STANDARD TRADE.代表・渡邊謙一郎さん愛用の椅子、見せてもらいました
家具選びに迷った時は、おしゃれな人の選び方を参考にするのもおすすめ。オーダー家具会社STANDARD TRADE.代表の渡邊謙一郎さんに愛用の椅子を見せてもらいました。
渡邊さんは1998年にSTANDARD TRADE.を設立。横浜の本社工場でナラ材を使ったオリジナル家具を製作し、世田谷区の等々力にある玉川Shopと横浜市の山手町にある山手Shopで販売をしています。
愛嬌のある椅子に惹かれる
26歳でSTANDARD TRADE.を設立する直前、デンマークを旅して、椅子をはじめあらゆる家具を撮影して研究したという渡邊さん。
「構造の基本はすべて同じ、という結論を得たあと、写真は破棄しました。だから僕のデザインは余計なものを取り付けてしまわないように欲やコンセプト等からマイナスをしていくことからスタートしたんです」。
22年後のいま、渡邊さんが惹かれるのは「デザインも座り心地もいい椅子より、ちょっと何かが欠けているくらいのほうが愛嬌や色気があっていいなと感じます」。
自由学園明日館の食堂椅子
家具全般の修復を手掛ける自由学園明日館の食堂椅子。かなりコンパクトだが子ども用ではないそう。
「傷んでいたものを研究用に譲り受けました。構造的にも木材の強度確保の面から見ても少し弱いのですが、不思議と魅力があります。椅子って、あまり突き詰めない方が良いのではないでしょうかね」
STANDARD TRADE. CHR-05
自社の定番商品CHR-05の木部を濃いネイビーに塗装した試作品は、自宅でも使用しています。「ほかの2脚と比べるとちゃんとしすぎで、面白みがないかもしれませんね(笑)。もうちょっと使い込んで味を出したいと思っています。
アンティークのダイニングチェア
ベントウッド(曲げ木)のダイニングチェアはイギリスのアンティーク。「一見簡素に見えますが、意外に気を使っているディテールや、色気のあるプロポーションがいいんです」。年に1回程度ワックスで手入れをして大切に使い続けているそう。
椅子選びの参考にしてはいかがでしょうか。
撮影/飯貝拓司
※この記事は「リライフプラスvol.28」掲載時のものです