インテリア・雑貨

Sumai編集部

オアシスのような東京の花屋/らんや小石川店

らんや小石川店

東京には、オアシスのような花屋がたくさんあります。
なぜ仕事として花屋を選んだのか、日々どんな思いで草花や客と向き合っているのか。

都内でも注目の花屋を作家・エッセイストの大平一枝さんがたずね歩きます。

(取材・文/大平一枝 撮影/佐々木孝憲

万人に好まれる祝い花。人気の秘密は…

胡蝶蘭

1株に数本咲き、「寄せ植え」でこの形に。茎の本数が多いほど高価。需要の9割が白。自然の胡蝶蘭は成長に5年を要します。苗は台湾と日本のリレー栽培だそう

開店祝いや劇場、会社のロビーなどでよく目にするのに、これほど詳細を知られていない花も珍しいのではなかろうか。なぜ祝い事に使われ、なぜ高価なのか。どれくらい持ち、価格の差はなにか。

胡蝶蘭の謎は、らんや小石川店店主の黒臼なつみさんが解いてくれた。

父は34年前に埼玉で胡蝶蘭を生産販売する黒臼洋蘭園を創業。らんやは東京の拠点である。
「胡蝶蘭は種から育てると5年かかります。自社農園では苗から育て、出荷までに半年。湿度、冷暖房の管理、水やり、日照時間の調整、配送にも細心の注意を払い、近隣は専用車で自社配送。価格は輪数、花の大きさ、立ち数(茎数)により3000円から5万円以上のものも」

エレガントリップ

黒臼さんが好きなのは人気品種、エレガントリップ。中央の花弁は唇の形に似ているので「リップ」という。「リップが開いていて、エレガントで、口元がぷりぷりしたかわいい女の子のように見えてくるんです」

花言葉は、「幸福の到来」。優雅で気高い白い大輪は幸福の象徴だ。しかし、そんなに繊細だと家での手入れが大変では。
「あまり手をかけないほうがよく育ちます。2〜3か月花が持ち、頑張れば2度咲きも。何より、自然の胡蝶蘭は種を落としたところから芽吹く、とても生命力の強い花なんですよ」

自社開発の胡蝶蘭

自社で開発した「彩華のワルツシリーズ デュエット」。珍しい螺旋状の仕立てで、右上がりを連想させるおめでたいイメージ

贈答用が主で、店頭では受け取り手の顔を見ることが少ないが黒臼さんは言う。
「贈られた方が『もらった中で一番長持ちしたよ』『大きくてきれいだったから』と、注文に来られます。花たちがうちの看板を背負って営業活動してくれているんだなと思うと、うれしくなります」
たくましくて、実は親思いの頑張り屋、健気な花なのである。

ミニ胡蝶蘭

カフェスペースでは、花を見ながらコーヒーが飲めます。卓上の花はミニ胡蝶蘭のムーラン

ムーラン

水槽で店内の観賞用に育てているもの。ムーランは色も愛らしく、大輪にはない可憐さがあります

配送用の包装

配送には細心の注意を払うそう。専用の和紙で養生し、可能な範囲内は自社便で届けます

ミニ鉢

カジュアルに楽しめるミニ鉢は3000 円〜。また、気軽に楽しんでもらうため、定期的に鉢植えの「胡蝶蘭バイキング」も開催

グレイス

グレイスの直径は10㎝以上。あでやかで見ごたえがあります

鉢植え

らんや小石川店
adress 東京都文京区小石川5-38-12
open 10:00 ~ 18:00(月~金)、10:00 ~ 17:00(土)/カフェ 10:00 ~ 16:30(月~土) 日・祝定休
telephone* 03・3868・2612

※情報は「リライフプラスvol.31」取材時のものです

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