インテリア・雑貨

Sumai編集部

オアシスのような東京の花屋/華々(ハナバナ)

外観

東京には、オアシスのような花屋がたくさんあります。
なぜ仕事として花屋を選んだのか、日々どんな思いで草花や客と向き合っているのか。

都内でも注目の花屋を作家・エッセイストの大平一枝さんがたずね歩きます。

(取材・文/大平一枝 撮影/佐々木孝憲

緑に包まれに、さあ練馬のトスカーナへ

エントランス

1階にカフェ・フェリーチェ、2階にイタリア料理店ラ・ベントゥーラ。このビルの向かいに花と植物専門スペースがあります。正面奧は栽培のための庭

この先に花屋さんなどあるのだろうか? と少々心配になるような、練馬区の静かな住宅街にその広大な緑の空間はあった。

桜の木立がすがすがしい3000坪の庭に面して、イタリア料理店とカフェが入った瀟洒な建物。アプローチやウェイティングスペースにも観葉植物や季節の花の鉢植えが並ぶ。道を挟んだ向かいにはガーデニングショップがある。

神田さん

「ローズマリーが好き」という神田さん。「24歳のとき、マイアーレというイタリア料理でこれを知り、以来ずっと、香りの虜です。イライラすると触れて嗅ぐ。ほっとしますね。料理にも使うし、ドライにもするし、部屋にもベランダにも置いて楽しんでいます」

曾祖父が興した造園業を継ぎ、18年前に店舗を建て、新しい展開を始めた5代目、神田靖仁さんは語る。
「若い頃イタリアのトスカーナを旅して、その街並みや草花を愛する暮らしに魅了され、あちらでは造園家ではない人々が、種から植物や花を育てて楽しみます。ここでも、そんな人たちが集まれるような、イタリアの田舎町にある花屋さんやレストランを再現できたらと思い、ガーデンスクウェアを開きました」

ディスプレイ

季節の鉢花、ハーブ、和花、厳選した観葉植物が中心。花とテラコッタなど鉢とのセットアップも相談できる

だからといって、異国の建築のように浮いていない。年季の入ったテラコッタの床や、廃材を利用した階段など自然素材がいい塩梅で植物と交じり合う。あくまで主役は緑。敷地いっぱいに緑があふれていて、ベージュの壁と焦げ茶の建材がスパイスのように効いている。

建材だけでなく花器も、緑を引き立てるためできるだけ色数を抑え、シンプルにしているという。ここでウェディングをしたいと言う常連の気持ちがよく分かる。花を見に行くというより草花に包まれに行くという表現がこの空間にはいちばん似合う。

テラス

敷地3000 坪。椅子に座ったとき、ビルや電線がなく緑だけが見えるよう、18 年前、広大な庭に桜を植えた

フィカスプレシャス

レアもののフィカスプレシャス。成長が緩やかなためコンパクトさで人気を集めている

カゴ入りの花

ディスプレイの什器も、木やカゴなど自然素材のものがほとんど。細部まで質感と色みを重視

リンゴ箱の花

昔のリンゴの木箱に花苗を。通り沿いなので、街の風景に溶け込めるようなナチュラルな飾り方を意識しているそう

※この記事は「リライフプラスvol.23」掲載時のものです。

華々(GARDEN SQUARE)
adress 東京都練馬区中村南1-27-20
open 10:00~19:30 木曜休み
telephone*03・3825・3501

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