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sumai編集部員

写真家・本城直季さんの本棚を拝見!「1回読んだだけで理解しようなんて、絶対できない」

クローゼットや机の引き出しと同様、なんだか覗いてみたくなる他人の本棚。写真家の本城直季さんに、自宅の本棚を見せていただきました。

健康本マニア。本城流読書術

アトランダムな本棚

写真集、社会学、旅のガイドブックなどアトランダムな棚。子育てもあり、今はあまり写真集を眺める時間がないとのこと

布をかぶってシャッターを押す昔ながらの4×5という大判カメラが仕事道具だ。機材は約16kg。2015年頃、本城直季さんは撮影による腰痛に悩まされ、ストレッチはもちろん睡眠や食事の質など健康全般に気を使い始めていた。

あれから4年。彼自身の本棚は、写真集以上に健康関連の実用書があふれかえっていた。

健康関連の実用書

築数十年の妻の実家に同居。大事な本は自分の実家に置いてきた。使っていない和室の床に、よく読む健康系の実用書を積んでいる

「中高生の頃は白樺派などの純文学が好きでした。読書感想文は『人間失格』。村上春樹もひととおり。学生時代は手当り次第写真集を。当時6000円くらいする、高くて買えなかったホンマタカシさんの本を、結婚して妻の実家で見つけたときはうれしかったですね。で、今はもっぱら健康本を乱読です」。

本

採掘現場の発破の瞬間など、独自の視点で撮り歩いている。「彼の風景写真が好き。写真家を超えて美術家のような存在」

本

医師である著者のブログ時代からのファン。薬に頼らない食事療法のメソッドに大いに共感。理論的に納得できるという

本

元編集者で『マネーロンダリング』などの経済小説で知られる作家。本作は遺伝子をテーマにした実用書で、とても興味深かった

1冊の本を何度も読み、まずは書かれたことを一度実践する

仕事部屋の本棚

妻が子ども時代に使っていた部屋を仕事部屋に。IKEAの本棚には食事療法、ストレッチ、心理学、脳神経関連の本が

趣味のバスケで、腰痛や体の重さ、持久力の低下を痛感した。もちろん、健やかな肉体は重要な仕事道具でもある。薬や病院に頼るのではなく、一生続けられる健康法を自分で身につけたいと思った。

「腸にいいとか糖質はよくないとか、それだけを書かれた本を読んでいても、あまり納得できない。でもアンテナに引っかかったものを乱読しているうちに、体系的につながることがあるんですよね」。

本

なんとなく蔦屋書店で見つけた。エイズの進行を発酵食品で食い止めている人の著書。自分も発酵食を暮らしに取り入れたいと考えている

1冊の本を何度も読み、まずは書かれたことを一度実践する。その理由を語る本城さんから、書物へのリスペクトが伝わった。

「だってどうしても伝えたいことのある人が何年もかけて1冊にしたとしたら、ものすごいエネルギーじゃないですか。それを1回読んだだけで理解しようなんて、絶対できないって思うんです」。

本

淡々としているのにメッセージ性がある。学生の頃、誰もが彼から刺激を受けていた。当時高くて買えなかったが、妻の実家で発見

本

京都大学を卒業して猟師になった千松信也さんのエッセイ。狩り、解体、料理までを全部ひとりでこなす。「ひとつの憧れの生き方です」

本城直季さん

本城直季さん
写真家。東京工芸大学大学院修了。 作品集『small planet』で2006 年度木村伊兵衛写真賞を受賞。 大判カメラのアオリを利用した作品は国内外で高く評価される。おもなコレクション先にメトロポリタン美術館、ヒューストン美術館がある。写真集の近刊に『京都/ KYOTO』(淡交社)、『東京』(リトル・モア)

※情報は「リライフプラスvol.34」取材時のものです
(取材・文/大平一枝  撮影/本城直季

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