インテリア・雑貨

Sumai編集部

オアシスのような東京の花屋/TOKY(トーキ)

TOKY店内

東京には、オアシスのような花屋がたくさんあります。
なぜ仕事として花屋を選んだのか、日々どんな思いで草花や客と向き合っているのか。

都内でも注目の花屋を作家・エッセイストの大平一枝さんがたずね歩きます。

(取材・文/大平一枝 撮影/佐々木孝憲)

理想の鉢を求めたら、ハンドメイドのオリジナルに

アロエ・スザンナエは綠青銅結晶釉のポットに

アロエ・スザンナエは綠青銅結晶釉のポットに。美しい陶板は陶芸家・小岩井潔さんの作。

エケベリア・アガボイデス

葉の縁、裏が赤く染まる蓮のような造形美のエケベリア・アガボイデス「スーパーレッド」。

葉や茎や根に水分を貯蔵する多肉植物の根強いファンが拡大している。仕入れ業者や生産者、ショップを何度か取材したことがあるが、TOKYの植物の造形は群を抜いてどれも美しい。

店主の藤原連太郎さんに聞くと「妻とふたりで育てています」とのこと。ふたりとも元ウェブデザイナーであり、TOKYはデザイナーの視点から生まれた。

なるほど、と合点がいった。植物と同時に、鉢もスタイリッシュで、その組み合わせが、これ以外にないだろうと思わせるほど絶妙なのだ。

「植物の大きさ、形、色み、種類。その植物に合う理想の鉢を求めて、スケッチから起こし、陶芸家や鉢屋さんにオリジナルのものをつくっていただいています。窯は益子、常滑、信楽、九谷など各地に赴きます」(藤原さん)

アガベ、ユーフォルビア、球根、コーデックスなど

アガベ、ユーフォルビア、球根、コーデックスなど。テラスの光をたっぷり浴びて年単位で育成される。

店名のTOKYは、「東京の陶器」から。
独特の統一感やバランス感覚は、色合いや形だけでなく、陶器の質感からも生みだされている。

中米やアフリカ生まれのドライな風合いの多肉に、漆黒の釉薬に斑文がちりばめられた茶器のような鉢や、ツヤツヤの青銅色の陶器がしっくりなじむ。

コノフィツム・ブルゲリ

南アフリカ産のコノフィツム・ブルゲリ。透明釉のかかった陶製のポットにベストマッチ。

和でも洋でもない。TOKY風。
取材中も、植物をケアする手が止まらない。日照にあわせ、鉢ごとにこまめに置き変える。

オブジェのような鑑賞物ではなく、命ある生き物として対峙する彼の姿から、独特の熱が伝わる。ありきたりな言葉でもどかしいけれど、それはつまり愛というもので、この店を支える栄養分のようなものなんだろう。

ティランジア・カウツキー

ティランジア・カウツキーは入手困難な希少種。

全体に銀釉が塗られたポット

全体に銀釉が塗られたポットは益子で焼いてもらっているもの。店名のTをあしらったオリジナルの意匠で、水抜き用の底穴にも遊び心が。発注する陶芸家は、鉢づくりの経験がない人が多いので、完成まで綿密なやりとりを交わしてコラボしていくそう。

ハオルチア桜水晶

藤原さんが好きな植物は、ハオルチア桜水晶。「透明感のある葉の中に水分をためます。最初はそれほど興味がなかったけれど、葉や根を切って土に挿すとそこから根がつく。見て育てて、増やす楽しさに次第に魅了されていきました」と藤原さん。

TOKYの看板

【TOKY(トーキ)】
東京都中央区東日本橋3-3-17 RE-KNOW日本橋5C 電話番号 03・3527・2767 営業時間 12:00~19:00 ※不定休(営業日時はHPで確認を)
※情報は「リライフプラスvol.27」掲載時のものです。

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