マットレスの基礎知識。コイル、ベンチレーター…注目したい用語は?
インテリアショップにずらりと並んでいるベッド。一体何がどう違うのか疑問に思ったことはありませんか?同じように見えるマットレスもそれぞれに違いがあります。
インテリアコーディネーターのタクミさんに、マットレスの仕組みを知るために理解しておきたい用語を紹介してもらいました。
「ポケットコイル」と「ボンネルコイル」の違いとは
最もメジャーな「ポケットコイル」
マットレスの中には、ねじを巻いたようなコイルがたくさん並んでいます。そのなかでも最もメジャーなのは、円筒状のポケット(袋)にコイルを包んで配列した「ポケットコイル」。
独立した1つ1つのコイルが何百個も配置されているため、たくさんの「点」が細かく体のラインに沿うようになっています。コイルが体にフィットするので体圧分散にも優れており、2人以上で寝ても寝返りの振動が相手に伝わりにくいメリットがあります。
少し固めな「ボンネルコイル」
ポケットコイルが1つずつ独立しているのに対し、コイル同士がつながって配列されているものを「ボンネルコイル」と呼びます。
「点」で体を支えるポケットコイルに対して、コイルがバネで連結された「面」で支えるのがボンネルコイルです。寝返りがしやすく、硬めの寝心地を好む人におすすめのマットレスになります。
ふかふかの決め手は「詰めもの」
マットレスのコイルの上には「詰めもの」が何層にも重なって、硬さを調節しています。ウレタンや綿・ウールなどの素材が使われることが一般的です。
ふかふかの寝心地のマットレスに多く使用されている詰めものですが、必ずしもたくさん使用されていれば良いというわけではありません。何年も使用したマットレスは「へたる」「へたった」などと表現されますが、これは詰め物が摩耗して寝心地が変わるからです。
コイルよりも詰めもののほうが耐久年数は低いので、経年変化で寝心地が変わることに注意が必要です。「詰めものの層が厚い=良いマットレス」ではないので、注意しましょう。
空気の入れ替えを行う「ベンチレーター」
マットレスのサイドを見ると、小さな穴が開いています。これは「ベンチレーター」といい、マットレス内部の空気を外へ逃がすためについています。
布団のように天日干しができないマットレス内の湿気を逃がして、カビやダニの繁殖防ぐ役割を担っています。
ワンランク上の仕様「ピロートップ」
マットレスの上に「ピロートップ」と呼ばれるクッションが付属している、高級感のあるタイプのものもあります。
マットレスと詰めもの部分を分けた構造になっており、生地の突っ張り感がなくり包み込むような柔らかい寝心地になります。柔らかい寝心地を好む人におすすめのマットレスになります。

ChilliProductions / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです
マットレスはコイルの数や配列の仕方、クッション層の素材や厚みで寝心地は大きく変化します。マットレスの仕組みを知ることで、選ぶ基準やお手入れ方法にも役立ててください。