「サラリーマンこそマンションの理事に最適!」と説くのは、日刊住まいライターでもあるサラリーマン理事長。マンション管理組合の理事長としての経験から、マンションの管理業務を委託する管理会社に対して言いたいことがいろいろとあるそうです。まずは、そもそも管理会社って? というところからお話を伺いました。
「管理会社がやってくれるからマンションのほうがラク」は間違い?

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戸建てでは自分でやらなければいけない家の管理。毎日家の周りを掃除して、雨漏りがしたら業者を手配し、修繕のための急な出費も頭に入れておかなくてはいけません。
それに比べてマンションはラク。管理費と修繕積立金を払っているから、あとは管理会社が自分たちの代わりに全部やってくれる…そう思っている人は多いのでは。
「それ、間違いですよ」と、真剣な表情のサラリーマン理事長さん。「管理会社に全部お任せ、なんてありえません。自分たちのマンションは自分たちで管理しなくては!」。でも、それってどういうことなのでしょうか?
「管理会社はマンション管理のプロ」のはずが…

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マンションの住民でつくる管理組合は、正直、マンション管理の素人。それを補うために組合が管理を委託しているのが、管理会社です。つまり、管理会社はマンション管理のプロ。
しかし、サラリーマン理事長さんのマンションでは、「とてもプロの仕事とは思えない」ようなミスが散見されたそうです。
管理会社に委託している業務は、管理人を雇う、清掃員を派遣する、議事録をまとめるなどが主ですが、例えば議事録ひとつとっても満足のいくものではなかったと理事長さん。
「まとめ方がよくない、数字の間違いがある、挙句の果てには自分たちに都合のいいように内容を変えてしまっていました」。議事録修正のために毎回、担当者と5回も6回もメールのやり取りをしなければならなかったそうです。
管理会社は、管理組合から委託されてマンションの管理を代行するサービスを提供する会社なのですが、「サービスを提供している、という認識が低いのでは?」とサラリーマン理事長さんは疑問に思ったと言います。
マンション管理は「自分ごと」。管理会社をしっかりチェックしよう

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「もちろん、きちんと対応してくれる人もいますが、普通の会社のサラリ―マンならできることができない担当者もいる」そうで、「どんな担当者に当たるかは運」と理事長さんは言い切ります。
この話を聞くと、「管理費を出してあとはお任せ」で本当にいいのか? と疑問に思ってしまいますね。
最終的には、何度注意しても変わってくれない担当者にしびれを切らして、管理会社の社長を呼び出して注意をしたこともあるそうです。そして、その担当者は引継ぎも挨拶もなしに突然やめてしまったとか。
自分たちのマンション、やはり管理は「自分ごと」と考えて、管理会社の仕事をしっかりチェックするのが正解のよう。つまり、あくまでも管理の主体は管理組合側にあるということです。
お金を出して委託している以上「あまり言うと、うるさいと思われるのでは」と遠慮せず、また「面倒くさい」と放置せずに、自分たちのマンションをしっかり守っていく必要がありそうです。

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業務を任せられる分、戸建てよりマンションのほうが管理がラクなのはその通りだと思いますが、「ノーチェックのまま全部お任せ」はダメ、ということがよく分かりました。
管理組合がしっかりと機能し、管理会社に適切な指示が出せると、自分たちが本当に住みやすい環境を作っていけます。管理を丸投げしないことで、きちんとマンションの資産価値を守るだけでなく向上させることもできます。
サラリーマンの給料を毎年上げ続けるよりは、格段に少ない時間の投資で、大きなリターンがあるかもしれません。