インテリア・雑貨

Sumai編集部

オアシスのような東京の花屋/鶴仙園(カクセンエン)

外観

東京には、オアシスのような花屋がたくさんあります。
なぜ仕事として花屋を選んだのか、日々どんな思いで草花や客と向き合っているのか。
都内でも注目の花屋を作家・エッセイストの大平一枝さんがたずね歩きます。
(取材・文/大平一枝 撮影/佐々木孝憲

ブームに乗らないタニク・サボテン専門店、老舗の信条

多肉植物

都内でもこれだけハオルチアが揃う店は少ない。1500 〜1万円。「顔」といわれるフォルムやつや、希少性で価格に差が出る

とにかく今、タニクは世界的に大ブームなのである。特にハオルチアと呼ばれるおもに手のひらサイズのタニクが、場合によっては100万円で取引されることもあるらしい。

創業85年、3代目の靍岡秀明さんは、ブームになる約20年前からハオルチアに力を入れていた。代々祖父や父が大事にしてきたサボテン・タニク植物専門店にさらに、自分のカラーを加えたいという発想からだ。

ハオルチア

ハオルチア。タニクの一種。「種ひとつから掛け合わせてオリジナルをつくっていくのが楽しい」と靍岡さん。独特のつや、透明感が魅力。鶴仙園オリジナルの品種もあるそう

これがここ数年、中国、台湾、タイ、ヨーロッパなどでも大人気に。日本人が交配させたタニクやサボテンは世界トップレベルだという。案の定、取材時も、店内に中国人バイヤーと見られる男性が1時間以上、真剣な目で品定めをしていた。

ただ、3代目は意外に冷静だ。「ブームは終わってしまいますから」と笑うが、真意はそこにはない。インテリアの一種として室内で雑貨のように扱われ、正しい知識もないまま日に当てず枯らしてしまうようなブームならば、望んでいないのだ。

靍岡さん

3代目取締役の靍岡秀明さん。海外への仕入れは市場調査も含め年4回と多忙

「光合成ができないと、葉緑素が足りず色が薄くなったり、変形してしまいます。タニクは日にしっかり当てなければ成長しないのです。私たちは自社の栽培場でしっかり育てたものだけをお客さまにバトンタッチする。育て方はお教えするので、しっかり育てていただき、綺麗な形を長く楽しんでいただきたいと願っています」

真っ直ぐなまなざしで熱く語る。西武池袋本店開店以来、屋上で顧客から支持され続けている老舗の秘密が垣間見えた。

亀甲竜

亀甲竜(キッコウリュウ)。亀の甲羅を思わせるかのような姿が魅力。店のシンボルマークにもなっている。「うちの守り神です」(靍岡さん)

兜丸

兜丸(カブトマル)。不動の人気のサボテンで、刺が退化しウニのような姿がユニーク。日本の愛培家により進化し続けている種類

緋牡丹

緋牡丹(ヒボタン)。葉緑素を持たないため、多くはほかの柱状サボテンを台木にし、先端に接ぎ木される人工的につくり出された品種

万象

高価だが人気の高いハオルチアの代表格、万象(マンゾウ)。水平に切り取ったような不思議な形をした葉の窓に、綺麗な模様が。成長とともに模様が変化する様が神秘的と評されている

太閤秀吉

その名も太閤秀吉。勢いよく扇状に広がる形から命名。南アフリカ産の巨大球根植物

鶴仙園
adress
東京都豊島区南池袋1-21-1 西武池袋本店9F屋上
open 10:00〜17:00 年末年始、仕入れ時は臨時休業あり
telephone*03・5949・2958

東京都豊島区駒込6-1-21(本店)
open 10:00〜17:00(冬季午後4時まで)火曜定休
telephone*03・3917・0667

※情報は「リライフプラスvol.22」取材のものです

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