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機械式駐車場は金食い虫!「貧乏マンション」になるリスクも?

マンション選びで重要なポイントの1つが、修繕積立金。十分な積立金を蓄えているマンションは意外に少なく、ギリギリの予算のところが大半といいます。

「機械式駐車場は金食い虫。マンション購入の際は、どんな方式の駐車場かも確認すべきです」と話すのは、10年で1万件以上の相談に対応してきた住まいのコンサルタント・眞鍋豊洋さん。その理由を詳しく教えてもらいました。

1.予想以上にかかる機械式駐車場のコスト

機械式駐車場

pierreken / PIXTA(ピクスタ)

機械式駐車場とは、車を載せる「パレット」を操作盤をにより上下左右に動かし、入出庫するものです。地上だけでなく、地下にも車を2層、3層と収容できます。狭い空間を有効利用するためにここ数十年の間に普及したスタイルの駐車場です。

機械式駐車場はエレベーターのように法定点検はありませんが、機械に不具合があっては危険なので、定期的な保守点検作業が必要です。また、機械だけでなく、排水ポンプが正常に動作しているかなども確認が必要で、ランニングコストが立体駐車場や平置き駐車場よりもかかります。

5年を目安に鉄部の防錆塗装を行えば寿命を延ばすことができますが、築25年をすぎたくらいから、交換が必要になってきます。パレットを新品に交換する場合は、1パレットあたり100万円前後かかるようです。

20台だとすると2,000万円の支出。マンションの大規模修繕並みの費用が、機械式駐車場の交換費用だけでかかる計算になります。

2.大半のマンションは大規模修繕工事をするお金がない

大規模修繕

ABC / PIXTA(ピクスタ)

マンションの大規模修繕工事は1回だけでなく、2回、3回と複数回行われます。1回目の大規模修繕工事は、耐用年数の関係から、エレベーターや機械式駐車場は対象に含まない場合がほとんどです。

2回目、3回目の大規模修繕工事の時期ともなると、給排水管の取り替え、エレベーター交換などの「大物」の修繕が加わります。同じタイミングで機械式駐車場の交換時期がやってくるため、10台以上パレットを交換するならば、1,000万円はかかってしまうということになります。

1回目の修繕さえも最初に設定されていた積立額では間に合わなくなり、一時金や積立金の値上げするところもあるような状況なのに、2回目以降の修繕ではさらにお金がかかってしまい、修繕積立金の値上げをしたり、管理組合が金融機関への借り入れをしなくてはならなくなり、苦しい運営状況に。

これでは、将来ボロボロのマンションになってしまうかもしれません。資産価値は下落し、納得のいく売却金額で売れなくなってしまいます。

3.まとめ

機械式立体駐車場

xiaosan / PIXTA(ピクスタ)

マンションを選ぶときに、機械式駐車場のあるマンションを選択肢から消してしまったら「選べるマンションがほとんどなくなってしまう」ということもあるでしょう。

必要なのは、機械式駐車場にも建物同様、長期修繕計画が立てられていて、管理費会計ではなく修繕積立金会計で計上されている、さらに機械式駐車場単体で会計を立てているなど、きちんと計画がなされているマンションを選ぶことです。

また、いつ耐用年数を迎えるか、空き部屋は多くないか、設備のリニューアルに建物の大規模修繕と同様の費用をかけることができるのか、などもチェックしておきましょう。

眞鍋 豊洋

一級建築士、管理建築士、宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、マンション管理士、管理業務主任者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、損害保険募集人など、住まいに関する資格を多数保有し、多方面から問題解決を図るゼネラリスト。どの企業とも属さない第三者の立場で、購入者向けの建築・不動産コンサルティングを行うプロフェッショナル集団でコンサルタントとして様々な案件を担当し、現在は、住まい、家具、雇用の再生を目指す株式会社1Line(ワンライン)の代表取締役として活躍中。

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