リノベーション

小林 ユリ小林 ユリ

二世帯リノベ「所有者は親、ローンを払うのは子」で注意すべきこと

マイホームを購入するときや、リフォームやリノベーションを行うときには、おそらく大抵の人がローンを組むことになると思います。ライターの小林ユリさんはリフォームのために初めてローンを組むことになり、不安を感じたそう。

ローンを組む際に浮上した疑問や解決策について話してもらいました。

浮上した不安な点は2つ

母親

foly / PIXTA(ピクスタ)

今回は二世帯同居のためのリフォームということで、もともとあった筆者の実家に手を加えます。家の所有権は100%母にあります。この家は7年前に母がキャッシュで購入。築年数は50余年で、購入後に解体、建て替えました。ローンはなし。土地、建物ともに母の持ち物です。

しかし今回リフォームをするにあたってローンを組むことになり、「筆者の夫1人でローンを組めるのか?」「現状では母の財産である家のリフォームのため、贈与税など何らかの税金は発生するのか?」という疑問が発生しました

自営業者はローンが組みにくいため、担保を提供

会社

Ushico / PIXTA(ピクスタ)

今回は1550万円のローンを組むことになりました。夫の年収は約500万円。正社員で勤続10年です。

一方、筆者はフリーランスなので、ローンを組む際の信用度は一般的には低いとされています。馴染みの整骨院を営む自営業の男性に聞いてみたところ、やはりローンの申し込みを一度断られたとか。借入金扱いになるため携帯端末の分割払いや、キャッシング機能付きのクレジットカードの解約などを行い、担保を提供することでなんとかローンを組めたそうです。

やはり自営業者にとって、ローン審査というのはかなり高い壁なのです。ここで夫婦ローンが現実的ではないという現実を突きつけられました。また、筆者の親は働いておらず、親子ローンという選択肢もありません。

ワークスペース

ひろこ / PIXTA(ピクスタ)

これらを踏まえた上で、家と土地の両方を担保とすることでローン審査を通すことにしました。

相談したファイナンシャルプランナーによれば、このとき、実際に借り入れをする金額よりも担保として提供するものの金額が上回っていればいるほど、すんなりと審査が通るとのことでした。幸い、筆者たちの場合はこの条件を満たしていましたので、審査通過までに時間がかかるようなことはありませんでした。

ただ、銀行によってはリフォームのために組むローンは500万円までなど、細かい規定がある場合もあるので事前調査は欠かさないようにしたほうが良さそうです。

夫婦

ADE / PIXTA(ピクスタ)

リフォームをするにあたり、1550万円のローンを夫ひとりで組まなければならないという第一関門は無事クリアすることができました。こちらはひと安心ですが、一難さってまた一難。さて、次の懸念事項は「贈与税がかかるのではないか?」というものでした。

土地建物所有者は母、ローンは夫。建物を共有財産にして問題解決

計算

CORA / PIXTA(ピクスタ)

今回は母の家を夫がお金をかけてリフォームします。つまり、母の家の資産価値を母本人ではなく夫が上げることになりますから、贈与税がかかるのではないかという疑問が浮上したのです。

リフォーム完了まであと3か月弱。なにか手続きが必要なら急いだほうが良いかもしれないと思い、さっそく税理士に相談に行きました。

Q「母はリフォーム完了と同時に建物を夫との共有財産として登録し直すつもりでいますが、贈与税はかかりますか?」
A「それならば話は簡単です。リフォーム代金をご主人が負担すること自体は贈与に当たらないので、贈与税はかかりません。家の所有権を移転させる点については、贈与とみなされるので贈与税がかかってしまいます」

Q「具体的に、いつ、どの程度振り分ければ良いのでしょうか?」
A「今回の場合は大規模なリフォームなので建物登記も新たにし直す必要がありますね。ですので、建物の持分割合をローンの金額に合わせてお母様からご主人に移して申請をしましょう。そうすればお母様自身の財産に手を加えることになるため、贈与税はかかりません。登記をお願いする司法書士にも、その旨を伝えておくとスムーズですよ」

Q「建物の持分割合は自分でも計算できますか?」
A「専門的な知識が必要ですので、できれば税理士が算出するのが好ましいですね。登記済権利証(登記識別情報)をお持ちいただければ、そこから土地の法定価格をお調べして計算することができます。申請自体はリフォーム完成後の申請となりますので、慌てなくても大丈夫です」

一戸建て

TATSU / PIXTA(ピクスタ)

Q「土地の持分割合はどうなりますか?」
A「土地の持ち分のパーセンテージはそのままにしておきましょう。つまり、お母様が100%持っている状態です。こちらを下手にいじってしまうと、逆に親から子へと生前贈与をしたとみなされ、贈与税が発生してしまいます。生前贈与は死後贈与よりも贈与税が高くなるケースもあるので注意しなければなりません」

持分割合を動かすのは、実は大変なことだった

リフォーム

TATSU / PIXTA(ピクスタ)

今回は筆者の母が建物を共有財産として登録し直すという意向が前提としてあったので、税金面での話し合いは比較的スムーズに進んでいきました。しかし今回話をうかがった税理士によれば、こういうケースは比較的まれで、建物所有者が持分割合を譲ることを嫌がることも多いそう。自分の財産が少なくなるわけですから、見方を変えれば確かに受け入れ難いのかもしれません。

筆者のようなケースで問題になるのは、建物所有者が持分割合を動かすことを承諾してくれるかどうかでしょう。税金対策としてはここが最も大きな難関で、また論点となりそうです。

将来にわたってシコリを残さないためにもしっかりと話し合って、お互いが納得する形で慎重に話を進めるようにしなければなりませんね。

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