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自宅マンションの一部を賃貸向けにリノベした。工事や費用のポイント

大家族が減り、家族構成もコンパクトになりつつある現在、広すぎる家を持て余す方は多いのではないのでしょうか。

マンション内にある祖父の自宅の一部を区切って賃貸にリノベーションした際の体験談を、日刊Sumaiライター・アサクラさんが語ります。

実家の一部を賃貸にリノベするというアイデア

僕が管理している世田谷のマンションの一部には祖父の自宅がありました。図にしてみると、こんな構造です。

改修前のマンションの構造

うちのマンションは一室あたり約30平米の広さですが、一階に2部屋と二階に2部屋、計4部屋分=120平米のスペースに自宅を設けてありました。

外階段とは別に宅内に階段もあり、「マンションの中に戸建てがある」とでも言うような不思議な構造です。相続の手続きが完了しマンションを引き継ぐにあたって、僕の両親がこの部屋に住むことになりました。

しかし、年老いた夫婦に120平米はあまりにも広く、持て余すことは目に見えています。そこで「この家の一部を区切って賃貸にしよう」と考えたのです。

自宅の一室を賃貸に改修する構造図

二階の半分=1部屋分を賃貸に充てることにしました。

電気・ガス・水道のメーターを新設する費用は意外に高い

工事前の二階の図面をごらんください。

工事前の二階の間取り図

このうち、右側の洋間1部屋と納戸と階段を残し、左側を区切って賃貸に改修します。

二階の左側半分を賃貸に改修した間取り図

赤で囲ったところが賃貸になる部分。幸いなことにトイレ・風呂・流し台といった水回りがそろっていました。

トイレは和式ですし、浴槽はすでに撤去されて物置状態で、どの設備も新規に刷新して入れ換えねばなりません。

それでも、業者さんの話では既存の配管が流用でき間取りの変更も最小限で済むので、工事しやすいという話でした。

むしろ問題なのは「メーター」のこと。これまでひとつの家だったところを区切ってふたつの家にするとなると、水道光熱費を別に計算する必要があり、電気・ガス・水道のメーターを新設する必要があるのです。

「ライフライン幹線分岐工事」という名目で「338,000円」という見積もりが出てきました。

ライフライン幹線分岐工事の見積もり

※わかりやすいように修正を加えてあります

思わぬ出費ですが、各社への申請の手間も考えると仕方ない気もします。自宅の一部を賃貸にするケースならではの出費と言えるでしょう。

玄関ドアや壁の新設でいつもより約70万円高い見積もりに

もうひとつ大きな出費がドアの新設。区切った部屋には、新たに玄関ドアを設置する必要があります。もともと壁だった場所に穴を開け、ドアを新設しました。

新設されたドア

木造のアパートとちがって鉄筋のマンションではなかなか大変な作業で、費用もかかりました。これに加えて宅内に新たな仕切り壁を設ける必要もあり、その費用もかさみます。

今回の工事の主なポイントをまとめるとこんな感じ。

4点の工事ポイントを説明した間取り図

これらのポイントを軸に業者さんと打ち合わせをおこない、できあがった工事プランがこちら。

できあがった工事プラン平面図

先ほどの図面と見くらべていただければわかりますが、間取りはほとんどいじっていません。それでも、工事費は400万円に達する計算でした。

うちのマンションの場合、設備もすべて取り替えるフルリノベーションだと330万円くらいが予算の目安なのですが、いつもとくらべて約70万円プラスの金額です。

ここに先ほどのメーター新設の費用も加算され、トータルで「約435万円」。

一瞬、ためらう気持ちも湧きましたが、無事に借り手さえつけばリターンのある投資と考えて工事を決断しました。

結局、施主支給の金額なども含めると最終的に「約450万円」ほどかかった末、完成にこぎつけました。

家賃は「10万5000円」に設定。工事費「450万円」を3年半で回収

こちらが完成したお部屋。

フルリノベーション完成後の室内

フルリノベーションしたおかげで、「実家の一部を賃貸にした」とは思えないきれいな部屋ができあがりました。

開く室内窓を設置

廊下に向かって開く室内窓を設置したりして、遊びも入れました。

完成後のキッチン

家賃は1か月10万5000円で募集しましたが、春の賃貸シーズンに間に合ったこともあり、すぐに借り手が見つかりました。とても良いご夫婦で今も仲良くさせていただいています。

完成後の室内

さて、ビジネスの視点から見ると、工事費450万円を回収できるのは43か月目。およそ3年半で利益が生まれる計算です。

洗面台

幸い、入居者さんにも物件を気に入ってもらうことができ、2回目の更新を無事に迎えることができましたから、ひとまず赤字は避けることができました。大家としてはホッとするところです。

自宅の一部を賃貸にすることで家賃収入をプラス

こうして振り返ると、広すぎた実家のスペースをムダなく活用して利益を生み出せたので悪くない投資だったと実感しました。

うちの場合はマンションでしたが、工夫すればふつうの戸建てでも十分可能だと思います。自宅に家賃収入をプラスすることができれば、固定資産税などの支払いの助けにもなります。

相続などで広い自宅を持て余している方、選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

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