不動産

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「あおる」不動産業者に用心。その契約、仕組まれているかも?

不動産会社の営業マンは、たくさんの購入希望者と接しているので、お客さんの心理を見抜くのが上手です。

昨今、不動産を購入する場合、値下げ交渉することが一般的になっていて「あと500万くらい下がりませんか」など、積極的に価格交渉をするお客さんも少なくありません。しかし、営業マンのほうが一枚上手なことも。

『不動産屋は9割ウソをつく』(三笠書房)の著者で現役不動産仲介営業マンの関田タカシさんに、お客さんの気持ちを上手に操る営業マンの心理テクニックを実話をもとに話してもらいました。

1.お客さんに特別感をもたせて、思うままに操る!?

モデルルーム

旅人 / PIXTA(ピクスタ)

不動産業界では、値引きが頻繁に行われているために、売買物件の販売開始価格を少し上乗せして売り出すことが多くあります。
通常、値引きしていいかどうかは売主の判断なので、営業マンは許可をもらわないと値引きすることはできません。しかし、売主に了解をもらい、担当営業サイドである程度操作できることも少なくありません。

どこまで値引きできるかは、お客さんには絶対に教えません。

お客さんから価格交渉が入ると「ちょっと上司に聞いてきます」と言って、奥へ入ってしまいます。
もちろん、本当にこの間に上司や大家さんにかけあっている営業マンもいるのですが、成約価格の「落としどころ」を知っている場合は、「時間稼ぎ」をしているだけ、ということも。
再びお客さんの目の前に出てきて「こんなに値段が下がることはないのですが、今回は特別に承知していただきました」と、にこやかに伝えます。

また、分譲マンションの申し込みをしたら、実際はまだ余裕があるのに「残念ですが、キャンセル待ちですね」と言われてしまうケースがあります。
お客さんが残念そうな顔をしていると「念のため、調べてみますね」と「親切な」営業マンが調べてくれます。そして「1件キャンセルが出ました!」とうれしそうに教えてくれます。

もしあなたがお客さんだったら、どちらのケースも「すぐに」申し込みしたくなると思ったのではないでしょうか。どちらも「逃してはいけない」という気持ちを抱かせるトーク術です。

2.落とせそうな客に対しては徹底的に「あおる」

契約書

タカス / PIXTA(ピクスタ)

物件の申し込みをしようとしたら「今、一番手の人がいるんです」と言われてしまうケースがあります。
この時「もっと高値で買うのならば手に入りますよ」と言われたり、別の物件を勧められたりしたら、営業マンが心理作戦を行っている可能性があります。

別の物件を勧めるのは、大半が申し込もうとした物件よりも、勧める物件のほうが高額な仲介手数料をもらえるなど、不動産会社が有利になる場合です。

不動産会社の営業マンは接客のプロ。高く物件を買ってくれそうな人や住宅ローン審査に通りやすい人を目ざとく見つけます。営業マンは、より高く、より早く確実に契約してくれるお客さんに優先的に物件を売りたいのです。

ターゲットを決めたら、営業マンは徹底的にお客さんを「あおり」ます。

あきらかに金銭的余力があるのに交渉してくるお客さんには、高い値段で申し込むよう誘います。「人気物件なので、満額購入でないと手に入らないですよ」「先に申し込み者がいますが、この額なら一番手になれます」などと声をかけます。

どうしてもその物件を手に入れたいお客さんは、このくらいあおっても断られません。お金を持っているので申し込んでくれることが多いのです。

3.まとめ

マンション

PIXTOKYO / PIXTA(ピクスタ)

不動産会社の営業マンは、お客さんと何回か話しているうちに、家族構成や職業、どのくらいお金をもっているかを見抜いてしまいます。そして、そのお客さんが早く申し込んでくれるような方法を即座に見極め、アプローチしてきます。

営業マンの戦略に乗せられることがすべて悪いわけではありません。お客さんも満足すれば「Win-Win」の関係となるからです。しかし、不動産選びを失敗しないためには、営業マンの思惑も知っておくと良いでしょう。

関田タカシ(セキタタカシ)
1982年東京都生まれ。宅地建物取引士。大学卒業後、大手流通不動産流通業者にて売買仲介の経験を積む。その後、収益不動産専門の売買仲介業者へ転職。ヘッドハンティングされ、現在では投資用不動産専門の売買営業担当として従事。著書に『現役営業マンが明かす不動産屋のぶっちゃけ話』『現役不動産仲介営業マンがこっそり教える最強の初心者向け不動産投資』『超実践 不動産投資のプロ技』(以上、彩図社)がある。

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