インテリア・雑貨

Sumai編集部

オアシスのような東京の花屋/aterier cabane (アトリエ・カバンヌ)

アトリエ・カバンヌ

東京には、オアシスのような花屋がたくさんあります。
なぜ仕事として花屋を選んだのか、日々どんな思いで草花や客と向き合っているのか。

都内でも注目の花屋を作家・エッセイストの大平一枝さんがたずね歩きます。

(取材・文/大平一枝 撮影/佐々木孝憲

フランスの納屋のような不思議空間でドライフラワーを堪能

アトリエ・カバンヌ

以前は居酒屋やビデオ屋だったという建物。トイレもシンクもない箱の状態で借り、友人に設計を頼んでリノベ。壁芯をむき出しにし、できるだけシンプルな内装に

アンティークの扉を開けると、異空間が広がる。古い机、アダンの実。壁や床はもちろん、天井には隅々までドライフラワーの草花が。生花はグリーンや実ものを中心に、野趣あふれる表情で彩りを添える。

カバンヌは店主のフラワーデザイナー・高橋有希さんのアトリエでもある。

「都内の花店2軒に勤務した後、撮影のコーディネートや店舗のディスプレイ、オブジェ制作、ガーデニングなどをフリーで受けていました。最初は仕事場が欲しくて、通りがかりに見つけたこの物件を借りたのです。その後、せっかく通り沿いの1階だし、店にしようかと」

フィリカ

グリーンや実ものが好きだという高橋さんが、好きな花として選んだのはフィリカ。2週間でドライになる。写真は生花。「ドライにすると冬っぽく見えるんですが、生花は夏にも合う。このふわふわした質感にとくに惹かれます」。ドライもふわふわのままだそう

開店当初は、ドライはほとんどなかったらしい。フリーの仕事をしながら、その魅力に気づき、もっと広めたいと考えるようになった。そして10年。
「最初からスタイルをどーんと確立するのは苦手で。やりながらたどりつき、お一人ずつ信頼をいただき、ご紹介で広まっていった、そんな感じなんです」

コサージュ

ドライやビーズで作ったオリジナルのコサージュ。手間がかかるので、注文は要相談になります

かつて、ドライは種類も少なく、花屋で売るものという概念があまりなかった。時間を経て鮮明になる葉脈、種や殻の質感の変化、花の形や色のうつろい。カバンヌが、ドライの美しさを世に広めた役割は大きい。

高橋さんは目標をこう語る。「現状維持プラスワン。なにかしら一歩ずつ前に進めたら嬉しいです」。
どこかドライフラワーにも似たこの気負いのなさもまた、この店の魅力ではあるまいか。

アジサイ

あじさいは採った時季により、ドライの仕上がりが変わるそう。6月のものは水分量が多く、縮みやすい

生のガーランド

ウエディングに使った生のガーランド(天井や壁に飾るアーチ状のディスプレイ)をドライにして、入り口のアクセントに。ドアはThe GLOBEで購入

ドライフラワー

花をここでドライに仕上げ、リースなど新たな創作の素材に

生花

生花。仕入れは好きなグリーンや実ものが中心。イベントなど仕事のオーダーに応じて仕入れるので、生花の品揃えは少なめ

ドライのオブジェ

天井一面に吊るされたドライのオブジェが独特の雰囲気を演出

アトリエ・カバンヌ
adress 東京都目黒区上目黒2-30-7
open 不定休(ご来店の際は事前にご確認ください)
telephone* 03・3760・8120

※情報は「リライフプラスvol.30」取材時のものです

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