体験レポート&リサーチ 連載

Sumai編集部

家好き芸人・アンガールズ田中さん、電気を自給自足するお宅で感動

建築家の新井さん親子とアンガールズ田中さん

家好き芸人・アンガールズ田中卓志さんが、個性豊かな建築家の自邸を突撃取材!田中さんは広島大学工学部第四類建築学部卒業。大学では建築の構造を研究し、得意分野は日本建築だそう。

今回は、エコで地球にやさしい家づくりと暮らしを実践する建築家・新井かおりさんのお宅を訪問しました。

『電気の自給自足』がコンセプトの家

新井さん宅の外観

古くから鋳物の町として知られる埼玉県川口市の30坪の敷地に、夫と2人の子どもの4人家族で暮らす自宅兼事務所を建てた新井かおりさん。「この家は、『電気の自給自足』がコンセプトです」(新井さん)。

屋根には太陽光発電パネルを載せ、できた電気を蓄電池にためて、家族4人の生活をまかなうそうです。

「きっかけは、東日本大震災でした。街中での生活に電気は欠かせないけど、原発に頼らないといけない暮らしって、とても脆弱だと思ったんです。調べてみると、遠くの発電所から運ばれてくるときの送電ロスもある。日々降り注ぐ太陽エネルギーを使わないのはモッタイナイから、普通の住宅地に小さい家を建てて、電気を自給自足することにしたのです」(新井さん)

玄関前の蓄電池のシステムを設置するスペース

新井さんのお宅では、玄関前に蓄電池のシステムを設置するスペースを確保しています。「これは鉛蓄電池なんですが、リチウム蓄電池なら、お高いですがもっとコンパクトです」(新井さん)。

室内に設置されたモニターを見ると、「売電中」の文字が

室内に設置されたモニターを見ると、「売電中」の文字が。この日は天気がよかったので、使用量を発電量が上回っています。

「売電って、いい響きだな(笑)。曇りの日はどうなんですか?」(田中さん)。「例えば、今日は雨だし電気が少ないから洗濯は明日にしようとか。そんなちょっとの工夫で案外、大丈夫なんです」と新井さん。

木の断熱材や紙クロスなど自然素材を採用

玄関を入ると、すぐ左手にある新井さんのアトリエ

玄関を入ると、すぐ左手にあるのが新井さんのアトリエ。テーブルにはこの家にも使用している木の断熱材のサンプルなども置かれていて、ほんのり木の香りが漂っています。

「木の断熱材ってあまり聞かないけど、実際どうなんですか?」と田中さんが聞くと、「まず、自然のものだから人体にやさしい。子どもの健康のためにも、安全性は大事です。それに、空気を通すので家自体が呼吸しますし、廃棄する際には燃やせばエネルギーになる。そんなふうに家づくりはトータルで考えなければいけないと思います」と新井さん。

木の断熱材を持つ田中さん

「ふわふわで、触り心地もやさしいですね」と田中さん。構造には埼玉の県産材を、壁にはルナファーザーという紙のクロスを使用し、手前の壁はシラスを原料とする「中霧島壁」がDIYで施されています。

夏場はお風呂も太陽熱のお湯で十分まかなえる

太陽光発電パネルと太陽熱温水器が設置された屋根

屋根の上には太陽光発電パネルと太陽熱温水器が設置されています。「こんな街中の住宅で、電気やお湯をつくっているなんてなんだかすごい!」と感心する田中さん。

発電に加えて、太陽熱温水器も設置している新井邸。夏場はお風呂も太陽熱のお湯で十分まかなえるので、ガス代もほとんどかからないといいます。

レインシャワーが設置された浴室の天井には青森ヒバを採用

レインシャワーが設置された浴室の天井には青森ヒバを採用しています。

大きな鏡とグレーの洗面ボウルが印象的な洗面室

上部の窓からやわらかな光を取り込む大きな鏡とグレーの洗面ボウルが印象的な洗面室。「狭い空間なので、広く感じられるよう全面鏡にしました。内部は収納になっています」(新井さん)。

太陽熱調理器「エコ作」で沸かしたお湯はおいしかった!

高い天井と南側に設置された広いバルコニーが開放感をもたらす2階LDK

高い天井と南側に設置された広いバルコニーが開放感をもたらす2階LDK。「キッチンやダイニングボードなどはローコストに造作しました」と新井さん。統一感のある、スッキリとしたインテリアが印象的です。

キッチン越しに会話する新井さんと田中さん

ゆったりとしたキッチンのステンレスカウンターは、傷が目立ちにくいバイブレーション仕上げに。

太陽熱を吸収する真空ガラス管でお湯を沸かしたり調理ができる「エコ作」は、新井さんのお気に入り。工夫しながら省エネ生活を楽しんでいます。

太陽熱調理器「エコ作」でつくったお湯と、ガスで沸かしたお湯と飲み比べる田中さん

「ガスで沸かすよりおいしいんですよ」(新井さん)と聞き、太陽熱調理器「エコ作」でつくったお湯と、ガスで沸かしたお湯を飲み比べる田中さん。

「正直、半信半疑だったけど、全然違いました!トゲトゲしていなくて本当にうまい。災害時にもいいと思います」(田中さん)

ロフトをうまく活用して収納と長女の勉強部屋に

階段を挟んでLDKとつながる寝室

階段を挟んでLDKとつながる寝室。「この家は結露がなく、壁が調湿してくれるので、洗濯物が気持ちよく乾くのが自慢(笑)。ロフトの手すりは物干し兼用です」(新井さん)。

寝室からアクセスするロフト

寝室からアクセスするロフト。手前は長女の勉強部屋になっていて、寝室とつながる空間でありながら、適度なこもり感も楽しめます。奥のLDK側は大容量の収納スペース。

遊び心が感じられる家型の小窓から顔を出す田中さんと長女

遊び心が感じられる家型の小窓から顔を出す田中さんと長女。LDKの南側の窓から入った風が、ロフトの北側や東側の窓に抜ける通り道になっています。

バネルを指差す田中さん

「夫は、冬は暖かくて夏は涼しいので、とても快適で大満足、と言っております(笑)」と新井さん。「大成功ですね~。我慢するのではなく、快適でエコなところがいいなと思いました」(田中さん)。

間取図


2階の間取り図

【取材協力】
Atelier Bio(アトリエ ビオ)一級建築士事務所
新井かおりさんは日本大学理工学部建築学科卒業。大手住宅メーカーを経て、 2001年独立。2019年に現事務所名に改称。
撮影/水谷綾子 ヘアメイク/石川真理
※情報は「住まいの設計2019年12月号」取材時のものです。

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