インテリア好きの皆様ならきっと愛用している「漆器」。
漆器は、木と漆による温かみのあるふくよかさが美しく、経年変化も楽しく、使うたび心が安らぎますよね。
筆者はプレーンな椀を愛用し、たびたび汁物を盛り付けているのですが、先日出合った「鎌倉彫」には目を見張りました。
彫のある漆器というのは、文様が興味深いだけでなく、力強く繊細な手仕事をダイレクトに感じるのです。
しかも、以前から持っていた「鎌倉彫」のイメージが一新されるデザインでした。
そんな魅力的な器が並ぶのが、3月末にビル丸ごとリニューアルしたばかりの「鎌倉彫会館」。
1階には、鎌倉彫カフェ・ショップ・ギャラリー「倶利(guri)」がオープンし、美味しいコーヒーとランチが鎌倉彫で提供されています。
ぜひ新しい漆器を発見しに行ってみてください!
■そもそも「鎌倉彫」とは
桂や桜などの木で作られた器や家具に彫刻刀で文様を彫り、漆が塗られたものが「鎌倉彫」。
鎌倉時代の禅宗寺院に関わる仏師たちの彫刻技術が起源です。
江戸時代以降は、仏具に加え普段使いの雑器や茶道具が多く作られ大衆化し、現在に至っては伝統工芸産業でもあり、新たな表現を探求しています。
木に彫刻をして漆塗りをする木彫彩漆である鎌倉彫は、軽くて丈夫でとっても表情が豊かです!
■カフェとショップで手に取れるモダンな鎌倉彫に注目!
新しくなった鎌倉彫会館の1階には、鎌倉彫カフェ・ショップ・ギャラリー「倶利(guri)」がニューオープン。
鎌倉彫をよく知らない人も訪れたくなるような間口の広さで、気軽さと非日常が合わさった凛とした空間です。
この椅子の脚も漆が施されているとか。ユニークですね!
ただし、段葛が目の前の、鎌倉彫×ガラス足の特別席だけはお席料がかかるそう。
「鎌倉彫をメインにコーヒーやランチができるお店というのは、鎌倉でも初です。」とは「倶利(guri)」のディレクションを担当したフードコーディネーターでもある大瀧さん。
「カフェのために料理はもちろん、鎌倉彫の器たちを考案しました。コーヒーにはguriカップという器(写真上)を、お料理には深めの平皿やお盆(写真下)、というように全て新しいものです。
カフェでの時間を鎌倉彫の日常使いの参考にしていただければ……そして、ゆったりとした時間を店内で楽しんでいただければと思います。」
「職人さんと一緒に『こういう盛り付けをするから形はこう』などと料理に合わせて調整して製作しました。
作る人(鎌倉彫の職人)と使う人(料理をする人)が密接に意見交換して作り上げた鎌倉彫、というのも新しい試みです。」とは代表理事の後藤さん。
カフェ隣のショップでは、カフェで使用されている全ての器が購入でき、また、他にも様々なグッズを販売。
guriカップ(税抜2万8千円)~ほか、おみやげに良さそうな手軽なものも多数並んでいます。
鎌倉のニューアドレス、鎌倉彫会館。
観光、文化、そしてインテリアを楽しんでみてくださいね!
【取材協力】
※ 鎌倉彫会館