産を相続する際に、遺族間で揉めてしまう場合があります。

子どもの1人が実家の敷地に住宅を建てている場合は特にその可能性が高くなります。

相続で揉めないために、親が元気なうちにやっておくことがあります。

  • 父親:死亡
  • 母親:実家の敷地の土地所有者
  • 子どもA:実家の敷地に自分名義で家を建てた、かつ母親の財産を2分の1ずつ均等に相続する権利を有する
  • 子どもB:母親の財産を2分の1ずつ均等に相続する権利を有する

という場合どんなことをすれば、トラブルを未然に防ぐことができるか考えてみましょう。

1.なぜトラブルが起こるのか

土地

midori / PIXTA(ピクスタ)

両親のうちの片方が亡くなる「一次相続」で、生存している母親が土地を相続する場合は、子ども同士のトラブルは起こりませんが、その後、母親が亡くなったときの「二次相続」で、遺産分割を巡り兄弟姉妹間のトラブルに発展する可能性があります。

Aは母親名義であった土地に家を建てているので、土地を自分名義にしたいと思うのが自然ですが、母親の相続財産が土地しかないとき、法定相続に従うと土地はAとBの共有名義になります。

土地を子どもAとBが共有する形で相続すると、やがて困ったことが起こります。

子どもAにとっては、自分の家が建っている土地を自由にできません。

子どもBにとっても、土地を売却して換金するにはAの承諾が必要ですし、そもそもAの家が建っている土地に買い手は現れないでしょう。

Bにとって固定資産税がかかるだけの不要な財産となってしまいます。

2.トラブル回避のための予防策は

話し合い

horiphoto / PIXTA(ピクスタ)

トラブル回避のためには、母親が元気なうちに行動を起こす必要があります。

親が亡くなったとき、兄弟姉妹間のトラブルがなく、円滑に遺産分割が進み、遺族が納得して相続する方法について、生前に親が子どもに提案するのがベストです。

親の意識が足りない場合は子どものほうから働きかけましょう。

2-1  事前に母親から子どもA、Bに意思を伝える

遺言

bee / PIXTA(ピクスタ)

事前の親子間の合意形成をすれば、トラブルを未然に防げます。

母親から、AとBに対して、事前に「家を建てているAに、将来自分の土地を相続させたい」という自分の考えを明確に伝え、互いに納得してもらいましょう。

AとBには母親の財産を均等に相続する権利があるものの、相続時に当事者間で合意できれば、実際にはどのような分け方をしても構わないからです。

しかし、生前の合意には法的拘束力がありません。実際に母親が亡くなった後に、Bが自分の権利を主張しはじめた場合は、トラブルになります。

2-2 子どもBに土地と同じ価値の財産を準備する

AとBには、母親の財産を2分の1ずつ均等に相続する権利があるため、AとBに相続させる財産をあらかじめ特定しておく方法があります。

そのために、母親は生前に遺言を書いておくべきです。

Aに相続させたい土地の価値と同様の財産をBが相続できるように遺言に書いておくのです。

2-3 母親が遺言で子どもBの相続する権利を縮小させる

古い家

テラス / PIXTA(ピクスタ)

Aに相続させたい土地の価値と同等の財産を、Bに準備できない場合でも、母親が遺言を書けば、Aが土地を相続できる権利を取得させることはできます。

しかし、「遺留分」という法律のために権利をまったくなくすことはできません。

この家族構成の場合、Bの遺留分は母親の財産の4分の1となります。

そのため母親が、最低限全財産の4分の1を子どもBに相続させ、土地1,000万円を含めその他の財産をAに相続させる内容の遺言を書けば、土地を確実にAに渡すことができます。

ただし、母親が亡くなったあとのAとBの関係が悪化する可能性があることは否めません。

2-4 どの方法でも話がまとまらない場合は、代償分割を

母親が亡くなった後、AとBが協議をして、代償分割という方法を使えば、Aが土地を相続することが可能です。

代償分割とは、相続人のうちの一人または数人が不動産などの現物の資産を相続し、他の相続人に代償金(または代償財産)を支払うことで遺産を分け合う方法です。

たとえば、1,000万円の土地をAが相続し、あとでAからBに500万円の代償金を支払います。

こうすることで、結果的にはAとBが公平に相続したことになります。

母親が元気なうちに話がまとまらない場合はこの方法を選択するのもよいでしょう。

3.まとめ

家

pixelcat / PIXTA(ピクスタ)

土地を取得するための費用がかからないと、実家の敷地に住宅を建てる人は将来的に兄弟と揉める可能性があります。

親が元気なうちは、土地を親から無償で借りる形になり、問題はありませんが、親が死亡した後にトラブルが起きる可能性があります。

残された子どもたちにわだかまりが残らないように、家族全員で相続について話し合うようにすることをおすすめします。

宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー(AFP)/家族信託コーディネーター 吉井希宥美

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