不動産

WriternistaWriternista

掘り出し物はない!? 自分にぴったりの不動産の見つけ方

不動産を探すときは、まず、ポータルサイトを使って物件探しをする人がほとんどでしょう。そのうちに「ネットに掲載されていない物件があるのでは?」「もっとオトクな情報があるのでは?」と考えるようになる方も少なくないようです。

「不動産会社にやってきて『掘り出し物はないですか』と聞いてくる人もいます」と話すのは、宅地建物取引士で不動産会社の現役社員・吉井希宥美さん。

不動産の「掘り出し物」は、果たしてあるのでしょうか。

1.不動産に掘り出し物はほとんどない

オフィス

saki / PIXTA(ピクスタ)

不動産の掘り出し物は、ほとんどないと私は思います。
なぜならば、不動産業界のルールとして、「レインズ」という不動産業者のみが閲覧できるデータベースのサイトがあり、そこに掲載しなくてはいけないというルールがあるからです。

1-1 媒介の種類は3つある

売り主から売却物件を依頼されることを「媒介」といいます。

媒介は3つ種類があります。1つの不動産会社だけに依頼するのが「専任媒介」と「専属専任媒介」。数社の不動産会社に依頼するのが「一般媒介」です。

「専任媒介」と「専属専任媒介」は、一定期間までに必ず掲載しなくてはいけないというルールがあります。そのため、レインズを確認すれば、物件情報が掲載されています(「一定期間」よりも前に成約してしまえば当然募集ページには掲載されません)。
一般媒介については、レインズへの掲載義務はありません。

リビング

Sunrising / PIXTA(ピクスタ)

1-2 一般媒介に掘り出し物はないの?

ここまで読んで、「一般媒介物件はレインズに掲載しなくてもいいならば、その中に掘り出し物があるのではないか」と考える人がいると思います。しかし、これまでの経験から一般媒介に掘り出し物はほとんどないと思います。

その理由は、不動産業界の利益獲得の仕組みが関係しています。
1)不動産会社Aが売り手と買い手をマッチングさせた場合
Aは売り手と買い手、両方から仲介手数料を得られます。業界用語で「両手」といいます。

2) 不動産会社Aが売り手と媒介契約を結び、不動産会社Bが買い手から物件探しを依頼した場合
Bが、Aが売り出している物件を買い手に紹介して契約が成立すれば、売り手が支払う仲介手数料はAが、買い手が支払う仲介手数料はBが獲得します。業界用語でこれを「片手」といいます。

不動産仲介会社の売り上げの大半は、仲介手数料なので、少しでも多くの仲介手数料を得たいため、「両手」で契約したいと思うのが本音です。
ところが、一般媒介だといろいろな不動産会社がA社の立場になれるので、「両手」のチャンスが減ってしまいます。

そのために、不動産会社は、すぐに契約が成立しそうな掘り出し物件を「一般媒介契約」で預かりません。買い手がすぐ見つかりそうなものは「専任媒介」「専属専任媒介」で契約しようとします。

以上のことから、一般媒介契約の物件には掘り出し物の物件は少ないと考えます。そのために、レインズに掘り出し物が掲載されない可能性は少ないと考えられます。

2. 希望の物件を見つけるためにはどうしたらいいの?

説明の様子

Ushico / PIXTA(ピクスタ)

自分が希望する条件にぴったりの物件を見つけるためには、相性のよい不動産会社または、担当者を見つけ出すことだと思います。

それでも自分にとっての掘り出し物が見つからないと思っている人は「悪意のある不動産業者を訪問してしまった」「自分の希望条件を不動産会社の人に理解してもらえない」のどちらかではないでしょうか。

2-1 悪意のある不動産会社の見分け方

「不必要に手付金の支払いを急がせる」「登記費用が異常に高額」などの場合は、悪意をもっている会社かもしれない、と疑ってみる必要があります。

登記を例にとってみましょう。
登記費用の内訳は、おもに
・登記報酬(司法書士に払う手数料)
・税金(登録免許税)
の2つです。税金部分は法律で決まっているのでごまかせませんが、登記報酬は司法書士にある程度裁量が任されます。
この部分があまりにも高額の場合は、司法書士が不動産業者にキックバックをしていることを疑うべきではないでしょうか。

営業マン

Mills / PIXTA(ピクスタ)

2-2 相性のよい営業マンを見つける

掘り出し物を見つける最短ルートは、相性のよい営業マンを見つけることだと私は思います。

買い手の「思い」をきちんとヒアリングしてくれ、共感してくれる営業マンならば、古くても建物の基礎がしっかりしている物件や、周辺環境が良い物件を紹介してくれるでしょう。

買い手のコンシェルジュ的な役割をしてくれる営業マンと物件探しを行えば、ポータルサイトやレインズに掲載されている物件の中から、営業マンが、物件探しを行っている人にとっての「掘り出し物」であるものを紹介してくれるはずです。

また、希望物件が今はなくても、時間が経って、新たに良い物件が売り出された時に声をかけてくれるのではないでしょうか。

3. まとめ

住宅地

よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA(ピクスタ)

近年はインターネットに、売り物件を掲載するのが当たり前になっています。そのために、1つの不動産会社が好物件を、いわゆる「囲い込み」するということは、ほとんどなくなりました。

掘り出し物を見つけるということは、「探し方を工夫すること」に等しくなっています。物件の上手な探し方を身に付けることが掘り出し物を見つける最短ルートといえるでしょう。

宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー(AFP)/家族信託コーディネーター®吉井希宥美

  • B!